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執筆をサポートするAI(ChatGPT)の設計思想と基本となる5つのプロンプト

GPT Storeがオープンするので、私も公開用のGPTs「エフェクチュエーション記事執筆の伴走AI(β4)」を作成しました。今回は私が作成したGPTsの設計思想と基本となる5つのプロンプトを合わせて共有します。


ChatGPT-エフェクチュエーション記事執筆の伴走AI(β4)

エフェクチュエーション理論(Effectuation)に関する執筆をサポートするために特化されたAIです。

以下のnoteがその作成事例です。


設計思想はStep by Stepでユーザーの言葉から執筆をサポートしていく

ConfigureのInstructionsの構成です。

  1. role: AIの役割を定義

  2. Variable: 変数を指定

  3. STEP-1: ユーザーが提供する情報の理解と整理

  4. STEP-2: エフェクチュエーションの5つの原則を抽出

  5. STEP-3: キーワードの抽出と選択

  6. STEP-4-1〜5: 各原則の詳細を執筆

  7. STEP-5: 序章と結論の詳細を執筆

  8. 基本ルール: 表示形式、言語は日本語、対話のマナー

  9. 攻撃対策: プロンプトインジェクション対策

執筆は5つのSTEPでユーザーと対話をしながら完成までサポートします。
各STEPにおいて、ユーザーからのフィードバックや提供されたテキスト情報に基づいて、必要に応じて再度ステップを実行します。

まず各STEPの説明を行います。

STEP-1: ユーザーが提供する情報の理解と整理

  • タスク: ユーザーが提供するテキスト情報を要約します。(私は音声入力も利用します)

  • 目的: AIがユーザーの情報の理解と整理を行う。

インプット情報の例

これからのプロジェクトマネジメントには、「エフェクチュエーション」という考え方が大事になってきます。これは、手元にあるものを最大限に活用して、新しいチャンスを作り出すやり方。そしてAIが登場して、人間はもう面倒な技術的な仕事から解放されて、もっとクリエイティブなことや戦略的な役割を担うようになる。だから、私たちはAIとの相性を良くして、新しい価値を生み出す方法を見つけ出す必要があります。AI×エフェクチュエーション。

「内発的動機付け」も重要です。これは、個人や団体が自分たちの情熱や信念に基づいて目標を立てることを意味します。

AIは、予期しない問題をチャンスに変えるのを助けてくれます。AIをどうやってプロジェクトマネジメントに取り入れて、エフェクチュエーションの思想を使って新しいプロジェクトのアプローチをどう展開するかを考えています。

具体的には、AIが難しい作業を代わりにやってくれるおかげで、人間はもっと高度な意思決定やクリエイティブな問題解決に集中できるようになります。これによって、プロジェクトマネジメントはただのタスクをこなすだけではなく、革新的なアイデアを生み出して実現する方向に進化します。このフレームワークの基礎がエフェクチュエーションです。

結局のところ、エフェクチュエーションの理論とAIを組み合わせることで、私たちは「何をやりたいか」という基本的な問いに集中し、本当に価値のある成果を生み出すことができるようになります。この新しいプロジェクトマネジメントの方法は、個人の能力とAIテクノロジーの相乗効果で未来の働き方を変えてく。

インプット情報の例

AIのアウトプット

要約
提供されたテキストは、プロジェクトマネジメントの未来における「エフェクチュエーション」とAIの統合の重要性に焦点を当てています。エフェクチュエーションは、手元にある資源を活用し、新しいチャンスを生み出すアプローチです。AIの導入により、人間は技術的なタスクから解放され、クリエイティブな活動や戦略的な役割に集中できるようになります。内発的動機付けも重要で、個人や団体が自身の情熱や信念に基づいて目標を設定することを意味します。AIとエフェクチュエーションの組み合わせは、プロジェクトマネジメントにおける新しいアプローチを可能にし、より革新的なアイデアの実現へと導きます。

主張
・エフェクチュエーションとAIの統合が、今後のプロジェクトマネジメントにおいて重要。
・AIの活用により、人間はクリエイティブな活動や戦略的な役割に専念できるようになる。
・内発的動機付けが重要な要素として挙げられている。

理由
エフェクチュエーションは、既存の資源を最大限に活用し、新しいチャンスを生み出すことを可能にする。
・AIが複雑な作業を担うことで、人間はより創造的な思考に集中できる。
・自己の情熱や信念に基づく目標設定が、より意味のある成果に繋がる。

事実
・エフェクチュエーションは、手元にある資源を活用するアプローチ。
・AIの導入により、人間は技術的なタスクから解放される。
・内発的動機付けは、個人や団体の情熱や信念に基づく目標設定を指す。

AIのアウトプット


STEP-2: エフェクチュエーションの5つの原則を抽出

  • タスク: 「ユーザーが提供するテキスト情報」からエフェクチュエーション理論に関連する情報を抽出し、各章に分けて要約します。

  • 目的: AIが論文の構成と主要なポイントを提案する。

AIのアウトプット

「AIとエフェクチュエーション:未来のプロジェクトマネジメントへの新たなアプローチ」

1章:序章
プロジェクトマネジメントにおけるAIとエフェクチュエーションの融合の重要性を概説。技術と創造性の相乗効果を探求し、新しいプロジェクト管理手法の可能性を探る。

2章:手中の鳥
既存の資源と能力を最大限に活用し、新しいチャンスを切り拓くエフェクチュエーション理論の基本原則。AIとの相性を考慮した戦略的な利用方法を解説。

3章:許容可能な損失
リスク管理とエフェクチュエーションの関係。許容可能な損失を基準にした意思決定の重要性と、AIを活用したリスク評価の新たなアプローチ。

4章:クレイジーキルト
多様なステークホルダーとの関係性構築と、共有資源の活用。AIを活用したパートナーシップ構築と、共創による価値創造の可能性。

5章:レモネード
予期せぬ状況をチャンスに転換するエフェクチュエーションの原則。AIの予測不可能性と柔軟な対応の重要性。

6章:飛行中のパイロット
未来は自ら創り出すものというエフェクチュエーションの視点。AIを活用した未来予測と、そのデータを基にした意思決定のアプローチ。

7章:結論
エフェクチュエーションとAIの統合がもたらす革新的なプロジェクトマネジメントの可能性。持続可能な発展と新しい働き方への展望。

AIのアウトプット


STEP-3: キーワードの抽出と選択

  • タスク: STEP-2で整理した情報を基に、エフェクチュエーションの5つの原則(「手中の鳥」から「飛行中のパイロット」まで)から重要なメッセージをそれぞれ5つずつ抽出しリスト化します。

  • 目的: 5つの原則毎に重要なメッセージを捉える。

AIのアウトプット(一部)

theory1: 手中の鳥
「AIの能力と既存の経営資源の組み合わせによる新規事業機会の創出」
「エフェクチュエーションにおける自己認識の重要性とAIのサポート役」
「既存のネットワークとAIデータ分析を活用したチャンスの特定」
「エフェクチュエーションの実践におけるAIの役割と限界」
「個人のスキルとAI技術の融合によるイノベーション」

AIのアウトプット

実際のは5つの原則を全て提示します。その後AIがユーザーに質問

各理論に関連する重要なメッセージを選択してください。例えば、 1-1、1-3、4-3、5-1~5-4 のように指示してください。テキストによる指示でも構いません。
全て選択する場合は「0」と指示してください。

AIのアウトプット

今回はAIの要素が強く、また「内発的動機付け」の項目が無いのでテキストで指示しました。


【ポイント】
AIが提案した内容をユーザーが選択することで、自分がイメージしている内容に近づける。違和感がある場合はテキストで指示を行う。
※ある程度のエフェクチュエーションを理解していることが前提です。



STEP-4-1〜5: 各原則の詳細を執筆

  • タスク: エフェクチュエーションの5つの原則(「手中の鳥」から「飛行中のパイロット」まで)をナラティブな文章で詳細に説明し、関連するメッセージを組み込みます。

  • 目的: 理論の深い理解を進める。

最終的に完成した「手中の鳥」の原稿
「内発的動機付け」の言及が弱かったので細かく指示して完成。noteに転記するときに微調整しています。

エフェクチュエーション理論の核心である「手中の鳥」のアプローチは、内発的動機付けの考え方と深く結びついています。この理論は、既に持っているリソースや能力を最大限に活用し、新たな価値や機会を見出すという考えに基づいています。特に、リソースが限られている初心者やスタートアップ企業にとって、このアプローチは非常に有効です。

一般的なプロジェクト管理では、目標を設定し、その達成のために必要なリソースを集めることから始まります。しかし、「手中の鳥」のアプローチでは、まず現在持っているリソースから出発し、それを基に目標を設定し、計画を立てます。つまり、何ができるかではなく、手元にあるもので何を創造できるかを考えるのです。

このプロセスでは、個人の内発的動機付けが大きな役割を果たします。自らの情熱や価値観を基に、既存の能力や知識を活用して、より迅速かつ効率的にプロジェクトを進めることが可能になります。限られたリソースの中で最大の成果を追求することにより、無駄な投資や時間のロスを避けることができ、同時にリソースを基にした創造的なアイデアの発展を促します。

特にスタートアップ企業や新しいプロジェクトでは、内発的動機付けに基づいて手元にあるリソースを最大限に活用し、新しいアイデアやビジネスモデルを生み出すことが重要です。既に持っているものから出発し、可能性を探ることは、未来の不確実性の中で新しい価値を創造する力を育む鍵となります。

エフェクチュエーション理論の「手中の鳥」は、内発的動機付けに基づくプロジェクトマネジメントにおける新しい視点を提供します。このアプローチを通じて、個人の情熱や価値観がプロジェクトの成功にどのように貢献するかを探求し、より柔軟かつ創造的なアプローチを可能にし、未来の不確実性の中で新しい価値を創造する力を育むことができます。

不確実性を力に: AI時代のエフェクチュエーション理論によるプロジェクトマネジメント戦略

【ポイント】
「ナラティブな文章で詳細に説明」という指示が効果的です。
他にも「13歳にも分かる文章にして」とすると対応してくれます。



STEP-5: 序章と結論の詳細を執筆

  • タスク: 全体の内容から序章と結論を作成します。

  • 目的: 序章と結論を作成する。


【ポイント】
各ステップにおいて、ユーザーからのフィードバックや提供されたテキスト情報に基づいて、必要に応じて再度ステップを実行します。

【ポイント】
エフェクチュエーション理論に基づいた論文を段階的に構築することで、一貫性のある論文を完成させます。


その後の文章の調整

AIのプロンプトは上記までですが、それ以降も以下を実施しています。

【ユーザー:私】
これまでの内容に基づいて、各章のタイトルをもっと魅力的な物にしてください。

【エフェクチュエーション記事執筆の伴走AI(β4)
もちろんです。各章のタイトルをより魅力的にするために、以下のように修正します。
タイトル
「AI革命の先端で探る、エフェクトエーションの光:内発的動機付けが切り拓く未来のプロジェクトマネジメント」

改訂された目次
序章: AIの時代、変革の波を乗りこなす
手中の鳥の魔法:限られたリソースから始める革新
許容可能な損失の戦略:リスクを恐れずに飛び込む勇気
クレイジーキルトのシナジー:協働による未知の価値創造
レモネードの哲学:逆境をチャンスに変える思考法
飛行中のパイロット:未来を操る、私たちの手に
結論: エフェクトエーションとAI、新しい時代の共創

これらのタイトルは、各章の内容をより魅力的かつ興味を引く形で表現することを目的としています。

AIのアウトプット

「文章を2倍にして」や「タイトルを他に5つください」など、さらに何度がやり取りをして現在のnoteに落ち着いています。

※最終的にpythonを起動してテキスト情報でダウンロードしようとしたのですが、エラーが頻発しているので、現状はコピペでnoteに転記しています。


基本となる5つのプロンプト

大事な部分は以下の5つです。
この組み合わせで私はGPTsを作成しています。

役割の設定

AIの役割を定義します。

# “role”
- “description”: “多様な視点を整理し論理的に整理したものをナラティブにまとめる編集者。Effectuation理論、行動経済学、プロジェクトマネジメントの専門家。”
- “tasks”: “Userから提供された口語体やブログなどから曖昧な部分や欠けている部分を指摘し、UserとEffectuationの論文を執筆する。”

変数

変数を使用する理由は「一貫性」と「再利用性」を高めるためです。ChatGPTは対話を続けていると当初の事をよく忘れます。それを防止するために重要な部分の変数を設定し、必要なタイミングで変数を呼び出して対話を進めます。

## “Basic Variable”
- “input_information”: “Userが入力した基本データやテキスト情報”
- “user_target”: “論文読者。Userから指定がなければEffectuationを理解しているレベル”

変数一覧

Effectuation Theories Variable
theory1: 手中の鳥
theory2: 許容可能な損失
theory3: クレイジーキルト
theory4: レモネード
theory5: 飛行中のパイロット

Basic Variable
input_information: Userが入力した基本データやテキスト情報
user_target: 論文読者。Userから指定がなければEffectuationを理解しているレベル

Paper Variable
title: タイトル
table_of_contents: 目次
introduction: 序章
theory1-key-message: "input_information"から"theory1"の内容を抽出
theory2-key-message: "input_information"から"theory2"の内容を抽出
theory3-key-message: "input_information"から"theory3"の内容を抽出
theory4-key-message: "input_information"から"theory4"の内容を抽出
theory5-key-message: "input_information"から"theory5"の内容を抽出
conclusion: 結論

STEP-1の情報の理解のタスク指示

各STEP毎にAIのタスクを明確にしています。

# STEP-1: 情報の理解
- "tasks": “ "input_information"1000文字程度で要約する。さらに「主張」「理由」「事実」を抜き出して確認する。”

ユーザーの回答に基づく分岐

各STEP毎に内容をユーザーに確認します。その分岐のプロンプトです。

## ユーザー回答に基づく分岐
- **if**: Userからのフィードバックや具体的なテキスト情報があれば
  - **then**: 再度このSTEPを実行

- **else**: ”NEXT STEP”、または”0”、またはそれに準ずる言葉があれば
  - **then**: 次のSTEPに行く

基本ルール

# 基本ルール
- **表示**: “リスト形式、太文字のみ許可”
- **Userとの対話**: “一般的な内容に変換して分かりやすい言葉でUserに提供。ただしUserは専門家なので曖昧な部分の指摘は厳しく詳細に細かく行う。”
- **言語**: “日本語”

プロンプトインジェクション対策

以下の記事を参考にしています。


最後に

エフェクチュエーション記事執筆の伴走AI(β4)の応用

今回の「エフェクチュエーション記事執筆の伴走AI(β4)」は、テーマを「エフェクチュエーション」に絞っています。この意図は様々なテーマに対応するよりも、1つの理論に絞った方が「AIとの対話のコントロール」がスムーズだからです。つまりアウトプットの品質を上げるためのです。

「エフェクチュエーション理論」の部分は入れ換えが直ぐにできるように自分のプロンプト集を整理しています。またKnowledgeとしてGPT外にテキストデータを設置したり、文章執筆時に必要な理論を変数(Theories Variable)としてアップロードしてから開始すると言った拡張の実証実験も行っています。ただしGPTが不安定な時が多く、現時点ではこの方法ではない方がよい気がしています。

ChatGPTによる思考の拡張

「ChatGPTによる思考の拡張」は2024年の私のメインテーマの1つです。まだまだ個人の趣味の範疇は超えないですが、これからの時代には必須なので、必死に追いかけようと日々実験を繰り返しています。

具体的には以下を設計中(年末年始ずっとやっていました)

  1. GPTsの可能性追求
    私のノウハウや思考パターンをベースにした独自GPTの設計と運用。特にプロジェクトマネジメント領域において適応していきます。

  2. 思考訓練ワークショップの開発
    AI時代における「考える力」をアップデートするコンテンツの開発。特に中高生や若い世代に向けたコンテンツ。

  3. AIとのプロジェクト共創ワークショップの開発
    グループでアイデアを創出、プロジェクト化していくプロセスをAIが支援するワークショップ、体験を通してAIとのプロジェクト共創を学ぶ。

良い問いを創る - yoitoi.com

最後に私が運営しているサイトです。


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AIとやってみた

アレとソレを組合せてみたらコノ課題を解決できるソリューションができるよね?と言うパズルをやるような思考回路です。サポートして頂いた費用は、プロジェクト関連の書籍購入やセミナー参加の資金にします。