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プロジェクトのチェックポイント - プロジェクトの成功確率をあげるために必要な5つの要素「社内編」

プロジェクトを進行するとき、注意しておきたいチェックポイントをまとめます。前回の「社外の企業・人とのコラボレーション編」に続き、今回は「社外の企業・人とプロジェクトを行う場合の成功確率をあげるために必要な要素」について考えて行きます。


プロジェクトの成功確率をあげるために必要な5つの要素「社内編」

社外とのプロジェクトと比較して、社内のプロジェクト。ステークホルダーも少なく決済や承認ラインが明確で暗黙知もある程度共有されている。では楽かと言われるとそういうわけでもない。

プロジェクトの成功確率をあげるために必要な5つの要素「社外の企業・人とのコラボレーション編」では以下の5つを上げた。

社外の企業・人とのコラボレーション編

1.目的についての議論をまず行う
2.成功要因と主要成功要因
3.ゴールとマイルストーン、そしてマイルストン
4.プロジェクトアプローチ図
5.チームビルディング

この中で「社外の企業・人とのコラボレーション編」と「社内編」で決定的に異なるのは1つだけと考えている。それは「チームビルディング」。

社内で大事なのは「チームビルディング」よりも「組織の裏マップを知る。必要に応じて利用する


「チームビルディング」と「組織の裏マップを知る。必要に応じて利用する」

前回のnote「社外の企業・人とのコラボレーション編」ではチームビルディングが大事と主張した。

チームビルディング

プロジェクトは最初は寄せ集めのチーム。まずはチームとして機能させるにはどうすべきか?メンバーのスキル、やる気、役割、想い、気持ち。これらをチームとして機能させるには?

「なぜこのチームなのか?」を考えたことがあるのか?

このチームの強みは何か?弱みは何か?
どうやってコミュニケーションしようか?

タックマンモデルを例にとれば、1.形成期、2.混乱期、3.統一期、4.機能期、これらの段階でいかに早く「3.統一期」以上になるか。

正しく衝突できる(言いたいことを言える)環境がつくれるか?

「なぜこのチームなのか?」


では社内ならどうなのか?

社内では組織の裏マップを知る。必要に応じて利用する

プロジェクト関係者の裏マップ

プロジェクトをスムーズに進めるためには、後ろ盾が必要。その後ろ盾を強固なものにするためにまず裏マップを作る。この裏マップで、影響力が高くなおかつプロジェクトにネガティブな人(いわゆる抵抗勢力)をどうやって封じ込めるか。または仲間(ポジティブ)になってもらうか。を把握する。社内では必要な事が多い。

プロジェクト関係者の裏マップの書き方

・縦軸:影響力の大きさ(高←→低)
・横軸:プロジェクトに対する態度(ポジティブ←→ネガティブ)
の図を用意し、そこに基本的に偉い人をプロットして可視化。

「裏マップ」を用いて、どのルートで「影響力が高くなおかつプロジェクトにネガティブな人(いわゆる抵抗勢力)をどうやって封じ込めるか。」を考える。

社歴とネゴシエーション

社歴が長くてプロジェクトワークをスイスイってやっている人がいるとする。その人は社内の裏マップは頭の中に入っていて、だからわざわざ可視化していないかもしれない。でもその人はプロジェクトが始まる前や最中に、大体調整している。あらゆるルートで「ネゴシエーション」。抵抗勢力を封じ込めている。

ネゴシエーションはプロジェクトワークにとって必要不可欠

プロジェクトの方法論とか、WBSの書き方とか、組織のルールとか、権限とか、いろいろあるけど、プロジェクトワークは、まずこう言った「ネゴシエーション」がとても大事だったりする。

正論だけじゃ通用しない、だから「裏マップ」


私も意識的に使っている「裏マップ」、実は「外資系コンサルが教えるプロジェクトマネジメント」に言いたいことが全て書いてあったので、大分引用させて貰った。

専門的には「組織認識力」というコンピテンシーというようだ。(上記の本による)


あとの4つは同じなので、前回のnoteをコピペをしておきます。

1.目的についての議論をまず行う
2..成功要因と主要成功要因
3.ゴールとマイルストーン、そしてマイルストン
4.プロジェクトアプローチ図

5.組織の裏マップを知る。必要に応じて利用する


1.目的についての議論をまず行う

なぜ?このプロジェクトをやるのか?このプロジェクトの意義は何か?それをプロジェクトメンバーに話す機会を作れるか?

プロジェクトメンバーは「なぜ?このプロジェクトをやるのか?」の疑問を口に出せるか?または自分から聴かないといけない責任がある事を理解しているのか?

そして「目的」と「手段」は明確にプロジェクトメンバーは分けているか?
目的:目指すべき事
手段:目的を達成するための行動、方法、プロセス、フレームワーク、テクノロジー、、、。

多くのプロジェクトで発生しているのが「手段」の議論ばかりしてしまう。
「手段」の議論ばかりなプロジェクトチームは多い。

「なぜ?このプロジェクトをやるのか?」


2.成功要因と主要成功要因

目的を達成するために必要な主要成功要因は何か?
まず洗い出す。そして絞り込んでいく。

ECショップを開業・運営する。そのために重要な要因はは
・EC機能(決済方法の豊富さ、カートの使いやすさ、検索しやすさなど)
・品数(仕入れルート)
・商品価値(クオリティ、希少性など)
・利益率
・マーケティング
・顧客管理
・配送機能
・バックオフィス機能
など挙げていったらキリがない。
そこを自分達の強みなどを鑑みて「主要成功要因」を絞り込んでいく。リソースは通常有限なので、行き当たりばったりで、根性論で何でもやる!は危険な兆候。どこに注力するべきか?を考える。

「主要成功要因は何か?」


3.ゴールとマイルストーン、そしてマイルストン

「何時までに何を達成するのか?」を明確にする。
期日とその日に達成しておきたい状況を明確にする。

そしてスケジュールは「ゴールのみを目指さない」
大きな節目であるマイルストーン(プロジェクトの中間地点に設ける重要な節目)を決める。

中間地点といっても、真ん中に1つ設置ではなく、複数も受けておきたい。プロジェクト管理を小さくすることで、予定と食い違っていても、その後の修正の対応がしやすくするからだ。

ちなみにマイルストン(プロジェクトの中で工程遅延の許されない大きな節目)というのもあるが、私の感覚では中間地点は「予定との食い違いは起こって当然」むしろ「初期から発生させることでプロジェクトの弱い部分を可視化する」という考え方なので、マイルストンは使うことは少ないです。

「何時までに何を達成するのか?」


4.プロジェクトアプローチ図

「プロジェクトの地図をつくる」。シナリオといってもいい。何をどの順番に進めていくのか、どこで中間承認をとるのか?

「3.成功要因と優先順位」「4.ゴールとマイルストーン」を組み込んでアプローチ図をデザインしていく。

アプローチ図は全体の流れ、そこからタスクに落としていく。
詳細につくらなくていいWBS(Work Breakdown Structure)ではない。

「プロジェクトの地図をつくる」



5.組織の裏マップを知る。必要に応じて利用する

先に話した内容だ。



<おまけ>

私が所属している会社で先日、プロジェクトの合否判定に関わる会議が開かれた。合格なら追加予算、不合格ならプロジェクト打ち切り。会議は、取締役へのプレゼンと代表取締役社長へのプレゼンの2回。それぞれ40分程度。厳しいけどスッキリしていて個人的には心地よい。

アレとソレを組合せてみたらコノ課題を解決できるソリューションができるよね?と言うパズルをやるような思考回路です。サポートして頂いた費用は、プロジェクト関連の書籍購入やセミナー参加の資金にします。