日記220622、23

どうしても分けられないので、例外的に2日分の日記。
22日、午前中は藍を送り届けた後、スーパーに出かけた。頼まれていたコピーをとり、おやつや明日の朝食になりそうなものを買い込む。レジにいた店員は最近アパートで知り合った方だったので、少し世間話を挟む。そろそろ産まれそうですね、と言われたので、明後日が予定日だけれど、まだまだといった感じですねと私は笑う。
帰宅後は読書をした。小川糸「ツバキ文具店」。重圧であり枷であった肉親の弱い部分を見つけた時、私だったらどうするのだろうと思った。きっと突き放してしまうな。主人公は弱さを丁寧に汲み取って昇華させようとしている。優しさが羨ましくなる。

その後は幼稚園まで迎えにいった。引き渡しの際に、もうすぐですねとまた言われ、明後日予定日なんですとまた返した。
藍は車に乗りたがらず、ぐずった。今日は体操服も持ち帰るため大荷物。後部座席のチャイルドシートに藍を乗せて、義母が運転している間、私は藍の隣に座ってお茶を勧めたりした。
後部座席に藍と並んで座るのは予期せずこれが最後になった。育児をしていると何かしら最後の日がたまに訪れる。

帰宅後、藍とパズルで遊ぶ。パズルなんて久しぶりだ。1番難しいパズルを完成させた後、今朝歩きすぎたのか途中で怠くなり横になる。藍が甘えてくるのでベッドで遊んだ。
夫が早めに帰ってきたので今日は揃って夕食をとる事にしたが、私は前駆陣痛のような軽い痛みがあったので夕食前に少しカウントをとった。ところが、6-7分の間隔で1時間経っても治まらない。夕食を食べながらもカウントを続けたが僅かに痛み続けるので、NSTと子宮口の開き具合だけでも見てもらおうと受診を決めた。夫と産院へ向かう時、何かを察した藍が一緒に行く!と靴を履き始めた。私は「ちょっと検査してすぐ帰るよ」と藍を抱き上げた。
産院には20時半に到着した。NSTと内診の結果、陣痛は良好で既に5分間隔を切っているが子宮口や夏来の頭の位置など他の準備が整っていないようだった。経産婦という事でそのまま点滴ルートを取られ、入院する事になった。藍としばらく会えない、しかもその間に出産を乗り切らないといけない。心の準備が全く出来ていなかった。

2時間ほど経っても陣痛が若干強まった程度で変わらないので、立ち会いの夫には一旦控室で休んでもらい、私も助産師さんと相談して22時半ごろに分娩室で寝る事にした。横向きになってウトウトとしていると、強めの振動を感じた。夏来の胎動かと思った次の瞬間一気に破水したのだった。
実は藍の時は自然に破水するという経験をしなかったので、心の準備ができていなかった私は一気にパニック状態になり震えが止まらなくなった。自分の声ではないような声で夫に電話し分娩室に呼び戻した。
そこから先はあっという間だった。夏来が通る出口はみるみる数分ごとに開いていって、ダラダラとしていた痛みが急に強くなった。やっぱり経産婦さんは進みが速いね!と、この夜10回は聞いた様な気がする。肝心の夏来がまだ出口付近まで十分に降りて来ていなかったようだけれど、他の準備は整ったのでとにかくやってみようということになった。
正直、藍の時に比べると夏来の出産はあまり上手くなかったなと反省している。過去の経験がかえって周りから貰う指示を屈折させてしまうのだ。そういえば夏来を妊娠して初めてこの産院を受診した時、待合室で読んでいた本の内容が「初心を忘れるべからず」だった。思わぬ伏線だ。
逃げ出したくてボロボロと泣いた。泣いても容赦なく痛みは来るし義務を果たさないといけない。
それでも破水してから1時間後、23日0時5分に夏来は無事に産声を上げた。あまりの声の大きさに、立ち会った夫と「藍と全然違う、うるさすぎる」と笑い出してしまう。想像通り賑やかな子だった。

藍の時は出血が多く気を失いかけたのだけれど、今回はその1/4で済んだらしく歩いて部屋に戻った。夫が帰宅したのは3時過ぎだった。フルタイム勤務からの突然の出産立ち会いで、さすがに眠そうだ。でも、偶然早く帰ってきた時に出産になって良かった。

藍と夏来、それぞれ似ているようで少し違う。
藍は私に似た一重の丸い目をしている。夏来はまだ目のうまく開かないうちから、夫似の二重なのが見てとれた。髪質はそっくり同じだった。身長も全く同じ。体重は夏来の方が100gほど重い。産声は藍の方が落ち着きがあり、夏来は高くてよく響く。夏来の方が声が高いのは少し意外だった。

夏来を新生児室に預けた後は、やはり一睡も出来なかった。兄弟2人とも夜に産まれたので興奮した状態でそのまま寝なくてはならず、今回もどうしようと思いながら朝を迎えた。切れぎれの泣き声が聞こえたので夏来かと思い耳をすませると、明け方のカラスだった。


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