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「1年1組のみなさんへ」

みなさんは、今までに何回ぐらい注射をしたことがありますか?予防接種や病気になった時にしましたか?5・6回ぐらい?10回ぐらい?もっと?
 
さて、では105人いる一年生の中で一番たくさん注射をしたことがあるのは一体誰でしょう?
 
それは多分ミヅキだと思います。
 
ミヅキは、何十回、何百回、、いいえ、もっともっと何千回も注射をしたことがあるのです。
 
ミヅキは、小さい時とても体の弱い子でした。いつも病気にかかっていて、入院ばかりしていました。1日に7回も8回も注射をしたことだっていっぱいあります。
 
骨まで穴を開けるような太くて大きな注射だってしたことがあります。聞くだけでなんだか痛くなってきますね。
 
でも、ミヅキは生まれたばかりの小さな赤ん坊の時からずっと注射をしてきたのです。今だって、毎日寝る前に必ず注射をしています。毎日注射されるなんて、大人だって泣きたくなります。でも、ミヅキはめったに泣きません。痛くても逃げずにグッとがまんします。すごいなぁと感心してしまいます。
 
では、なぜミヅキは毎日注射しなければならないのでしょうか?そのわけをお話します。 
ミヅキは生まれつき下垂体の一部がありません。下垂体というのは脳の下にぶら下がっていて、小指の先ほどしかない小さな所です。この下垂体は人間が元気に暮らす為にとても大切な信号を出しています。
 
例えば、高い熱が出たり、大けがをしたり、とてもイヤなことがあったりした時、それに負けないでガンバレルようにガンバルマン信号を出しています。
 
それから、おなかが空いた時、倒れていまわないように、体に貯めてあるエネルギーのもとをエネルギーに変えるハラペコエネルギー信号だって出しています。
 
背を大きくする信号も出しています。他にも色々な大事な信号を出しているのがこの下垂体です。
 
ミヅキは、下垂体の一部が無いので、ガンバルマン信号やハラペコエネルギー信号や背を大きくする信号が出ません。だから、薬や注射でこれらの信号を体の中に入れているのです。
 
薬や注射を忘れずにしていれば、たいていはみんなと同じように元気にしていられます。でも、人間の体はとても難しくて、薬や注射だけではうまく調節できない時もたまにあります。そんな時は急に調子が悪くなります。
 
一番気をつけなければいけないのが、おなかが空いた時です。ハラペコエネルギー信号が出ないので、おなかが空きすぎると、エネルギーがでなくなって、とてもしんどくなってしまいます。
 
そんな時、ミヅキはグズグズと泣き出します。もっとエネルギーが無くなると倒れてしまいます。そして、もっともっとエネルギーが無くなると、死んでしまうのです。そんなことになったら大変です。
 
そうならない為に、ミヅキのことを注意深く見てもらう必要があります。そして、エネルギーが足りなくなっているようだったら、大急ぎで何かを食べさせてエネルギーを補給しなければなりません。
 
だから1年1組には、二人の先生が居てくださるようにお願いしたのです。
ミヅキはなんだか特別な子みたいですね。でも、あの子だって、この子だって特別な子です。もちろんあなただって特別な子です。
 
人はそれぞれ顔や形が違います。背が小さい子、大きい子、足が遅い子、速い子、弱い子、強い子、いろんな子がいます。みんなみんな一人ひとりが違うのです。どの子もみんな特別な子です。
 
たった一人しかいない大切な子なのです。特別な子であることを自慢に思ってほしいのです。どの子も自分が特別なんだってことをしっかりと覚えておいてほしいのです。
 
みんな特別で、どの子も違うからこそ、いろんな子がいて楽しいのです。一人ひとりが特別で、違うということは素晴らしいことなのです。
 
最後に、ミヅキが元気で楽しく学校で生活できるようにみなさんにお願いがあります。ミヅキのエネルギーが無くなって、しんどそうにグズグズ泣いていたら、すぐに先生に知らせてほしいのです。よろしくお願いします。
 
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この文章は、ミズキが小学校へ入学する時に妻が書いたものです。愛とはこういうことです。見えないところでも彼女を守ってという願い。他人に委ねる覚悟。
 
そんなミズキが子を産みました。そして、今、懸命に育ててます。

I have a dream. 私の「夢」は、日本に活動家を養成する学校をつくることです。 私の「モットー」は、Life is Art. Life is Play. -生活をアートできるようになれば既に幸せ-