最新のWindows 7に投資

 2011年、東日本大震災の年はWindows 7が登場して2年後でもあった。このときにエプソン機を買った。当時は会社員で、副業としてライターをしていた。会社の持ち帰り仕事も、副業の仕事もこのPCを使ってやっていた。
 エプソンを買ってから1年少しで会社を病気退職することになった。会社を辞めてどうやって食べていこう……と不安だけが膨れ上がっていたわたしに、ちょっと背伸びをしたスペックのマシンがあるという安心感は何よりの支えとなってくれた。

大活躍時代

 退職後3か月して、わたしは編プロに1年半のあいだ籍を置くことになる。1日14時間労働が当たり前、土日でも持ち帰りが常にあるプロジェクトだった。つまり自宅仕事が前提だったのだが、そこでこのエプソンは大活躍してくれた。
 編プロ時代には自宅の引っ越しもあったが、もちろんエプソンの箱に「パソコン本体」とシールを貼って搬入してもらい、自力でセッティングした。電源を入れてネットがつながったときの達成感、安堵感はいまでも覚えている。
 編プロの契約期間が終了し、これからはフリーランスとしてやっていく。そう覚悟を決めたときも、「このエプソンが相棒だから大丈夫」と思えた。
 次に、出版社で不定期にオンサイトの仕事をする道が見つかった。同時に自宅では、他社に営業して入ってきた仕事(翻訳校閲と英語教材執筆)を、ひとつずつこなしていった。

いつの間にかロースペックマシンに

 2015年にWindows 10が登場した。無償期間中にアップグレードしようと試みたが、このスペックでは難しいとわかり断念。Windows 7のまま、サポート終了まで使い続けることにした。そう、買ったときにはハイスペックだったが、7年も経てばもう「遅くてメモリも足りない」時代遅れのマシンになっていたのだ。

「過去メール検索」専用サブマシンとして

 さらに4年後の2019年、仕事に差し障りが出てきたので、メイン仕事マシンとして新しくレノボを買った。エプソンは「過去メール検索用」サブマシンに格下げされてしまった。
 それでも4年間、毎日スイッチを入れていたし、週に数回は「過去メール検索マシン」としての役割も果たしてくれた。
 だが最近では起動に20分間、メーラーを立ち上げるのにさらに5分間かかるようになってしまった。ここ数週間は、エプソンを接続していたモニタも日々どんどん画面が暗くなってきていた。
 モニタも寿命か。ならば同時に処分すれば無料で引き取ってもらえる。ここで決心した。

処分に向けて淡々と準備

 処分するのは難しくない。ここ5年間ですでに2台、別のマシンを引き取ってもらっていたのでやり方もわかっている。業者にメール連絡し、データ消去ソフトを実行し(このときだけは切ない)、梱包し、予約時間に来てくれる運送業者にわたす。それだけだ。
 今回は24型モニタも一緒に処分したので箱探しに手間取った。だが無事に、丈夫な箱を2つ合体させて、タワー型のPC本体と24型モニタを入れることができた。
 あとは運送業者にわたすだけとなった。わたしの仕事人生の一番のターニングポイントをしっかり支えてくれたエプソンくん、ありがとう。心のなかで敬礼して見送ろう。

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