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BL読書感想文

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『月への吠えかた教えます』イーライ・イーストン ~攻めも受けも暮らしやすいBL業界を夢見て~

ご無沙汰しております。私です。

BLえっちゲームのレビューも書きおわらぬうちから何を…?!という感じですが、とても素敵なBL小説に出会ったのでまたまたご紹介を!

レーベルは信頼と安心のモノクローム・ロマンスさん。残り20日間でとんでもない出会いがない限り、「ベスト・オブ・新しいBL概念に出会わせてもらってありがとう2020年」作品はこちらになります。

(Amazonさんより引用)
人生に挫折

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『薔薇色じゃない』凪良ゆう ~復縁BL舐めてんじゃねえぞワレ 味の素さんに感謝せよ~

私は復縁BLが好きです。

一度は自分を傷つけて、相手も傷つけて、しんどい思いをして、ダメになって、それでも好きな気持ちを捨てられない。
見栄の張れない都合の悪い相手だとわかりつつ、諦めきれない自分の馬鹿さ加減に呆れたり、二の足踏んだり。

そんな二人のもだもだにアッーーーー!となり、二人の下す決断にウックーーーー!となるのが好きです。やっぱり私、ドMなのかな……

(Amazonさんの商品紹介よ

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『シナプスの柩』華藤えれな~ちょっと現実は置いておいて、正直白い巨塔BLや大河BL読みたくないですか?~

BL小説レビューも5作目!実はもっと読んでいるのですが、サボってしまったものもあり…というか、あんまりおもしろくなかったな~という作品をどういう扱いにするか悩んでいます。

と、この作品は、正直評価を付けるなら「そこそこ…」レベルなのですが、BL小説初心者なりにツボを押されたり、いろいろ考えることがあったのでレビューとつらつらと記録に残しておこうと思います。

というか、巻末におそらく作中でキーに

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『美しいこと』木原音瀬~恋の虚飾と妄信と、プロの闇の腐女子の所業~

以前から友人にオススメされまくっていた木原音瀬先生。
「絶対めいこさん好きだよ!」と言われた「箱の中」は残念ながらちょっと見当たらなかったのですが、ヒット作らしい本作品を手に取ることができ、読み、頭をガーンとなぐられたような衝撃で今打ち震えています。

(Amazon商品紹介より引用)
週に一度女装して街に出て、男達の視線を浴びるのを趣味にしているサラリーマン・松岡。しかし女装時にナンパされてさん

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『茅島氏の優雅な生活〈1〉』遠野春日~浮世離れした有閑青年の諦観と情熱~

和製BL小説レビューも3つめ!ということで少し板についてまいりました。
今回はこちら、有閑マダムならぬ有閑青年の茅島氏の物語。

(アマゾン商品レビューより)
桁外れの資産家だが孤独な青年・茅島氏の心を初めて捉えたのは庭師の「彼」。嵐の夜、突然アパートに押しかけてきて告白する茅島氏に、つい意地悪をしてしまう庭師だが、世俗にまみれない茅島氏の素直さに次第に惹かれてゆく。美しいイングリッシュガーデンに

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『腥血と遠吠え』あかつき雨垂~壮大な剣と魔法の世界観、そして牙剥くLOVE~

BL小説なんかないかな~図書館にないしな~紙で買うのもかさばるしな~

と思い、アマゾンで検索に検索を重ねているとふと見つけたのがこちらの本。表紙が気になりつつ、「人外BLかあ…」と未踏の地でもあったのでぽちっとダウンロードしてみました。

『今夜ここで何が起ころうと、それは満月のせいだ』
ある人狼に追われる年経た吸血鬼ヴェルギル。傲慢で不遜ではあったけれど、人外の〈協定〉の守護者である、人狼達の

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オタクの恋は難しい①~白冥の獄~

海外MMロマンスにどハマりしている昨今ですが、そんな私をさらに狂わせた事の顛末の始まりは、友人にオススメされコレ↓を読み始めたことです。

(1巻あらすじ アマゾンさんより引用)
キラームは成績優秀なことから異教徒として初めて王立サグラーダ学院へ入学が許される。入学初日、制服を美しく着こなし乗馬する上級生に遭遇、学院で待ち受ける未来に期待は膨らむばかり。しかし、寮で同室となったその上級生ハビエルは

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『is in you』一穂ミチ~優しくてしっかり味のある中華粥のようなBL~

アドリアン・イングリッシュの変 から二か月──私は海外MMロマンスやにハマりにハマっています。通算22冊、短編も含めると30作ぐらい読んでいると思います。
ちなみに続きが気になりすぎて、未翻訳の英文にも手をだしてしまったのですが、その話はまた後日。

オタクってどうして身も世もなく自分ではない他人の恋にこんなに心をかき乱されて生活もままならなくなっちゃうんでしょうね…世界にこの衝動をしらない人のほ

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アドリアンイングリッシュ5 瞑き流れ~二人の戦争の跡地を眺める~

アドリアンイングリッシュ5 瞑き流れ~二人の戦争の跡地を眺める~

怒濤の勢いで、1~5巻まで読み終えてしまいました。
4巻までが、ジェイクの頑なな鎧と檻と静かに、時に激しく対峙するアドリアンの物語でしたが、5巻はアドリアンの折れてしまった足と道標をまた築き上げるようなものが足りでした。アドリアンの書店の増築工事の最中に現れた、50年前の白骨死体。過去のミステリーの謎解きはこれまでと違って静かにどこか夢を見るような現実感の淡さで進んでいくのですが、だからこそ主人公

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アドリアン・イングリッシュ4 海賊王の死~既婚男の昔の恋人への未練の解像度が高すぎる~

アドリアン・イングリッシュ4 海賊王の死~既婚男の昔の恋人への未練の解像度が高すぎる~

※このブログは読書感想文というより、超個人的かつあんまり綺麗じゃない恋愛経験談に基づく作中のキャラへの罵倒と怒りと私の情緒の破滅を記録したものです。笑って読める人だけどうぞ。※

と、いうわけですよ。アドリアン・イングリッシュ4巻 海賊王の死……
深夜0時から読み始めて(そもそもそんなことをするな)、途中で何度もkindleのページを閉じてむせび泣いて、時々水分補給して、時々いろいろ思い返してずび

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アドリアンイングリッシュ3 悪魔の聖餐~pixivBL小説の海を飛び出して~

アドリアンイングリッシュ3 悪魔の聖餐~pixivBL小説の海を飛び出して~

今まで読んだことあるBL小説の9割9分9厘が二次創作の薄いブックかpixiv小説だった私。
仕事をお休みしている昨今、何を血迷ったのかモノクロームロマンス小説を手に取り読み始めてしまったらどハマりし、なんと三回の徹夜を経験、7月頭から現在(7/18)までで17冊も本を読んでしまいました…恐ろしい…
何がいいっていろんな理由があるけれど!
最初に手に取った叛獄の王子や狼を狩る法則シリーズもすごくよか

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