見出し画像

哲学対話のやり方(ファシリテーターなし)

 以前哲学対話に参加した際に、哲学対話がどんなものだったのか備忘録的に書きましたが、今回は実際に自分で哲学対話を開催することにしたので、自分なりのやり方をまとめておくことにしました!この方法は、正しくないかもしれないし、他にも沢山方法はあると思います!もっとカジュアルに哲学対話ができるようになると良いですね。

哲学対話とは?

 哲学対話とは、人によっては敷居の高い「哲学」と名前がついていますが、1つのキーフレーズ【 問い 】に対して、参加者同士で対話をしていく【 遊び 】です。勝ち負けはありません。人それぞれだよね〜とお互いを認め合う会でもありません。いくつか守るべきルールはありますが、さほど難しいものではありません。哲学対話の場は、その場に集った違うはずのひとを、まるで一個人のアタマのなかのように捉えて、自分の知らない自分と対話しているような気になれると言った方がおられて、たしかにそうだな!と思っています。

前提

 哲学対話の場では、それぞれが心理的安全性に配慮して対話がすすめられます。この場ではどんな発言をしても他の人に怒られたり、揶揄されたりすることはありません。逆に他の人に対して怒りをぶつけたり、揶揄したりしても行けない場ということです。この場では、通常の生活ではタブーとされているような考え方、言葉さえも許容されます。議論の場ではないので、相手を攻撃・論破したり、自分の知識をひけらかしたり、難しい言葉を使うことは禁止です。
 小学生の子供(9歳)にもわかる言葉を使って話しをします。
話したことは、この場限りの夢です。録画したりキャプチャーをとったりしてはいけません。
別の場所、時間において、この場で話されたことについて発言者に疑問や議論を持ちかけたり、誰の発言なのかわかるような形で公開したりしてはいけませんが、自分が感じたことをWeb等に発言者がわからない形で残すのはこの限りではありません。

画像2

ルール

何を言ってもいいし、黙って聞いているだけでも良いこと
 重要なのは問いを深めることなので、対話中は嘘もフィクションもOKです。発言自体に一貫性がなくても、対話の途中で意見を変えても、自分の中でまとまりきってなくても全く構いません。老人はコロナで死んだ方が国の負担がなくなる、奴隷が居なければ誰が俺の靴を磨くんだ?などの不道徳/不謹慎なことでもOKです。どんな事でも発言する自由があります。また、発言しない自由ももちろんあります。発言をしなければならないと思うと純粋に思考も問いもできなくなります。

難しい言葉をつかったり、 人や自分を卑下しないこと
 知識を披露する場ではありません。難しい言葉をつかったり、ここに居る人を否定する態度、発言、茶化したりマウンティングをしないでください。自分を卑下する態度や発言もしてはいけません。偉人の発言や功績からくる格言では無く、自分の経験談から考えて出てきた(かのような)言葉で話してください。小学校3年生(9歳)に分かるような言葉を選んでください。※自分の仕事が明確に分かる発言は辞めましょう。学歴や仕事の話をしてしまうと、その人に対するイメージが付いてしまい発言しにくい人が出てきます。

自分の話が誰かの考えのキッカケにつながること
哲学対話は問いをリレー式に深めていくゲームです。他の人や自分の思考を止めるような発言にならないように気を付けましょう。例えば結論的だったり、断定的表現はしないでください。例えば【◯◯である、以上!】や【◯◯となっている!◯◯と決まっている!】などですが、これに限りません。
 慣れてきたら「この考えをまとめると(◯◯はなぜか?)となるのですがいかがでしょうか?」という問いの形で終われるようにしてみましょう。

話す権利は他の人からもらうこと
 話す権利は今話しているひとからもらいます。話をしたい人は手を挙げ続けてください。話している人は、自分が話している最中に誰かが手をあげても焦らず、自分の話しが終わってから次に話す人を指名してください。これは先着順ではなく、長く上げた人を指名するということではありません。誰を指名し対話がどう進むか分からないのが、哲学対話の面白さの1つです。逆に誰も手を挙げなくても大丈夫です。誰も話さなくて、沈黙が5〜10分続くと怖くなりますが、それも哲学対話です。

その他のこと
 どんな理由でも、途中でいなくなって構いません。なにも言わずにサラリと退出してください。服を着ていれば、どんな格好をしていても構いません。ソファにゴロンしてもベッドに寝転がっても構いません。ペットと一緒でもお菓子や食事をしながらでもOKです。ただし、画面の中には映っててください。ここの自由さが哲学対話の自由さです。お酒やタバコは回によるみたいです!本質的な話ではないのですが、タバコについては、ものすごく気にしてしまって、そもそも対話が成り立たないくらい嫌っていう人がいるかどうかを聞いてみてもよいかもしれません。終わったあとで雑談タイムを設けます。その時に今回参加して感じてことを話したい人が話せばいいし、お酒もOKです。

サインの確認
哲学対話中は下記のハンドサインを使います。
・片手を上げ続ける : 発言したい。
・OKサイン : 分かった!了解!
・バツ : 分からない!違う!
・緊急(両手を振る):今すぐ話をしたい!今すぐ話をやめて欲しい!

画像1

当日のすすめ方(ZOOM・PC版)

対話の準備:ZOOMの設定確認
 まずはじめに、すべての参加者にZOOMの自分の表示名を変えてもらいます。ここでつける名前は、本名、あだ名やハンドルネーム以外に設定してもらいましょう。これは参加者が自分自身と一体になって染み付いている名前から一旦離れて考えるための1つの方策でもあります。参加者がiPhone/ipadなどで参加している場合やZOOM自体に慣れていない場合、変更しにくい場合もあるので、ホストが変更してあげると良いでしょう。
 ビデオはオン(仮想背景OK)、マイクはミュートにします。また、参加者とチャットを表示してもらいます。画面はギャラリービュー(他の参加者がすべて見える状態)にしてもらいましょう。自分自身の姿を見たくない人もいますが、その場合は自分の姿を表示しないことも可能ですので伝えてあげましょう。
※下記のように説明の際に資料を共有しているとギャラリービューでも全員が表示されない場合があります。資料を閉じると全員表示されますので、説明しておくとよいでしょう。

スクリーンショット 2020-07-14 18.46.34

対話の準備:ルール等の説明(これは絶対!)です。
 先程のルールとハンドサイン等の説明をします。
慣れてくると、ルールなんてすっ飛ばしてさっさと対話に入りたくなるかもしれません。ですが、はじめましての人やルールを忘れてしまった人もおられます。参加してくれた人全員が楽しんでもらえるようにしたいものです。そうすることによって、哲学対話自体がより広まって自分が楽しめるおもしろい場がドンドン増えていくでしょう。

対話の準備:自己紹介
 先程つけた名前と参加の動機程度の超簡単な自己紹介をしてもらいます。まずは主催者からはじめて、自分の職業や役職などを言わないようにお伝えしましょう。それによって考え方や接し方が変わってしまう人もいますので!

対話の準備:【 問い 】をたてる
 主催者が 【 ◯◯とはなにか? 】という形で問いたてをするのもよいかもしれませんが、【鬼滅の刃1,2巻を読んでくる】【3匹のコブタ(原作)を読んでくる】というようにテーマを決めて、当日集まった人で【 問い 】をたて、投票で【 問い 】決めるというほうがよいかもしれません。テーマから問いを建てる際に集まった人の背景やなんでだろう?ということを拾えるので話が広がりやすいと思いました!
【 問い 】は忘れてしまいがちなので、チャットに書き込んでおきましょう。

対話を開始:タイムキープを忘れずに!
 まず初めにホスト(主催者)から【 問い 】をたてた背景やどのように考えているかなどを話すと参加者が話しやすくなります。今回はファシリテーターが居ないやり方ですので、以降はホストも一般参加者と同様誰かから当てられるまで話すことはしません。
ただし、ルールを逸脱していると感じたら、ハンドサインを使って一旦止めて、そのように感じていると伝えましょう。

対話を終了:かならずやめましょう!
 時間がきたら、ホストはどんなに盛り上がっていても生煮えでも、終了を宣言します。非常にもやもやしますが、このもやもやした状態をアタマの中で保つのも思考を深めることになり、楽しみ方の1つです!

感想タイム:哲学対話終了!お疲れさまでした!
 テーマによっては参加者が非常に疲れてしまったりします。無理強いをせず感想タイムを楽しみたい人だけで楽しみましょう。この際名前は通常の名前に戻しても戻さなくても構いません、マイクミュートも解除して感想を楽しみましょう。

画像4

対話メンバーについて(私見)

 主催者として哲学対話をする場合、どうやって参加者を集めたら良いでしょうか?哲学対話は心理的安全性に配慮されている遊びです。僕の場合関係性が非常に近しい人(例えば家族とか?同僚とか?)を誘うのに結構抵抗があります。なぜなら、哲学対話の場は通常の生活ではタブーとされているような考え方、言葉さえも許容される場とはされてはいるのですが、その後がやっぱりちょっと気になってしまっているからなんですよね〜、僕は気にしないけど相手が気にしたらどうしよう的な感じでしょうか???
 初めはFacebookなどゆるくつながっているひとや、Twitter等で #哲学対話 で検索してそこで仲良くなった人などを誘ってみましょう。僕はそうしてみました。

問い(対話の種)のたて方・拾い方

 問いは、どうやって作ったら良いでしょう?完全に受け売りですが、参加者が複数回参加しているなど慣れている場合には、言葉自体に余白のあるシンプルなもの、【美味しいとは?】【恐怖とは?】、なれている人が多い場合には、◯◯の場合はなぜか?などのように短文にしたり、物語を読んで決めたりしましょう。また【 問い 】に問いの背景を短文で書くと、対話が進みやすくなるかもしれません。書きすぎると対話に何らかの方向性がでてしまうかもしれません!
 ところで、みんなが使った【 問い 】を再利用したくて【問い】の収集フォームを作ってみました。ぜひ入れてみてください〜!またぜひ使ってみてください!

画像5

オンラインの設定方法(zoom版)管理者設定

Coming Soon

荒らし対策について

Coming Soon



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?