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つながる脳ミソ

Nue松倉さん「謎のアイデア集団」に参加しています。
僕が参加した経緯に特段面白い話もないしその辺は割愛するとして、なにはなくとも松倉さんのnoteから。

5月13日の昼頃にFacebookグループにお題が放り込まれて、締め切りは15日の夜9時。その短い時間の中で、メンバーからどんどんアイデアが放り込まれていく訳ですが、松倉さんも書いている通り、アイデアがアイデアを呼んで、結びついたり発展したりしていきながら、誰も批判的な指摘を入れる訳でもないのに、不思議とアイデアの精度が上がっていく。その中で僕もいくつかのアイデアを放り込みましたが、複数人のアイデアの奔流の中から着想された自分の考えには、決して「これ僕が考えました」と断言できない感触があります。これが受動でも能動でもない「中動態」ってやつか?知らんけど。

マインドマップという楽しい遊び

今回が初めての実践的なプロジェクトだった訳ですが、それに先駆けて4月にアイデアを自由に発想する状態を作るためのワークショップがありました。
そこで中心的に扱われた思考するためのフレームワークが「マインドマップ」です。
キーワードをどんどん書き足していくのに適当なサイズの紙を用意して、その中心にテーマとなるキーワードを置いて、そこから連想するキーワードを放射状にどんどん書き出して線で繋げていくってやつ。
中心から離れれば離れる程、もともとのキーワードからは脱線していき、かなり離れた路線で起こった脱線同士が思いがけないところで連結したりする。
そしてまた、同じテーマで自分で書いたものと他人が書いたものとを比較すると面白いのが、ここに拡がる言葉の洪水は紛れもなくその人の歩んできた人生とか日々興味関心が向いている事柄を反映したものになっているのが良く分かること。
下のマインドマップは今回のプロジェクトとは全く関係なく趣味的に書いたものです。

で、これがめっちゃ楽しい。
なんでこんなに楽しいんだろうと思ったら、自分が無類のアナロジー好きであることを思い出しました。
前回のnoteにも書いたけど、それがうまくいっているかどうかは別にして、スパイダーマンと仮面ライダーとか、韓国ドラマとアメコミとか、ラップと俳句とか、AIと川とか、「あれとこれって構造的になんか似てない??」って思い付きから話が発展させられそうだぞ!って気づいた時が、だいたいnoteの書きどきです。

アナロジー大好きおじさん

そして、そんなふうにアナロジーの種を発見して何やらひとり興奮している人間の様子を観察するのもまた好きなようです。
そのことでいつも思い出すのは梅棹忠夫の『文明の生態史観』です。

タイトルからしていきなりアナロジーですが、個人的にこの本の一番面白いポイントだと思っているところは最も有名な「文明の生態史観序説」の部分よりも、この論を思いつくに至るまでを辿った紀行文。そしてそこから本論へと向かう流れです。
むしろ、「文明の生態史観序説」自体(ご存知ない方はWikipediaへ)は、5年前くらいに初めて読んだ時、画期的かも知らんけど随分雑なくくり方だなぁって思った程でした。

アフガニスタン、パキスタン、インドを歴訪した梅棹さんは、そこで得た気づきに随分と興奮されているご様子で、そこから論を展開させて「文明の生態史観序説」まで持っていきます。そこに記録されているのは、終始自分が発見したアナロジーに興奮してどんどん妄想を逞しくさせていくアナロジー大好きおじさんの無邪気な姿です。
『文明の生態史観』は、そんな梅棹さんの姿に萌えるための本です。(私見)

知のサーフィンは続く

閑話休題。

マインドマップで視覚化される放射状に無限増殖していく言葉の連なり。
この3日間に「謎のアイデア集団」のタイムラインで起こっていたのは、まさにそれの数十個の脳ミソを連結したヴァージョンとでもいうべきものでした。
この中では発展的なアドバイスはあっても否定的な言葉はなく、心理的安全性が担保されているので、どんなにくだらない思いつきだって誰かが良いアイデアに結び付けてくれるかもと思うと躊躇なく放り込むことができます。

知的な興奮の波の中で、この後も楽しくサーフィンを続けようと思います。

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