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奥が深すぎる黒澤映画。(すべらない話)

忘れもしない、あれは11年前、僕が大学生の頃の出来事。

20歳の夏休み、暇を持て余していた僕は、「映画を語れる人間になろう」と突然、決意した。

思春期の頃の僕は「そうだ、京都に行こう」みたいな軽いノリの突然の決意表明と撤回を繰り返し、自分のオタクになれる分野を探していたのだ。

僕は当時、早稲田大学の文化構想学部という学部で学んでいた。というか暇を持て余していたのだが、

文化の創造ではなく、文化を頭の中で構想することを目的にしてしまった弱気な学部のキャンパスには、実用性のない、可笑しな文化を構想している人たちで溢れていた。

大学に文化を構想しに来ているだけあって、学部の友人達はみんな自分のオタク分野を持っていて、同じフィールドのオタクを見つけると、それについて(アニメ、小説、演劇、映画など)論じ合い、目を輝かせていた。

特に、エヴァンゲリオンや攻殻機動隊など、アニメ分野のフィールドは広く、キャンパス内では普段からATフィールドという言葉が飛び交っていた。

そんな中、僕にはそういったオタク性がなかったので、彼らと構想を共有することができずにいた。

エヴァンゲリオンすら観たことなかった自分は、ATフィールドと聞いて、新しいタイプのATMかと思っていた程、僕と彼らの間には大きなATフィールド(『新世紀エヴァンゲリオン』(EVA)に登場する架空のバリアの名称。 正式名称はAbsolute Terror FIELD(絶対恐怖領域))が存在していた。

そんなATフィールドを打ち破るために、僕も何かの分野のオタクになりたい。そう決意し、映画を選んだのだ。

決して、当時好きであった子が映画好きであったからとか、そういうシンプルな理由ではないということだけは了承いただきたい。

映画好きの友人に相談したところ、彼は即座にこう答えた。

「黒澤明を知らずして、映画は語れない」

なるほど、僕はTSUTAYAに駆け出した。(当時はNetflix、Amazon、HuluもなくTSUTAYAだったのが懐かしい)

その中でも聞いたことのある「7人の侍」を選んだ。

ついでに「7人の痴女侍」という企画ものを借りていたことは割愛させていただく。

家族が寝静まった深夜、まずは「7人の痴女侍」で己の刀を抜き、集中力を阻害する煩悩を解き放ち、「7人の侍」に立ちあう準備を整えた。その後、DVDプレーヤに「7人の侍」を挿入し、本番開始、

「映画を語るため」の映画鑑賞が始まった。

始まってすぐに、その複雑な内容に困惑したが、すぐさま察した。

黒澤映画とは、観る側のストーリーを想像する力を前提に作られているのか、、、圧巻!さすが奥が深いぜ、黒澤映画

映画を見終わって、そうツイッターでつぶやいてみせた。

はじめて映画を論じた感慨にふけりながら、

DVDを取り出して、気がついたのだ。

こ、これは...

2枚組の後編


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