見出し画像

The Consumer Decision Journey

はい、Kazumiです。今回はマッキンゼー社の「消費者の購買意思決定の旅」モデルについて話していきたいと思います。

これを読むとなにができるか

今読んでいるあなたが「消費者の購買意思決定の旅」について学びを深めることができた場合、あなたはここから顧客接点について考えながらマーケティングを施すことができるようになります。

「消費者の購買意思決定の旅」ってどこから?

日本語の文献はこちら、ハーバードビシネスレビューただ一件となっています。

この記事は2011年4月の記事です。結構時間がたっており、結構有用なモデルであるにもかかわらず、日本ではほぼ全く認知されておりません(笑)

この内容はマッキンゼー社によって開発されました。

最初のバージョンが

であり、こののちに

にアップデートされました。ハーバードビシネスレビューの方は有料ですが、マッキンゼー社の方は無償ですので、ぜひ読んでみてください。

さて、マッキンゼー社のこの内容をもとに、本記事では詳しく説明していきたいと思います。

顧客接点の変化

 インターネット登場前、消費者はほしいものを入手可能・取得可能な範囲で選択をし、選択範囲を狭めていき、最終的に合ったものを選んで購買した。そのあとの関係はなかった。

 しかしながら、インターネット登場によって、様々なモノ・サービスとかかわるようになり、消費者は自分の知っている範囲を超えて情報を集めることができるようになった。これは、消費者が自ら知らなかったチャネルを検索することによって見つけ、知っている範囲をいったん広げる。そのあと、縮めていき、最終的にモノ・サービスを購入する。消費者がそのモノ・サービスを気に入れば、シェアすることによって仲間に共有する。

消費者は購入後もモノ・サービスに関与する

伝統的な消費者行動モデル

画像1

出典:https://www.mckinsey.com/business-functions/marketing-and-sales/our-insights/the-consumer-decision-journey

上の図は、伝統的な消費者行動モデルであり、じょうごの比喩(traditional funnel metaphor)を用いて顧客接点について考察が落とされてきた。この図を見てもらってもわかるように、インターネット普及以前の消費者はたくさんのブランドを知っており、そこから候補を絞り込んで購買を決定し、いったん決めたらそのブランドに対して忠誠を誓うというプロセスが描かれてきた。

似た経験は1990年代以前に生まれた方々ならば持っていると思います。

しかし、インターネット普及後はこの伝統的な消費者行動モデルは通用しなくなりました。なぜならインターネットの存在が消費者のモノ・サービス、ひいてはブランドに対するかかわり方を変えさせたからです。

つまり、じょうごの比喩は通用しません

この代わりにでてきたのが、Customer Decision Journeyというモデルです。これをハーバードビシネスレビューでは「消費者の購買意思決定の旅」と翻訳しているので、日本語ではこう呼ぶとしましょう。

Customer Decision Journey

画像2
画像3
出典:https://www.mckinsey.com/business-functions/marketing-and-sales/our-insights/the-new-consumer-decision-journey


Consider(検討)→Evaluate(評価)→Buy(購入)→Exprience(Enjoy:享受)→Advocate(支持)

まず、消費者は実現させたいJob(Job理論のことを言う。)の実現を求めてモノ・サービスを購入することを検討する。これがConsider段階である。このとき、消費者はトップ・オブ・マインド(真っ先に思い浮かぶモノ・サービス)の検討対象群からスタートする。

しかしながら、この段階のトップ・オブ・マインドは限られた範囲にある。言い換えると、この購入の是非を評価するためには情報をあつめなければならない。これをEvaluate段階という。この段階で、消費者は様々な場所から情報を集めようとした結果、検討対象群が広がることが少なくない。消費者がそのモノ・サービスについて知識を深めていくことで、選択の基準が変化する。

画像4
出典:https://www.mckinsey.com/business-functions/marketing-and-sales/our-insights/the-consumer-decision-journey

マッキンゼー社の調査によれば、このConsider段階・Evaluate段階においてかなり多くのブランドが検討対象に追加される、もしくは棄却されるという。この過程においてあるブランドがリタイア(強制退出)させられることも十分ある。

画像5
出典:https://www.mckinsey.com/business-functions/marketing-and-sales/our-insights/the-new-consumer-decision-journey

Evaluate段階をとおしてモノ・サービスを一つに絞っていくことになるが、Buy段階で詳細な条件を確定し、購入する。そこで上の図を見てみよう。この図からは、インターネットの登場により、消費者は購買にたいしてより慎重になったことが読み取れる。ゆえに、購入時点での働きかけによっても消費者は簡単に心変わりする。そのため、入手コストの改善はBuy段階における顧客接点を改善し、強力な顧客接点となる。

Buy段階以降の重要性

Buy段階以降は2つのどちらかに消費者は動く。

①Exprience→Advocate→Consider→Evaluate→Buy→Exprience・・・・

②Exprience→Advocate→Bond→Buy→Exprience・・・・・

①はExprience段階でうまく自社ブランドに対する支持(Advocate)を得られなかった場合、消費者はまた別のモノ・サービスを購入する際にもう一度、検討し、評価する。

しかし、支持(Advocate)を得られた場合、消費者とそのブランドの間には絆(Bond)ができる。これができるといわゆるLoyality Loopが構築される。

したがって、マーケティングは消費者が購入した後が重要になってくる。どのようにしてBond(絆)を構築するかが重要だからだ。この構築に失敗した場合、また新たなマーケティングを同じ消費者に施さなければならない。

これをマッキンゼー社は「消費者の購買意思決定」が「旅」をするといっている。

Advocateを得た場合、消費者はどのように行動するかというと、AISAS段階で言うShareを進んで行ってくれる。そしてオススメをしてくれる。

②に消費者を入れるのは難しいが、成功すれば検討と評価の段階を一気に飛ばして、Buy、Exprience、Advocateをしてくれるのだから、力を入れることは重要だ。

おわりに

Customer Decision Journeyは企業がよりカスタマーサクセス、そして従業員経験や店舗経験に力を入れる必要があることを意味している。同時に広告に頼っていても売上は破壊的に上がらないことを意味する。今までのマーケターは顧客の意識を高めるか、そして忠誠心を高めるかであったが、これからは「いかにして経験をしてもらい、支持してもらうか」にルールを変えなければならない。

もし何かこの記事を読み、わからないこと・疑問点があれば質問していただけると幸いです。アップデートします。

注:近々ケースを入れようと考えております。

もしよければ、下のアカウントをフォローいただき、いいね、リツイートくださると喜びます。


よろしければサポートをお願いします。 あなたのお力添えが、私のブログ執筆の励みとなります。