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JpGUパブリックセッション「博士ってどうやったらなれるの?どんな仕事があるの?」2021/6/6(日)から改めて思う

 2021年5月30日(日)~6月6日(日)まで開催の「地球惑星科学連合大会」(JpGU Meeting)。この大会で、誰でも無料で参加可能なパブリックセッションについて、以下のnote記事で紹介していました。

博士の多様なキャリアをテーマにしたパブリックセッション(参加無料)

 もう一つ紹介したいパブリックセッションが、6/6(日)午後に開催されます。イベント名は「博士ってどうやったらなれるの?どんな仕事があるの?」というもので、5名の「博士」の方がこれまでのキャリアについて話して下さるというものです。予稿(発表内容のダイジェスト版)は以下リンクから確認できます。

 こちらのパブリックセッションに参加希望の方は以下サイトにて登録すると、前日6/5(土)にZOOMのURLが送付されます。


博士の光と影

 現役の学生の方には、ぜひ博士号取得者のキャリアの話を聞いてほしいなと思います。一方で、以下に述べる「影」の側面も進学前に少し頭に入れておいてほしいなと思っています。

 秋のノーベル賞受賞者発表の頃、博士にスポットライトが当たることが多いです。世界に通じる業績でノーベル賞を受賞する研究者の姿に、憧れを頂く人もいるのではないでしょうか。

 日本では1年に約1万5,000人の博士号取得者が誕生しています。そのうち9割ほどが「課程博士」(大学院博士課程を修了して博士号を取得した人)、残り少ない1割程度が「論文博士」という、博士課程に通うことなく、論文等の実績で博士号を授与された人になります。

 大学や研究機関での研究職として働く場合には必須であることが多い博士号ですが、取得するまでに年数がかかります。(飛び級を使わない場合は、大学生4年+大学院修士課程2年+博士課程3年を終えた後、最短でも27歳になります)

 その間の学費と生活費の負担も重いのですが、追い打ちをかけるように博士号を取得した後も、アカデミックポストと呼ばれる研究職としての就職は競争率が高く、また若いうちの職は非常勤であることも多いです。博士号取得者が最初に就くポジションであることが多い、任期制の「ポストドクター(ポスドク)」の拡充も進められていますが、その後の常勤職への壁は未だ厚いように思います。


 理系に進んだ私が、その後の進路に迷ったときに読んでいた本が「理系白書ーこの国を静かに支える人たちー」(毎日新聞科学環境部著)になります。最初のソフトカバーの版は2003年出版の書籍ですが、紹介されている政界や財界での理系比率の低さなど、置かれている状況は今もあまり変わっていないように感じます。

 この書籍は毎日新聞社の連載を基にしたものですが、書籍の「おわりに」では、今も科学系のジャーナリストとして有名な方々が執筆者として並んでいます。


 大学院については以下のnote記事で詳しくまとめていますので、どんなものか知りたい方はぜひご覧下さい。


 先頭の図はフェルメール「天文学者」です。光と影、色彩、物体の形と、随所に科学と芸術の融合を感じる、フェルメールの作品が大好きです。

このnoteでは社会人大学院生としての学びと研究、そして本業である技術職の日々を通じてmarmyが得た、科学と学びに特化した記事を綴っていきます。 サポート頂いた気持ちは、marmyの学びによる更なる視点確保のための学びに使わせていただきます。