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自治体イベントと WBPC+spring の登場回数について調べてみた~東京23区編~

1.はじめに

過去に投稿した記事になりますが、以下の記事を作成するにあたり、各自治体のホームページを調べていたところ、結構な頻度で、男女共同参画施設や自治体主催のイベントや講演会にWBPC の関係者が登場していることに気がつきました。

そのため、今回は東京23区を対象に、①自治体主催の講演会・イベント、②自治体職員・区議員の研修、において、WBPC プラス 一般社団法人spring の登場回数を調べてみました。期間は2013年度(平成25年度)から2022年度(令和4年度)までの10年間になります。

2.結果

いきなり結果です (゚∀゚)
ででん。

画像が小さくてすみませぬ。見えない方は、画像を選んで拡大してください。

2013年度から2022年度の間で、東京23区における ①自治体主催の講演会・イベント、②自治体職員・区議員の研修に、WBPC + 一般社団法人springは、合計で37回、登場していました。内訳は、以下の通りです。

colabo:5回
ぱっぷす(ライトハウス含む):10回
BONDプロジェクト:16回
若草プロジェクト:4回
一般社団法人spring:2回
合計:37回

WBPC 4団体の中で、新参者である若草プロジェクトが最も少ない4回でした。若草プロジェクト創設を支援した最古参のBONDプロジェクトは16回で貫禄のトップでした。存在感がありますね。

「リベンジポルノ・デジタル性暴力」に特化したぱっぷすも10回で、予想以上に健闘していました。これをみると、colabo は自治体主催のイベントではあまり呼ばれていないことがわかります。政治色が強すぎることが理由ですかねえ。

自治体ごとにみると、新宿区が独走の7回でトップ。内訳は、colabo 2回、ぱっぷす 3回、BONDプロジェクト 2回。

2位は4つの自治体(千代田区、品川区、渋谷区、葛飾区)で、回数はそれぞれ3回でした。開催数ゼロの自治体は6つありました(港区、目黒区、大田区、板橋区、練馬区、足立区)。

年度別でみると、2021年度(令和3年度)が最も多い9回。これは、困難女子支援法の成立にむけての「テコ入れ」でしょうか。ちなみに同法は、2022年5月に成立しています。新型コロナが猛威を振るっていた時期なのに、困難女子支援法の成立を目指す支援者は熱心だったんですね。

次に多かったのが2017年の7回。これは、座間市で発生した大量殺人事件の影響を受けてのことだと推測します。若者が標的にされたこともあり、国や自治体が自殺対策に重点を置き始めた頃と重なります。


3.BONDプロジェクトの区政への食い込み

今回の調査で、自治体の行政や事業計画にBONDプロジェクトが食い込んでいることがわかりました。先に掲載した表の左端に「Bond」と記入してある自治体(5つ)がそれです。順に見ていきます。

3-1. 品川区

品川区については、「マイセルフ品川プラン~誰もが自分らしく~」にBONDプロジェクトが関わっています。詳細は、前回の記事を参照してください。


3-2. 豊島区

豊島区は、2021年(令和3年)に、「生きづらさを抱える若年女子」を庁内横断で支援する「すずらんスマイルプロジェクト」を展開していて、その意見交換の団体に、BONDプロジェクトの名前があります。

その後、BONDプロジェクトは、豊島区の相談窓口としても登録され、現在に至ります。暇空さんがWBPC を追及して以降、自治体ホームページからWBPC の名前を消す動きもあるのですが、豊島区では残ってますね。

3-3. 荒川区

荒川区は、かつてBONDプロジェクトの相談室があった自治体になります。荒川区の自殺対策事業とBONDプロジェクトの繋がりについては、以下の記事を参照してください。

先の自殺対策事業とは別に、BONDプロジェクトは、荒川区生活困窮者自立支援事業の関係団体として名を連ねていました。これを見るとBONDプロジェクトは自治体関係に強いですね。

https://www.city.arakawa.tokyo.jp/reiki_int/reiki_honbun/p800RG00001163.html#e000000022

3-4. 板橋区

板橋区では、「板橋区いのちを支える地域づくり計画 2022(案)」の中で、SNSなどを活用した相談窓口として、BONDプロジェクトの名前がありました。

ただ、2025年度版からはBONDプロジェクトの名前が消えていました。板橋区のホームページにも、BONDプロジェクトへのリンクはありませんでした。そのため、他の自治体と比べて、浸透度は低いと判断できます。


3-5. 足立区

足立区では、「生きる支援」自殺対策計画の資料(平成30年)に、BONDプロジェクトの名前がありました。資料を読んだところ、もともと足立区の自殺調査をライフリンクが行っていたようで、荒川区と同様に、ライフリンク-BONDプロジェクトの繋がりで名を連ねたと推測できます。

4.その他 新たに気がついたこと

調査の過程で、「小ネタ」を見つけたので順に紹介していきます。

4-1. カリヨン子どもセンターと矯風会

新宿区のホームページを見ていたら、カリヨン子どもセンター職員の松浦薫さんが、矯風会ステップハウスの所長であることがわかりました。

カリヨン子どもセンターと言えば、橘ジュンさんや仁藤夢乃さん、若草プロジェクトが関係している団体です。さらに矯風会は、WBPC の仲間・ナニカです。一人の人物がカリヨンと矯風会を兼務しているとは…人手が足りないのでしょうかね。一人の人物がいくつもの団体(NPO、一社)に名を連ねている、ナニカの構図と同じに見えます。


4-2. 文京区アカデミー推進計画とパブリックコメント

文京区のホームページを見ていたら、 平成29年度の文京区アカデミー推進計画の事業で、colaboに事業が委託されていました。 そしてこのアカデミー推進計画のパブリックコメントに、「colaboの人の話を授業に取り入れて」という意見がありました。 これはWBPC 関係者の意見なのでしょうかね。


4-3. 墨田区の区議向け研修とBONDプロジェクト

墨田区のホームページによれば、令和4年1月24日(月曜日)に、墨田区議会第2委員会室で、「令和3年度墨田区議会議員研修会」が開催されていました。 そこでは、「若年女性を取り巻く現状~コロナ禍で孤独深める女性たち~」をテーマとして、特定非営利活動法人BONDプロジェクト代表の橘ジュンさんが講演していました。

墨田区といえば、都議会の場でWBPC問題を追及している川松議員の地元ですね。川松議員は参加していないと思いますが、情報の共有などはあったのですかね。ちょっとだけ気になります。

4-4. 世田谷区長と暇空さんの住民監査請求

世田谷区のホームページを見ていたら、令和5年1月10日に行われた世田谷区長の記者会見で、colaboに対する暇空さんの住民監査請求についての言及がありました。

ネットに「全共闘出身の区長にコレを聞いた記者はグッジョブ」という声もありましたが、区長の「補助金の使われ方などはしっかりと精査し、監査の力を強めていく必要がある」という発言は、WBPC 疑惑を見て見ぬふりの小池百合子知事より遙かにマシにみえます。

ちなみに、「令和2年度 世田谷区の世田谷区男女共同参画・多文化共生推進審議会」の記録を読んだところ、世田谷区では、女性向け相談員が女性の相談者に対して、WBPC・若草プロジェクトの情報を提供しているとのことでした。若草プロジェクトは、新たな保護対象者をゲットできますね。


4-5. 渋谷区の広報(2019年7月)の表紙と中身がスゴイ

ご覧の通りです。
ぱっぷす代表の金尻カズヤ氏、colabo 代表の仁藤夢乃氏、ライトハウス代表の藤原志帆子氏の鮮烈な3ショット。

渋谷区なのに、BONDプロジェクトの橘ジュンさんがいないのがちょっと不思議でした。


4-6.豊島区のパブリックコメントで colabo を名指しする人

豊島区令和4年度のパブリックコメントの資料を見たところ、豊島区が設置している福祉の相談窓口について、「ゲートキーパー、 いのちの電話、消費生活相談窓口、法テラス、もやい、 TENOHASI、Colabo、などは実名」を挙げた方がいいのでは?という住民からの意見がありました。団体名の名指しってすごいですね。コメントの主は関係者ですかね。


4-7. フラワーデモを応援する豊島区

豊島区立男女平等推進センターの情報誌「エポック10」の2020年2月号を見たところ、ぱっぷすのインタビュー記事とともに、豊島区でのフラワーデモ開催を特集していました。フラワーデモといえば、後に草津市の性被害ねつ造事件で暗躍するあのフラワーデモです。

自治体がここまでラディカル・フェミニズム団体を後援するのはちょっと…と思うのは私だけでしょうか。



5.まとめ

以上、WBPC + 一般社団法人spring と、東京23区の関係について調べてみました。

まず、WBPC+一般社団法人spring のうち、BONDプロジェクトは自治体で強い、ということが言えます。これは、NPOライフリンクとの二人三脚の元、東京都の自殺対策事業での実績によるものでしょう。また、仁藤夢乃さんとは異なり、政治色・政治的発言が少ない橘ジュンさんは、自治体側にとって、招きやすい登壇者と言えます。

また、「リベンジポルノ・デジタル性暴力」に特化したぱっぷすの存在感も見せつけられました。切り口が限定できてわかりやすいテーマなので、BONDプロジェクト同様に、主催者側としては招聘しやすかったのでしょうね。

4団体の中では最後発で、活動が地味な(存在感がない?)若草プロジェクトの登場回数は、WBPC 4団体の中で最も少なかったですね。もっと女性支援の実績を積む必要があると思います。

自治体のイベントとWBPC 招聘の関連性については、一概には言えませんが、①男女共同参画推進施設の有無(独立した建物か区庁舎内の一部か)、②施設の運営母体(区直営かアウトソースか)、③区議会の勢力(革新か保守か)、④WBPC の活動場所か否か、⑤区長の意向、が複雑に絡み合っていると言えます。

一般的に区長が左派といわれている杉並区や世田谷区においては、WBPC 4団体の活動は活発ではありませんでした。これは予想外の結果でした。左派と言っても幅が広く、困難女子よりLGBTに力を入れたりするなど、⑤区長の意向や、④WBPC の活動場所か否か、などの影響が背景にあると考えられます。

さて、暇空茜さんによる東京都への住民訴訟の本格展開を控え、未だ予断を許さぬWBPC 問題ですが、今回の記事がどなたかの目にとまり、なんらかの参考になれば幸いです。

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