DAY2 グッモーニン、塩尻
ゲストハウスは、古い家の匂いがする。
煙たいような漆喰のような。
石油ストーブがさらに匂いを濃密にする。
コーヒーを淹れる香りが加わったらそれはもう。
いつもより早く起きた2日目、モーニングは松本名物だという水飴トーストとリンゴジュースを食べた。
いつもは感じない余裕と幸福感がお腹に広がる。
宿を出て、友人が住む塩尻へ向かう。
電車の本数が思ったより少なく、時刻表見る癖のない私は遅刻をすることになった。
塩尻駅の前は、松本駅よりさらに高い建物がなく
その日は底抜けの青い空が広がっていた。
その友人とは、
モントリオールで出会った。
彼女は英語、わたしはフランス語を勉強していたものだから初めて会ったときあまり打ち解けることはなかった。
そのあと、彼女が撮る写真やセンスが魅力的で思わずSNSで声をかけて今に至る。
私とは全く違う環境で、全く違うものを選んできた彼女と話していると、いつもインスパイアされる。
新しい角度から自分や環境を見つめ直したりする、すごく刺激的な存在だ。
いまこうして同じ時間を過ごしているしていることを、出会ったときの自分に教えてあげたい。
人生は何があるか本当に分からないものだな。
乾いた冷たい冬の空気を、コーヒーの香り漂う暖かな部屋から眺めて午後。
いつになく仕事が捗った。
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