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職場コミュニケーションの大命題 “セクハラ”にならない伝え方のコツとは

こんにちは。保健師の小林智美です。

すっかり世の中に浸透した「ハラスメント」
「いやがらせ」や「いじめ」を意味する言葉です。

言動によって、他者に不利益を与えたり、不快感を与えることを指します。与えるダメージには、身体的なものと精神的なもの、その両方があります。

「ハラスメント」にはさまざまな種類がありますが、とくに職場で問題になりたいのは、

  • パワーハラスメント

  • モラルハラスメント

  • ジェンダーハラスメント

  • セクシャルハラスメント

  • マタニティハラスメント

などです。

職場で起きがちなハラスメントの特徴

それぞれのハラスメントの特徴は以下のとおり。

▋パワーハラスメント
職場における上下関係の背景を用いて嫌がらせを行うことです。業務に必要な情報を与えなかったり、長時間にわたる叱責などが該当します。

▋モラルハラスメント
精神的な暴力や嫌がらせを指します。上下関係はとくに関係ありません。例として、特定の人に対する職場ぐるみの無視などがあります。

▋ジェンダーハラスメント
性別に基づいて採用や昇進で不平等な扱いをすることです。男性にだけ重い荷物を持たせたり、女性にだけお茶くみをさせることなども含まれます。

▋セクシャルハラスメント
性的な嫌がらせや、そのような言動によって不愉快感を与えることです。「誰とつきあっているのか?」としつこく聞くことも、セクシャルハラスメントになります。

▋マタニティハラスメント
妊娠・出産で不利な就労環境を強いられたり、制度を利用しないよう迫ることです。妊娠を理由に降格や退職を迫ることは、当然マタニティハラスメントに該当します。

「セクハラ発言」を避けるにはどうすれば?

こうしてみていくと、本当にさまざまなハラスメントが存在しますが、今回はその中でも、「セクシャルハラスメント」について考えてみましょう。

医科は、私が普段、実際にセミナーでお話している「セクハラにならない考え方・伝え方」の実例です。

《男性幹部社員からの相談》
「女性従業員:Aさんが、毎月体調不良で有給休暇を取っています。有休を取ること自体を問題とはとらえていませんが、重要なプレゼンがある時などは困っています。
毎月のことですので、「女性特有の体調不良の可能性があるのでは?」と考えています。体調管理をしてほしいと思うのですが、セクハラと言われないようにそれとなく伝えるにはどうしたらよいでしょうか?」

女性従業員の健康について、男性上司(同僚)が指摘したり、アドバイスしたりするのは、なかなか言葉選びが難しいですよね。
互いの関係性によっても適した対応のしかたは変わってくると思います。

今回の事例では、男性幹部社員は毎月の女性特有の体調不良=月経に関する体調不良の可能性を懸念しています。
しかし、男性幹部職員が困っているのは、重要な仕事があるときでも体調不良で休まざる得ない状況があることです。ですから、「何が理由で休んでいるのか」にフォーカスする必要はありません

つまり、「月経が原因なのかな? でも、『生理で休むのはちょっと…』と切り出したらセクハラ認定されるかも…」などと考えずに、率直に「重要な仕事の時に体調不良で休まれるのは困るから、体調管理をしてほしい」と伝えればよいわけです。

ところが、この内容をダイレクトに伝えてしまうと「体調不良なのに休みにくい職場」になってしまう可能性があります。

では、どう伝えたら良いのでしょう?
あくまで一例ですが、こんな言い方ができればいいかもしれませんね。

「いつも一生懸命、仕事をしてくれてありがとう。Aさんには、重要な仕事も安心してお願いできるよ。ただ、ときどき体調不良で休みを取ることがあるよね。せっかく頑張っているのに、プレゼンの日に休まなきゃいけなかったりすると、僕はすごくもったいないなと思っているよ。
一度、病院(もしくは産業医など)に相談してみたらどう?」

これならば、Aさんはセクハラだとは感じませんし、むしろ「上司に頑張りを認めてもらっている」とうれしい気持ちになるのではないでしょうか。

デリケートな話に触れなくても、気持ちは伝えられる

女性特有の健康課題が含まれる、上司あるいは男性同僚からの女性従業員に対する声かけには、一歩間違うとハラスメント認定されてしまうデリケート亜な要素が多分にあり、どうすればいいのかと困っている職場も少なくないと思います。

私たちが提供している“mezame”のプログラムのなかでも、男性・上司向けのセミナーでは、この記事で紹介したような伝え方の考えやテクニックを詳しくお話しています。

▲プログラムの一部は「NHKスペシャル」でも放映されました

また、こちらの「mezameの公式note」では、管理職や男性対象にセクハラやマタハラについての記事も多く、参考になると思います。

《ハラスメント》に関連したnoteの記事

「“mezame”の内容が詳しく知りたい」
「どんなプログラムなのか、まずは体験してみたい」
という企業や担当者のみなさんには、オープン参加型の公開研修も定期開催しています。
1名からの参加が可能ですので、ぜひ機会を活用してみてくださいね。

■ 文/小林智美(こばやし・ともみ)
産業保健師、メンタルケア心理士、アンガーマネジメントファシリテーター・叱り方トレーナー


“mezame”は健康とキャリアの両輪で、
はたらく女性を支えるプログラムです

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さんぎょうい株式会社が提供する“mezame”は、産業保健師と国家資格キャリアコンサルタントがタッグを組み、

*女性の健康知識とキャリアプランニングの基礎研修
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