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【サッカー選手というよりも、まずは人として。】

サッカーはチームプレーです。
何のために試合をするのか。
それは、試合に勝つためですよね、仲間と力を合わせて。。
スタメン、サブだけでなくチームに所属している全ての選手たちの力を最大限出し合い、結集することが、試合に勝つ確率を高めます。
自分よりも実力が劣る仲間に対して、「なにやってんだよ」と言葉に出す選手、また、言葉ではなくても表情や態度に出す選手は、仲間たちに信頼されるでしょうか。
困った時に助けてくれるでしょうか。
果たしてそれでチームは一丸となれるでしょうか。

指導者は、サッカーを教える前に、人としてどうあるべきかという人間性について、ちゃんと教えてあげることができなければ、サッカーの上手い選手は育てられても、一流の選手は絶対に育てられない。
またそれは、親からも、子どもがそういうふうな言葉や態度に出して取り組んでいるならば、しっかりと教えてあげなければいけません。

このような人間性の選手を応援したいという気持ちになるかというと、ならないですよね。
プロサッカー選手になれるのはほんの一握り。
ほとんどがサッカー以外の道に進んでいくことになります。
この人と一緒に仕事をしたいと、そう思われる人材でなければ、社会に出た時に苦労しますよね。

選手のプレーには、その子の考え方が表れます。
指導者の指導にも、その人の考え方が表れます。
なぜなら、1人の人間が行っているものだからです。
それも特にうまくいってない時、苦しい時に、本性がより表れます。

セレクションやスカウティングをしていた時、いい選手だなぁと思っても、他人へのリスペクトを欠く選手は、チームの一員として迎え入れにくい。

フロンターレのジュニアユースコーチをしていた時、公式戦を見に来ていたある高校の監督から「あの子は試合には出れなかったけど、最後の最後までアップをちゃんとやっていた。是非うちに来てもらいたい」。
そういうこともありました。

戦う気持ちの強さと、相手を傷つけてしまう強さは、全く違います。
それを教えてあげなければいけないのは大人です。
指導者であり、親であり。

君はノーミスで完璧なプレーができているのか?
そうではないよね。
だとしたら、自分がミスした時、ボールを奪い返してくれているのは誰?
全部自分で奪い返し、その後相手を全員抜き去り、ゴールを決めて完結できるのか?
そして、得点後の相手キックオフから、1人で追いかけ回し、誘導し、制限をかけ、ボールを奪い、そして奪われずにまたゴールを決めることができるのか?
そんなこと不可能です。

ミスしても俺がカバーしてやる、取られたら俺が奪い返してやる、君が苦手なら俺が代わりにやってやる。
そういう選手と、一緒にプレーがしたいですよね。




代表  森 一哉

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