突然だが、私は自分が嫌いだ。

と、言っても全部が嫌いなわけではなくて。圧倒的に自分の気持ちを伝えるのが下手で、リスクマネジメントとか言ってめんどくさい展開が予想される話し合いを避け、結局自分の思ったことを何も共有しなければ相手の意見もシャットアウトしてしまう。そんな弱い自分が嫌いだ。

どんなに相手に非があるとしても、その非を指摘せず、悶々と抱え続ける。今我慢すれば後が楽だとか、精神を蝕む不毛な衝突に疲れたくないとか。そうやって飲み込んできた蟠りがどれ程あったことか。

どうやら私はお節介には程遠い人らしい。教育係にもきっと向いていない。欠点には自ら気づき、学べ。痛い目にあって身に刻め。何度もそうやって相手を直接傷つけることなく突き放してきたのだから。

更に厄介な点は、本当に仲がいい人と思っている人にこの傾向が顕著であることだ。今後も付き合いを続けたいからこそ、先述のような態度を取ってしまう。他人の良いところばかり目につく！だなんて表向きには言っているが、それは相手の欠点を誤魔化すため身につけてきた悪しき術なのかもしれない。

人付き合いは得意な方だと思っていたけれど、それも逃避の上に成り立つ虚像なのかもしれない。本当に人付き合いの上手い人とは、相手の良いところも悪いところも全て受け止められる人のことだと思う。私のちっぽけな器では到底出来ないことだ。

あぁ、自分の嫌いな自分は、今日も弱さを隠して飄々としているよ。そんなところが嫌いなのにさ。