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ダンジョンに装甲変身ヒーローがいていいのだろうか#1【W.B.G番外編】

565>>【朗報】なんだかよくわからんが「装甲変身」とかいう新スキル覚えた
566>>この書込みは削除されました
567>>またまたご冗談を
568>>嘘乙
569>>この書込みは削除されました
570>>新実装かな?新スキル久しぶりだね

新実装でした。

ダンジョン【月遺跡】表面層。
新しく覚えたスキル、【装甲変身】を試すべく、俺はこんなとこまで来ていた。特段旨味のないmob構成、そして操作しづらい低重力設定。が、今日は関係ない。なにせオールコントロール強制スキルなので、入力から遅れてもっさり動く操作のしづらさも何もないって寸法だ。敵の位置が固定なので急襲される心配がないのもありがたい。

「変……身……!」
俺は脇を締め左拳を腰に、逆の右手は拝むように立て、ポーズをとる……が、次の動作が思いつかなかったので、大人しく空中のウインドウにあるスキルボタンをぽちっと押した。するとウインドウから粒子が噴き出し、一瞬の後手首に纏わりつきゴツい腕時計か腕輪のような形状に形成される。ベルトではないのか。
そして、再度その腕輪が輝くと、革鎧に灰色のクロークのファンタジー然とした俺のアバター周囲に複数の光輪が出現。頭頂部と足元の光輪に向け、腰付近の光輪からそれぞれ上下にホログラム円盤が駆け抜け、装甲を形成した。

キィン、と余韻のような音が響く。デザインは全身を覆うタイツ状のアンダーアーマーに鈍い金属質の装甲が接続されたものだ。さっきまで付けていた装備より明らかにシルエットがスリムだが、ステータス上は装備されたままになっている。逆に言えば、この装甲服だけで完結するほどの防御ステータスはないということだ。

最後に仮想端末ウインドウをインカメラ(的な設定の……)にして御尊顔を確認。身体と同じ質感の装甲で出来た小ぶりのフルフェイスヘルメットにシャッター状のバイザー。
まあ、控えめに言って予想の何倍もまともにかっこよくて安心した。

さて……次は肝心の戦闘能力だが……

【続く】

資料費(書籍購入、映像鑑賞、旅費)に使います。