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昨晩の稽古

金曜日の夕、合気道の稽古の日、、であった。
しかし、今月は金曜日が月5回ある、月4回の契約のもと、昨日3月3日を休みにしていたのをすっかり忘れていた。稽古生の皆さんは優秀で誰一人来る者はいなかった。(優秀というか、当たり前か、、)

金曜のこの時間にフリーになるのはめったに無く、飲み屋時代によく世話になったワイン屋に寄って帰った。マスターは相変わらずお元気そう、いつもの笑顔であった。以前と変わらぬ空間に以前と変わらぬ匂いの時間が流れていた。

しばらくすると私の自宅の改修に知恵を貸してくれた某市建築課勤務の男性がやって来た。しばらく合気道の稽古を続けていたが、仕事と汗を補給する夜の稽古が忙しく、汗を流す稽古からは足を遠のかせている。話を聞くとしばらくメンタルを病み休職していたと言う。でも、組織のバックアップがしっかりしており、違う部署で気の合うメンバーと今は元気にやっているとのことであった。
「働き方改革」は浸透しつつあり、私から見たら旧態依然だった某市もそんなに悪い事はないな、と見直したのであった。

私より年上の猫好きな女性の話を聞いた。弟さんが障害者だったそうで、ずっと家族を支えて来たそうである。障害者福祉の難しさ、施設によっては時々ニュースで流れるような虐待が実際にあったりする話を聞く。さらりとする話には長いご苦労が刻まれているように思った。

常連の男性、(ほぼ常連の店であるが、)と話する。大阪市中津の出身だそうである。今でこそ阪急中津駅前あたりが活気づいてきて小洒落た飲み屋が出来ているが、20年ほど前は寂しい町であった。
その男性の子どもの頃であるからそれよりもっと前である。小さな工場が立ち並ぶ一角から少し離れた淀川沿いの橋梁の下で一人コンクリートの橋脚にめがけて軟球をぶつけて時間を過ごしていたと聞いた。そのぶつけた後がコンクリートの壁面に今も残っていると言う。男性がテレビドラマの演出家だからというわけではないが、とても文学的な匂いが鼻腔に残るような話であった。

話とともに夜は更けゆき、酔いはグルグル回り出した。
夜の稽古は終了し、自宅に向かった。
今季最後の寒さの夜は酔った私にはちょうどよく、駅から歩くいつもの街は何一つ変わることなくひっそりと夜を迎えていた。
頬を撫でていくまだ冷たい夜の春風は心地よかった。

昨日の戦果🍷

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