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野菜をたべてかんがえた

若い頃、建設会社にいた事もその原因であったろうが肉を食べる機会が多かった。
牛も豚も、鶏も羊も、ついでに熊もだ。
でも、焼肉が毎日でもいいと思っていたあの頃と今の私は違う。
肉は少しでいい、できれば魚のほうがいい。

あとは野菜である。

栽培方法や流通形態が進化する中、食べたい野菜がいつでも手に入る。
そろそろ終わりかけの露地物のエンドウ豆は今年も美味かった。
旬の野菜は美味くて甘い、その甘さを引き出すために調理法を考える。
豆ご飯もいいが、玉子とじもいいが、たまにはカレーにする。
カレーの中で豆の甘さを感じることが出来る。
時期ではないが沢山のほうれん草はポタージュにする。
ほうれん草の旨味がわかる。
トマトを炒めると生で食べるのよりも量がすすむ。
酸っぱくさっぱりの、モヤシのナムルはアクセントだ。

健康志向に向かっている訳ではないが、こんな料理が増えている。
思い起こせば若い頃、野菜といえば、生が多かったかもしれない。
加熱して、多量の野菜を摂ろうとしている今の無意識は本能なのかもしれない。
野菜を喰らい衰えつつある身体機能に合わせて省エネルギーモードに変えているのかも知れない。

これからは旨い煮物を作りたい。
母が田舎料理だと言いながらよく作ってくれた煮物だ。
もう食べることの無い母の煮物の記憶は『茶色』である。
モノトーンの茶色の煮物を突きながら、夏でも熱燗を一合だけ、そんな生活が出来れば私が目指す元気で健康な年寄りに近づけるような気がする。

気がする、だけで終わってしまうような気もするが、理想としてのその気持ちを持ち続けるだけでもいいのかもしれない。

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