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最近疑問に思ったこと

何年ぶりに百貨店のおもちゃ売り場に行っただろうか。息子とよく行ったのはもう遠い昔のこと、なんだか立ち入ってはならない場所のようにも思えたが、入り込んでみればなんてことはなくすんなり受け入れてくれる世界がまだそこにはあった。でも、そこには以前ほどの活気は無く、目を輝かせてはしゃぐ子どもの姿も無かった。売り場面積自体も小さくなっているのではないだろうか。子どもたちの興味が私が知る昔の子ども達の興味と変わって来ているのだろう。いささかの寂しさと「それでいいのか」という疑問が生まれた。子どもにはそのタイミングで感じ取らねばならないことがあり、その時にしか出来ないことがある。その大切なタイミングを逸してしまうのではなかろうかという疑問が残ったのである。

しかし、今回の疑問はそれではない。おもちゃ売り場に私は必要に迫られてミニカーを見に行ったのである。懐かしのミニカーである。父の年に二回のボーナスの支給された後に家族四人はめかし込み、バスで豊橋の繁華街に向かった。駅前にあった丸物百貨店(のちに西武、今は無い)で兄と二人一台ずつのミニカーを父に買ってもらい、母はその間に中元・歳暮の特設コーナーに注文に行っていた。そして帰りに名豊ビルの地下にあった中華料理店「天華」で好きなものを頼めと父に言われ、チャーハンと餃子を、兄だけなぜかカニチャーハンと酢豚を頼んでいた。いつも素直な兄であった。

私の必要は人に頼まれた調べ事であった。トラック事情の詳細を調べていて、どうしてもトレーラーのことでわからないことがあったのである。おもちゃ売り場で手に取って疑問は払拭されたのであるが、トレーラーと乗用車を並べて眺めていてそこで疑問が生まれたのである。私の記憶のミニカーには車体底にある刻印に製造会社名とミニカーの縮尺サイズが表記されていたように思うのだがそれが無いのである。1/64や1/24という数字を憶えている。それがどこにも見当たらないのである。それをそこにいる店員さんに尋ねると「決まったスケールは無いんですよ」と言う。「えっ、」と思いながらもせっかくなのでトレーラーを2台買い求め自宅に帰った。

そしてしつこくメーカーのお客様相談室に電話してみた。つながった先のコールセンターらしき場所の女性はよどむことなく、「お子さまの手に合わせたサイズに作っており決まった縮尺はございません。」と言った。すらすらと出てくる返答に私のような問い合わせをする人間がいるんだなと思い、同時に縮尺サイズの無い事実が軽いショックであり、疑問として残ったのである。触って感じるミニカーってのも子ども達には大切かも知れないが、実際、このトレーラーや乗用車はどれくらいの大きさなのかを考えるのに数字が必要に思うのである。トレーラーと乗用車がどちらも手に納まる大きさでもいい、でもそのスケールの違う数字を目にすれば子どもでも大きさの違いを想像できると思う。
なんだかモヤモヤと疑問の残るミニカーの存在である。

最近疑問に思ったこと、もう一つ。
合気道の稽古の帰りに時々寄る酒を置いている場末の飯屋のチキンライスである。先週久しぶりに頼んだら、値段も上がっていたが、いつもチキンライスの頂上に転がっていたグリンピースが無かったのである。そもそも缶詰のグリンピースは美味しくない、時々固い、好きでも嫌いでもない。だから味わうこと無くいつもチキンライスと一緒に胃袋に送り込むのだが、無ければなんだか具合が悪いのである。なぜないんだ、と疑問なのである。あるべきものだと思い込んでいる私の脳の問題だけかも知れないが、私にはかなり大きな問題なのである。グリンピース数粒の有無でチキンライスが完成しないのである。諸物価高騰の事情は理解するから一粒じゃ寂しいからせめて二粒のグリンピースでいいから載せて欲しい。それで私の脳は満足するだろう。柔軟性を失いつつある私の脳を助けてやって欲しいのである。

なんだか大した疑問じゃないが、最近の疑問、二つでした。



ニューフェイス、チキンライス!
在りし日のチキンライス

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