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『顔面漂流記』1999年 エピローグ、あとがき、謝辞など

エピローグ


 
顔と顔がめぐり合い、共鳴する
顔にアザのある私が、名前と顔をテレビで公表した。
テレビ放映は97年11月16日の深夜だった。「異形の君へ――顔に痣のある青年の遍路」の視聴率は、同じ時間帯に放送されたワールドカップ・サッカー、日本―イラン戦に食われて(当然といえば当然だが)1・5%にとどまった。それでも関西圏で数十万人が私の顔を見た計算になる。
放送終了から数日間にわたって、仕事場に1日数件のペースで電話と手紙がきた。

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