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マップ的読書ノート



読んだ本 / 読んでいる本はなるべくメモをつけるようにしている。これは、読んだ本のログであり、内容のメモなのだけれど、おそらく自分以外には見にくいことこの上ないだろうと思う。美しさよりも、本を読んでいるモードの勢いで書いていく事を重要視しているため。

これは、読み返すときや誰かに説明するときには役に立つ。そして、読書会でも役に立った。

読書会、には先日初めて参加いたしました。ブクブク交換会という、テーマに沿った本を交換しあうというイベントや、竹尾でやっていたイベント(シェアシェルフ おいおい、あれは10年前なのか... そういや震災直後だった)に参加したことはあった。本のイベントは楽しそうなので興味はあるけれど、読書会となるとなんとなく敷居が高い。でも鋭い意見を求められてる訳でもないさ、と飛び込んでみました。




課題本は、チョン・セランの「フィフティピープル」。50人の登場人物が交差していく小説で、主人公がいないぶん、読む人によって主人公格が変わったり、この先の物語はどうなるのか?? を想像するのが楽しくなる物語。

ただ、50人もの人物が出てくる上に韓国語の名前に不慣れな事もあり(男女の区別がつかない)名前を主体とした読書メモを書く事にしました。それがトップの画像... 手書きなのと「ほぼ読みながら書いている」ので書いた本人にしか読み取れない作りになっていると思います。でもコレが本を読み進めている最中や読書会には役にたつのです。

基本、ワタシはメモをマップ形式で書いています。だいぶ前に、トニー・ブザンが作ったマインドマップを教わりまして。本来の教えを大幅に替えていますが、自分のためのメモであればコレが分かりやすいという結論に至ったのです。

脳のシナプスのように繋げていくメモなので、箇条書きにしていくよりも脳内のイメージに近づけるような気がします。もっと立体的で時間軸も加わるので、あくまでも2次元の「瞬間をきりとった」感は否めませんが、判りにくいメモよりはマシなのです。

書き方の基本は、真ん中に主題(この場合は本)を置いて、舳となるものを広げていく。例えば「フィフティピープル」では登場人物を繋げていく。属性やキーワードになるものも書き込んで繋げていく。その時には文章ではなく、本に書かれている単語で書いていく。(あずき、天才少女、タトゥー、ビストロ、シンクホール... 同じ意味で違う単語などには置き換えない)ただ、本を読むときはリラックスしていたいし、ページをめくるのを止めたくないので、メモを書くのは読んだ後。少し読み進めて、メモを書く。そうすると、書き入れる場所もなんなとく決めやすい。そして1枚の紙に、見渡せる範囲で収めるように書き込む。

この時に、自分の感想は書き入れません。入れてしまうと感想が固定されてしまい、読み返すときに「そっちに誘導されてしまう」ので、つまらなくなります。推理小説の場合は、犯人の名前を書きますが(登場人物として)キーワードとしての「犯人」を書きません。大概は覚えているし、その人が犯人であることを重要視せずに読み返す(叙述を楽しむというか...)方が楽しいから。

もちろん、この人が犯人だった!! という驚きとともにメモするのも記録としては楽しいし、それで本の面白さが減る事は無いと思っていますけれどね。



実際のメモ


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ただ、シリーズもの場合、次回読むときに覚えておきたいキーワードを箇条書きにしてみたり。(ミステリーですが、このメモを見ただけでは犯人は判らない...筈。ただ関係性などでネタバレになるので閲覧は要注意)



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短い引用を書き入れる事もあります。ここらへんは、スペースの空き具合と気分で書いています。


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地図を書き入れる事もあります。マインドマップの基本の教えでは絵を描くことを推奨しているので、アイコン的なものを入れてあげたほうがいいのかも。ごちゃごちゃしているので、薄く色を入れてもいいかなぁ、と思いつつ放置。


使っているノート

今、使っているのはRollbahnのランドスケープフィールド。ちょっと小さいかなーと思っているけれど紙の色がクリームなので気に入っている。


以前使っていたのはニーモシネ。書きやすさでいえば、こちらが上だと思う。色をつけていくならこちらがいいのかもね。


それってデジタルでいいんじゃない?

今回の課題本「フィフティピープル」は、50人以上の人物名を書く事になるので自由度の高いマインドマップアプリを使うという選択肢もありました。後から気がつく繋がりを調整する事が出来るアプリは便利です。Mac(app)とiPhone&iPad(iOS app)が連動するアプリもあります。でもデジタルで作り始めると綺麗に編集したくなり、そのうちメモを作る事が目的になってしまう。本を読む事が主体ではなくなってしまう。なので、誰かと共有する目的の時にデジタルで編集し直します。

よく使用するのはmiro。web共有ホワイトボードアプリですが、マインドマップが綺麗に出来るのとPDFの書き出し機能も良い感じです。


MindNodeも悪くなかった。ブランチの伸び方が正統的マインドマップぽいところに好みが分かれるかもしれない。

昔はMiNDPiECEを使っていたのですが、64bitへの対応は無いようで残念。


メモをとることは少し面倒だけれど、単語を書き留めるだけでもその本を読んだ事が手元に残る。(記憶はアテにならない)単語が複数書き留めてあって、それがブランチによって繋がっていたりしたら物語のアウトラインを書き留める事にも繋がる。そして、読んだ事を忘れても見返したときに記憶が蘇る。(記憶の蘇り度合いの高さは、マインドマップの真骨頂だと思う)だからキーワード(名前や印象的な単語など)は書き留めて、繋げておく。読んだ内容を忘れてしまう自分のためにやっておくと、見返したときに読んだときの興奮を思い出せる。面倒だけれどね。やっておくと、未来の自分が喜ぶメモですよ。



おまけ

課題本の「フィフティピープル」を読んで思い出したのがこちら。増設し大きくなっていく大学病院を舞台にしたコニー・ウィリスの航路。こういう繋がりも、脳内ではマップ的にシナプスのお手手が伸びてる感じですよ。



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