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食糧不足は人口増加だけが問題ではない。

読売新聞「食料難深刻化 農業開発 寡占防ぐ必要」9月21日↓(なお、この記事はオンライン下では読者会員限定記事)

https://www.yomiuri.co.jp/serial/earth/20200921-OYT8T50000/

 この記事ではコロナ禍で加速化する食料難についての原因や対策について国際通貨研究所理事長の渡辺氏が述べている。

 この中で気になったのは「(食糧難に対して)人口増だけならなんとか対応できるという見方もあった」という記事である。人口増加以外に食料需要が上がることなんてあっただろうかと思ったが、記事の中で2つの原因に触れていた。

1、低所得者層の一人当たりの所得増加による食品消費量の急激な増加

2、所得増加による畜産物消費量の増加

 1の消費量の急激な増加に関しては、農林水産省 海外食料需給レポート2016によると、2000年に比べ、2050年の食品消費量予想は低所得国で2.1倍、中所得国で1.5倍、高所得国で1.2倍である。同期間の人口増加率が低所得国から順に、1.9倍、1.4倍、1倍であることをふまえると、人口増加以上の食料問題に悩まされることになりそうだ。

 2の畜産物消費量の増加に伴う食料不足は、畜産物生産(1kgあたり)に必要な穀物量(トウモロコシ換算)が牛肉で11kg、豚で7kg、鶏で4kgのように多くを必要とするからである。トウモロコシや麦を直接食べずに、家畜の飼育用に使えばより多くの食料を要することになる。実際に、2050年の畜産物消費量予想は1.8倍になる見込みだ。

 渡辺氏はこれらの対策に①生産の増強と適正な配分②貯蔵・搬送施設の整備③食品ロスの削減に沿って論じている。この分析に関してはまた次回。

 畜産も学ぶ1人の学生として、今後の畜産のあり方が考えさせられる。

引用 農林水産省HP