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久しぶりの話

 久しぶりに土曜深夜の山手線に乗った。人が多い。みんなこんな時間まで何してるんだろう。飲み会? 遊び? 私は遊んできたんだけど。
 歳をとって遊び方も落ち着いてきて、終電を逃すような遊び方はしないし、もっといえば22時くらいでお開きになって一番遠くに住む人が日付の変わる前に帰宅できるくらいのこともざらである。大人になった。三十路。

 途中で京浜東北線に乗り換える。みんなどこまで帰るの? こんなに混んでたっけ、土曜深夜、終電一本前の京浜東北線。久しぶりに履いたショートブーツで酔っ払いの体を支える。なんとなく履き辛かったような気がして敬遠していたショートブーツが思ったより履きやすくて、あれ?わたし痩せたかも、なんて夢を見ている。

 久しぶりに会った大学の同期。なんとなく左手を確認してしまう自分がいる。別に、そいつとどうこうしたいわけじゃないけれど、まあ、とりあえず確認する。指輪はついてなかった。だからなんなんだ。別の同期は先日結婚したらしい、インスタの投稿を見る限り。イヤホンから流れるマカロニえんぴつ、気付いたらこんなに売れてた、なんて、彼らを昔から知っているファン面してみる。

 いつぶりだろう、0時を過ぎてから帰宅するなんて。シンデレラじゃないから大丈夫。履いているのはガラスの靴なんかじゃない。