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天気の子

私は今まで気圧で頭が痛い、もうすぐ雨降るから体が重い、とかいう人たちをものすごくバカにしてきた。
体調で天気が分かるなら天気予報とかいらなくない?そもそも本当にそれが原因なの?偏頭痛なのでは?と思っていたが、ついに二十六歳を目前にして、私は気圧で頭痛が起こる人たちの仲間入りを果たしたのである。今年の梅雨はあまり多くの雨が降らない代わりに晴れの日が全くない。ずっと曇りか雨、しかも肌寒い。

異変を感じたのはあまり覚えてないが、何日ぶりに晴れた日の夜。夜空には分厚い雲が立ち込めていたが、雨が降ってくるような気配はない。仕事からの帰り道でバスに乗り、今日は頭が痛いな、生理前だから貧血なのかな、と思いながら窓に寄りかかる。対向車の光をぼんやり見ていると、車酔いのように気分が気持ち悪くなってきた。途中下車しても帰るのに相当時間がかかるところに来てしまったので、なんとか耐えながらバスに乗り十分。家の前のバス停ではなく、一つ前のバス停で降り、歩くことに。夜風にあたっていれば治ると思っていたからだ。しかしそんな淡い期待は冷たい風が肌を撫でて弄ばれるように、家に着いても全く治らなかったのだ。とりあえず頭痛薬を飲み、母親に何気なく話すと、それって気圧のせいじゃない?明日は朝から雨が降るみたいだし、と一番言われたくないことを言い始めたのだ。しかし、こうして頭痛もするし、風邪は喉から派なので言われていることにも合点がいく。本当に認めたくないが今苦しめられていること全てが気圧のせいなのだ。

そしてその日から今まで、もう気圧のせいにしかすることができないぐらい、頭痛との戦いが始まったのである。ちなみに、周りにいる気圧のせいで頭が痛い、体が重い、と言っていた人たちとは話が良く合い、今では同志のような間柄である。


#日記 #エッセイ #頭痛

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