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メガネちゃん、コンタクト女子になってみたけどまた出戻り??でメガネちゃんになる??

私は超ド近眼だ。小学生の頃からメガネをかけている。家族は母親以外みんな近眼なので、生活習慣というよりは遺伝的なものだろう。

中学生になる頃には近視の度合いがどんどん進み、メガネをかけると顔の輪郭が歪むほどになってしまった。レンズを通すと目がひと回り小さく見える。加えて鼻筋がなく、耳が小さく左右の高さに差があるので、顔にフィットするメガネがなかなか見つからない。

顔面で斜めになったりズレ落ちたりするメガネをかけていると、度数がきついせいもあって、酔いそうになる。フレームの内側と外側でピントの差が激しいからだ。

だから思い切ってコンタクトレンズにした。

初めてコンタクトレンズを装着した日の感動は忘れもしない。景色がブワァ~っと一瞬で広がり明るくなった。目を細めなくても全てのものがクリアに見える。

なな、なんじゃこりゃ~。それが中学生だった私の最初の感想。

ぼやけた世界しか知らなかったから、超精密構造の異次元にやってきてしまったかのような錯覚すらした。

そして鏡を見て再び、なな、なんじゃこりゃ。なんとまあ!(驚き)

私ってこんな顔してたのか!!!

しかめ面じゃない自分の顔を初めてクリアに見てビックリした。目が開いてる!瞬きするとまつ毛がパチパチする!わぁ~少女漫画みたい!

◇◇◇

以降、一年三百六十五日、私の生活にコンタクトレンズは欠かせなくなった。メガネは朝晩、コンタクトレンズを着けたり外したりする合間にしかかけない。そんな生活を何十年も続けてきた。

ところがここ数日、目がゴロゴロする、と思っていたら急に痛くて目が開けられなくなってしまった。急いでコンタクトレンズを外して医者に診てもらったら、炎症を起こしている、と言われた。どうやら何か良からぬものが目に入っていたようだ。

医者はウチから徒歩八分ほど、めっちゃ近所なので行くときには気にしなかったけど、よく考えてみたら裸眼で外出したのは数十年ぶりのことだった。メガネは持って行ったけど、病院の中だけでかけて、外は天気がすこぶる良くてまぶしかったから、サングラスの方を優先した。

メガネにサングラスの二重がけは怪しい上にすぐにズレ落ちる。めっちゃ歩き辛っ。だったらぼんやりとした視界の中を歩く方がマシだと判断して、そのまま出かけたのだ。

久しぶりのぼんやりとした世界。色は識別できるから、ぼんやりとしていても何がどこにあるのかはだいたい分かる。いつも歩いている近所だし。

ただ、すれ違う人の目線が分からない。顔のディテールが見えないから、知り合いの人かどうかも分からない。

小型犬と猫の違いもあやふやだ。尻尾が長くてそろりそろりと歩いていたら、多分、猫?だろう。

このぼんやりとした世界。これがコンタクトレンズを知る前に私が暮らしていた世界だ。

そこでは全てのものの輪郭が、ジュワァ~ンと滲んで溶け出している。見えているものの正体が不明確で、曖昧な世界。

◇◇◇

とりあえず今日は、目を休めるためにもコンタクトは外してメガネで過ごすしかないなぁ。炎症を抑える液体をしてもらいながらボーっと考えていたら、一日十時間以内にした方がいいわよ、と言われた。

は?
ボーっとし過ぎて、医者の言葉を聞き流してしまっていた。

だから、コンタクトを着けるのは、一日十時間以内にした方がいいわよ。あなた、目が充血しやすくなってるみたいだから。と言われた。

十時間っつったら、朝八時に着けたら午後六時には外さなければならない。つまり、夕方家に帰ったらすぐに外せと言うのだな。

うーむ。

つまり、夜はメガネちゃんで過ごせということだ。

うーむ。

そっか。。。

◇◇◇

メガネをかけて、フレームの内側と外側で見え方が違う二つの世界を行ったり来たりしながら自分の状況を考えてみた。メガネが嫌だからコンタクトにしたのに。やっぱりレーシックにすれば良かったかな。。。

実は最近、本が読み辛い。ちょっとだけ老眼が始まっているのだ。多分これはパソコンやスマホのせい。

近視用のコンタクトを着けていても、文字が読み辛いのだからリーディング用のメガネをかけなければならない。

コンタクト着けてるのにメガネって。。

だったら思い切って遠近両用のコンタクトにする?

でもそうすると、今回みたいにまたコンタクトを着けられなくなったら遠近両用のメガネにしなければならなくなるわけで、そしたら、見え方の違う三つの世界を行き来しなければならなくなるってことだ。

だったらレーシックで近視を矯正しちゃって、リーディングメガネ一本勝負で暮らす方がいいんじゃないか、と思うようになってきた。

って、どう考えてもメガネは必需品になってしまう。

結局私はメガネちゃんから逃れられないのね。。。

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