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【コラム】『料理ができない』ならまず1品極めよう

こんにちは。
男の料理研究家、佐藤道尚です。

noteを読み漁っていて興味深い記事を見つけました。

これの筆者の平野さんは、高校まで「料理をできない」と思っていたそうです。
大学で家を出るときにレシピ本を買ったりして料理をしてみようと思ったところ、長続きせずに結局外食やパスタ茹でて出来合いのソースで食べる、という生活になってしまったとのこと。
「いつか料理ができるようになりたい」と思っていて「週3レシピ」という考え方に出会い、出来るようになる・・・というような内容でした。

これは個人的な感想ですが「パスタ茹でて、市販のソース絡めるだけでも十分料理してるよね」とは思ったりします。
本当に料理できない人はそもそも家に鍋や調理器具さえなかったりしますし・・・

実際、平野さんも

思えば、「自分は料理ができない」と思った原体験は、母さんかもしれない。母さんは、料理ができる。
栄養バランスを考えながら、自分が食べたいもの、季節の野菜を取り入れて料理をつくってくれる。とはいえ、手作り至上主義というわけでもなく、楽をするところは楽をする(買ってきたものをみんなで食べるとか)。あまった食材は、その時々でアレンジしてくれる。その塩梅もちょうど良かった。
だから、自分はそのレベルを「料理ができる」と思っていて、それができなければ「料理ができない」と思い込んでいた。

と、「料理ができる」に対するハードルがちょっと高すぎたと、後から気付いたようです。

■「料理ができる」はどこから?

この「料理ができない」と思ってる人の「料理ができる」ことへのハードルを勝手に高くして料理に対するモチベが下がる現象はすごく勿体無いなと思っています。
周りの「料理が上手い人」を見て、心のどこかで「あれくらい出来なきゃ料理ができるとは思ってはいけない」と劣等感を持ってしまうのが原因のようです。

私もこの記事を読ん、以前に料理をしない友人と「なんで料理をしないのか?」という話しになったことを思い出しました。

料理をする側の人間としては「スーパーでカット野菜も売ってるし、野菜炒めくらいならすぐできるじゃん」と思ったりするんですが、話を聞いていくともっと手前の段階で複数の要因が絡まって諦めていることがわかってきました。

■料理を始めるまでのハードル

料理をしない友人の話を聞いていくと

・まず調理器具がない
・調味料もない
・作りたい料理から材料やレシピが出て来ない(知らない)
・逆に材料を見ても調理法やレシピが出て来ない(知らない)
・野菜の切り方、洗い方、皮の剥き方など食材の処理の仕方がわからない
・レシピに使われてる用語が分からない
・上記を乗り越えてまで、料理を作るモチベ湧かない

などなど、確かに言われてみるとイチから始めようと思ったら面倒に感じるよな・・・とそのときは納得しました。

一方で「自分だって過去に同じことを乗り越えて今があるはず・・・自分はどうやって乗り越えたんだっけ?」と考えてみました。

■自分で食べるものは雑でいい

以前にも少し書いて私の料理の原風景は、中学生の頃に読んだ料理漫画でした。

完成した料理は今思うと足りないものだらけでしたが、「次はこうしよう」と反省をしてまたチャレンジしたことを憶えています。

その後、家庭の事情で高校で家を出て一人暮らしをすることになり本格的に料理をすることになりましたが、最初の頃は雑・・・というか手抜きしまくりでした。

調味料は醤油と塩コショウと料理酒だけ。

米を炊いて
もやしとひき肉を炒めてご飯にかけて食べるか
納豆に卵とねぎを入れて食べるか
くらいしかしてませんでした。

面倒くさければ米にキムチと生卵だけのこともありました。

でも私は米を炊いてるだけで「料理できてる」という認識でした。
調理器具もまな板、包丁、フライパン、鍋くらいです。
ボウルは丼とかあるもので代用しました。
レシピも炒め物の仕方を漫画で見て、なんとなく見よう見真似で憶えて、飽きるまでひたすらその繰り返しでした。

手順もぐちゃぐちゃで、よく肉を切ってから野菜を切ってないことに気が付いたりとか、野菜を炒めてから肉を入れてないことに気が付いたりとかしていました。

それでも「ま、自分が食べるものだしこんなもんでいいか~」と、少しずつ憶えていきました。

完璧を求めるから苦しくなるんじゃないかなと思います。

野菜炒めでもハードルが高いと思うなら、納豆に入れるねぎを刻むところことから始めるのもお勧めです。

■まずは料理の基本動作を分解してひとつずつ憶える

ここまで書いてきてなんですが、スーパーで美味しい惣菜が買える時代にわざわざ慣れない料理をする必要ってそんなにないと思います。
余った材料の使い道が分からずに腐らせるよりよほどマシだと思います。
(なのでモヤシとひき肉の炒め物はどっちかが足りなくなったら買い足すだけでOKなので神レシピだと思います)

とはいえ、何かの機会に料理をできるようになりたいと思うのならば、まずは

・鍋を火にかける(レトルトカレーを温める)
・包丁で物を切る(ねぎを切る)
・物を炒める

といった「料理の基本動作」を身に付けることから始めるのがいいんじゃないかと思います。

たとえば野球でも、キャッチボールから初めてボールのさわり心地や投げ方を身に付けて、それから本格的にさまざまな技術を身に付けていきますよね?

料理もめっちゃ簡単なところだけ、繰り返して無意識にできるようにするのが重要だと思います。

昔、友人とキャンプに行って料理をしない友人に野菜を切ることを頼んだら、ただ切るだけでもめちゃくちゃ時間が掛かってました。
そんな人が切って、炒めて、味付けして、という手順滞りなく行うのは限りなく難しいと思います。

だから、まずは「切るだけで済む」ところから始めるわけです。

ねぎくらい息をするように切れるようになったら、他の野菜も楽にできるようになりますし、肉を切るのにもある程度応用が効くようになります。

野菜炒めなら、カット野菜を買ってきて「炒めること」だけに集中できるようにするのも有効だと思います。
それだって、最初は味付け用の調味料を入れ忘れたり、焦がしたり、生焼けになったりと、失敗することがあると思います。

出来れば少ない材料で作れるメニューを、手順を考えずに作れるくらいひたすら繰り返すのが料理をできるようになる近道です。

野球をやって、サッカーをやって、バスケをやって、バドミントンをやって・・・・と毎日違う種目をやって、1ヵ月後にまたサッカーをやろうとしても、身体は忘れてしまっているのと同じです。

料理も憶えるときは、集中してやるのが重要です。

■料理を憶えたいならシンプルなものから

もしも、これから料理を始めてみようと思う方は

・ねぎ入り納豆のるねぎを切る
・カット野菜を買ってきて炒める
・鍋で物を煮る

など、とにかくシンプルな料理(?)を慣れるまで繰り返し行い、身体に覚えさせることをお勧めします。

それができるようになってから、カレーとかもう少し複雑な料理をすると真理的なハードルも下がるのではないかと思います。



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