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中間マージンの存在意義についての考察

内容

 中間マージンは悪であり、減らす絶対的な対象としてみられることが多いですが、果たしてそうなのだろうか?という問を自問自答した際に思ったことを書きます。

中間マージンの定義

 取引を円滑に進める目的の元、取引の間で活動している業者が取る利益。

例)不動産仲介業者、出版業界の取次など

メリット

 まず、中間マージンの業者が存在することで、本業に専念することができるメリットがあります。不動産仲介業者を例にすると、仲介業者が物件の販売及び営業までこなす分の時間で、大家さんは新規の貸し出し不動産を探す業務に時間を割けられます。

ポイント:時間とお金は交換されるものである。

中間マージンの有無の違い

ありの場合、時間>お金

なしの場合、お金>時間

デメリット

 中間マージンの業者が存在することで生じるデメリットとして、売り上げに占める利益を持っていかれることです。大抵の場合、売り上げ%からしたら、小さい額を取ることが前提になります。出版業界の取次も小さい額を取り、本の流通を調整します。しかし、中間マージンの業者が働いてくれる部分に関して、任せる側の企業が考えることまでアウトソーシングする傾向があります。出版業界の問題として、取次に流通を任せることで在庫リスクを回避できる一方、在庫を捌く書店の努力をする意義を持っていかれてしまいます。在庫は言い換えれば、換金可能な商材であり、商材は売ってなんぼのものであるはずですが、その考えを取次にアウトソーシングしてしまっている。

ポイント:売り上げ%から小さい額を持っていかれるだけでなく、任せる部分で本来自身で考え、解決した際に発生する利益まで持っていかれる。

中間マージンの有無の違い

ありの場合、手間>思考と利益

なしの場合、思考と利益>手間

まとめ

 中間マージン業者が存在する意味は、取引を円滑に進めることにあり、時間とお金の交換によって、取引する両者の利害を実現する。しかし、手間とも言える課題を中間マージン業者に任せると、問題解決するという選択をアウトソーシングしてしまい、機会損失にも繋がる可能性がある。

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