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[書評]高橋徳医師の新著

シェディング研究の現状と対策

シェディング(伝播、曝露)についての本はめずらしい。本書にはシェディング研究の現状とシェディング対策とが医師の立場から書かれており、多くの医師の生の声も集めてある。巻末には子供にもわかる絵物語も附いている。

著者による文章が70ページ、巻末の絵物語が25ページ、その他を合わせ合計で100ページほどの本だ。短い本だが、内容は濃い。

シェディングが存在するのかしないのかについては議論があり、意見が分かれている状態だが、さまざまの研究をふまえ医療の現場はシェディングと向き合うことが迫られつつある。

どちらの立場をとるかを鮮明にしている病院もあるが、ふつうの病院は立場が明瞭でないことも多い。医師同士では医師のみが参加できるネットで意見が交換されているはずだが、外部にはその様子は窺い知れない。したがって、本書のように医師の考えが垣間見られる書物は貴重である。

その意味では、本書で最も興味深いのは、最新の研究の指摘と、多くの医師の生の声を集めた部分だ。それらを見て、自分で調べを進めるのがよいと思う。

現時点では、シェディングは「疑念」の段階だ(9頁)。しかし、著者自身を含めて、シェディングの体験者は存在する。本書は著者の「知り得たシェディングの具体例を提示し、そのメカニズムと対処法を考察」した本だ(15頁)。

その目的は、「社会や人々を分断」しかねない危機を、「お互いを正しく知る」ことにより防ぐことである(69頁)。つまり、著者は「共存」の道を探る(15頁)。

著者が挙げる研究の例は、中村篤史医師のブログを大いに参考にした旨、断り書きがある。その例の一つに米国ミネソタの結婚式(2021年7月)の参加者への 調査報告論文(JAMA Network Open, 2022年2月25日)がある。JAMA は最新の医学研究成果を掲載するアメリカ医師会雑誌(Journal of the American Medical Association)。ご関心の向きは確認されたい。

著者によれば、シェディングの機序(メカニズム)は次の3つが考えられるという(38頁)。

  1. 炎症反応

  2. 排毒反応

  3. 帯電・陽電化反応

さらりと書かれているが、かなり衝撃的な内容である。評者が特に気になったのは3つめの帯電・陽電化反応で、それについての記述のなかに放射線のことが書かれている。放射線は強い電磁波である。

シェディングの対策・治療法については、項目が多数列挙されている。日常で出来る工夫、外出時の工夫、外食時の注意、デトックス、酸化グラフェン(炭素原子のシート状物質)対策、プラスイオン(電磁波)の不活性化など。これらについての詳述があまりないのが惜しまれるが、あとは自分で調べるしかない。おそらく、本書は緊急に出版されたのだろう。

#書評 #シェディング #高橋徳

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