[書評]光のラブソング
この本に出会えた幸運をかみしめている。
著者は米国人女性。タイトルが『光のラブソング』とあり、それだけでは私の目にとまる可能性はほとんどゼロだった。この本が出ていることも知らなかった。
きっかけは2023年5月に『我が名はヨシュア』を読んだことにある。読み終わったときに、この方面で次に何を読むべきかと真剣に考えさせる内容の本だった。
途方に暮れつつ、ふと、同書の巻末の書籍広告を見ていたら、『光のラブソング』があった。同じ明窓出版から出ている本だから、編集者がこれと判断したのだろう。
本の表紙をみると、ネイティヴアメリカンのような男が描かれているようだ。白黒でははっきりしないので、アマゾンでカラーの表紙を見てみた。
この表紙で453ページもあれば、確かに読者レビューにあるように〈なにか純金のようなものを手のひらにのせたときの〉ズシリとした手ごたえを感じるかもしれない。
別の読者評に〈まったく翻訳本という感じがせずに自然によめます〉とあったので、ページ数は問題ではないかもしれない。
とまれ、翌6月には本書を手に入れていた。
ヨシュアとマグダラのマリアについては殆ど出てこなかったが、代わりにユダについて、また、木星について、思ってもみなかったことを垣間見ることができた。
著者と光の存在との遭遇を描く、まるでファンタジーのような驚天動地の内容だが、どう考えてもこれは実話であり、しかも、現在も進行中の話のように思える。
本書が米国で出版されたのが2001年、そして『ユダの福音書』(The Gospel of Judas)が米国で出版されたのが2006年のことであり、著者はこの福音書が本書に確証を与えていることを読者たちから知らされ、「ユダの福音書 バルベーローと長年の秘密」を書いた(本書に収録)。
著者が出会った光の存在から教わったラブソングとは、私たち人間のDNA内部で歌うことをやめない歌のことだという。
その光の存在である教師から著者が聞いた言葉が、その教えの集大成であるとのことなので、その一部を引用しておこう。
何か遠い話のように見えるかもしれないが、訳者によると、〈もしこの本が日本で出版されるとしたら、それはCJ(本書に出てくる教師)が、日本の人々に囲まれて歩むことを希望しているということ〉だと著者に言われたという。
確かに、本書の意義を世界でもっとも深いところで受けとめるのは、古代の神聖な真理への意識を持ち続ける人々、中でも日本人なのかもしれない。
メアリー・スパロウダンサー『光のラブソング』(明窓出版、2007)
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