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きんがくがもらえるその日まで

先日の寝かしつけ時、絵本ももう読み終わって電気も消し、その日にあった出来事などを話し終わりさあ寝ようおやすみ、と言った後のこと。
娘がおもむろに喋り出した。

「もっとおねえさんになって歯がなくなったときにまくらの下においておけば、マリポサ(蝶々)がきてその歯とこうかんして、きんがくをおいてくれるんだって!」

西洋諸国では、抜けた乳歯を枕の下に置いて寝るとTooth Fairyという妖精がやってきて、コインやプレゼントと交換してくれるという言い伝えがある。

どうやら娘はよく観ているアニメでそのことを知り、たいへん楽しみにしているらしい。

コインの事を「きんがく」と言った可愛さに私は暗闇で悶絶してしまった。どこで覚えたことばなんだろう… 最近気に入ってやっている、数を数えるゲームで聞いたんだろうか?

今まで見聞きした知識を総動員してたくさん考えて、コイン=「きんがく」という言葉に辿り着いたことが、可愛くて可愛くて仕方なかった。

しかしここでニコニコしたり、可愛さのあまりふふっと笑ったりすると、最近そういうことに敏感な彼女は怒ってしまうのでグッと堪えて、「そうなんだね〜。よく知ってるね!」などと返事をする。

「たのしみだな〜。なにかおっかな〜。おかしかえるかな〜。」

暗闇でも分かる、キラキラしている娘の目。しばらく2人で、もらった金額で何を買うかなどキャッキャ話して眠りについた。

4歳半も過ぎ、発音の未熟さ故のつたない言葉づかいはかなり減ってきて、きちんとした言葉で会話するようになった。もう、とうもろこしのことは「とうもころし」とは言わないし、おしりは「おてぃし」では無く、アンパンマンは「アンパンタン」では無い。すべてちゃんと発音できる。

その代わり、今回の「きんがく」のように、自分が持っている言葉の知識を当てはめた言い間違いがままある。何回でも思うし言いたいけど、とても、とても可愛い。

「煙」のことは「もえ」と言う。「燃える」という所から取っているらしい。

車に乗っている時にiPhoneで音楽を流す際、歌詞を見たいとせがむのだけど、それは「えほんみたい」と言う。絵はついていないけど、文字が流れるそれは娘にとっての「えほん」なんだ。

自宅の窓からスクール近くの工事現場にある大きなクレーンが見えたとき、「あ!あれはいつもみてるやつだ〜!あそこががっこうがある『くに』なんだね」と娘。最近覚えた「くに(国)」という言葉を、自分の身近にあてはめて使っている。

小さい人が一生懸命考えていることが、とても可愛く愛おしい。

そんな彼女もおそらく唯一、まだきちんと言えない言葉がある。

自転車=でしんしゃ

とっても可愛いくて、夫などは自分もそう言ってしまっているから、娘の言い方は尚更なかなか直らない。でもきっといつか普通に言えちゃうから。しばらくはそのまま、「こうえんで でしんしゃのろうよ〜!」とお誘いしてほしい。

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