KOUMI100について語ろう

OSJ KOUMI100
2010年10月9日(金)〜11日(日)
スタート・ゴール 松原湖スケートセンター
距離 175km(35km 5周)
累積標高 7500mくらい


私のレース前といえば

「体調が悪い」

そう、体調は悪かった
いつも調子が悪いが、今回はいつもと違う意味で調子が悪かった
調子が悪いので
「無理しない」「短時間高強度」「ロング練は最小限で」を合言葉にトレーニングを積んだ

9月半ば
走るとお腹が痛い、月の半分以上は出血、貧血一歩手前、体のあちこちが炎症を起こす、朝は箸を持つのも痛いくらい
もうもうダメだ
レース前に検査に行こう
子宮にポリープができているので切除した
出血は止まったが
腰痛、重だるさが増悪、薬を飲んでも軽減しない

もう、レースまで練習量を落とすだけだからゆっくりしよう
そう決めた​

しかし、体の不調と反比例するように走りは良くなる1週間前には最悪の状況の中、理想の走りができたあれ???

子宮がん検査の結果が出た
大変良くない
精密検査が必要だ

台風が近づいている
直撃はしなくても、雨は降り続く
路面も私も最悪だ

普通であれば、レースを諦めるだろう
だが、私は違う
「これ、私の勝ちパターンじゃない?イケちゃう?」

それまでは、「ゆっくり完走すれば良い」と思っていたのに
スイッチが入ってしまった

レース前日
寒い
新幹線の中でダウンを着ていても寒い

松原湖に到着
寒い
日中でこの気温、夜は止まると死ぬ

雨のテント設営
寒い
震える
夜寝たら死ぬ

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[レース当日]
スタート前
雨ザーザー
寒い
いっぱい食べたのにお通じがイマイチ
お腹が苦しい
すっきりしないな・・・と思っていたらスタート!

[1周目]
みんなペースが速い
私も速いと思いつつ、冷えている体を温めるため
気持ち速いペースで林道を進む

ちなみに
全ての周回基本走り方は同じだ
林道   登り 全歩き
     下り 足に負担をかけない程度で走る
ロード  下り ペース抑えて走る
     登り 全歩き
トレイル 登り おしゃべりできるペースで歩き
     下り 足に負担をかけない程度で楽しく滑り降りる
●常に5周目を想定してゆっくり進む

考えていたペース配分
1周目 5:00
2周目 5:30
3周目 6:00
4周目 6:30
5周目 6:00
各エイド0:10
予想タイム 28-29時間
当日の天候を考えると
周回ごとのプラス時間は45分
全体としてプラス2時間
30時間前後

さて、1周目に話は戻る
トレイルは川だ
沢登りの様
最高点手前に大きな水溜り出現
足首まで浸かる
登りで暖まった足が一気に冷える
トレイル下りは滑り台
この下りで足とタイムがずいぶん変わるな
と冷静に判断
HYSさんを下りで抜くがロードの登りで追いつかれる
林道下りで追いつくが平坦路で離される
なんとなく、距離感と傾向が掴めた

[2周目]
林道・トレイルが荒れている
1周目で予想より足を使った
プラス45分だろうと予想して出発
レイン、ウエア、手袋を着替え
冷え対策でホットクリームを塗った
ロードの区間がとても寒く
夜が不安になる
特に大きなトラブルなく2周目終了

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[3周目]
ウエア、手袋を着替え
ホットクリームを塗って出発
畑の間を走っている時に時計をつけていない事に気づく
充電して、そのまま出発してしまった
しかし、ここまで全く時計を見ていなかったのでまあいいかと足を進める
データ取り好き人間としてはログが取れないのは悲しい・・・
林道上りになると足の重さが倍増している
思った様に進まない
しかし、周りよりペース速く進めている
「このペースなら5周目まで保つ事が出来る。このリズムキープしよう!」
と自分をエール!
トレイルの下に入ると周回ごとの足が動く
どこで滑ればいいのかもうわかった来たので神経を使う必要なし
ブレーキをかけず滑りおりる

[4周目]
カップラーメンを汁まで全部飲み干し
ウエア、手袋を替えて出発
今度は時計は忘れない!

林道登りが3周目より軽い
トレイル登りもいい感じ
最高点手前の沼でASHRさんを抜き2位浮上
トレイル下りでHYASさん抜き1位に躍り出た
勢いよくロードを下って登りに差し掛かった時にライトが暗くなった
エイドで電池を替えるのを忘れたのだ
ギリギリ保つかと思ったがここで来た
ロードは暗くても問題ないが林道下りは流石につらい
ウエストバンドにハンドライトを入れていたのですぐに取り出し
ハンドライトで下るが歩きに毛がはえたようなペース
ヘッドライトの素晴らしさを実感する
テンションもガタ落ちだが、まだ後ろが来ないので逃げ切る決意をする


[5周目]
着替えるつもりだったが
逃げ切る為に
ライトの電池交換だけして
食糧たっぷり詰め込んですぐに出発
林道登り 動かない
重力を強く感じる
明るくなってきて
知り合いの顔もよくわかる
今まで以上に声を出して前に進む
トレイルの登りは標高3000mの様に感じる
足は動かないので腕で体を引っ張り上げる
最高点手前の沼は膝以上まで来ている
でも、ここにくればあとは下るだけ
最後のトレイル下りは最高に楽しくハイテンションで駆け下りた
ロードの登り、最後ぐらいは走りたいが登りの足が売り切れ
緩い傾斜も走れない
チラチラ後ろを振り返り追いつかれていないか確認
トレイル下りで抜いたチームメイトが後ろに見えた
こいつはヤバイ!彼からは逃げよう!
林道下りを最後の力を振り絞って駆け下りた
もう少しだ!
田んぼ道を走っているとトラックのおじさんが「コースは向こうだよ!」
と教えてくれる
最後の最後でミスコース
ゴール手前の登り
みなさんが応援してくれているのでカッコ良く走りたいが走れません
最後の花道だけ走ってゴール

逃げ切った!

海外100マイルでは優勝しているが
日本100マイルでの優勝は初めてなので普通に嬉しい

結果
1周目 4:50:56  エイド 0:16:09
2周目 5:31:38  エイド 0:13:28
3周目 6:15:14  エイド 0:15:26
4周目 6:20:31  エイド 0:09:47
5周目 6:14:52
  タイム 30:08:01

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当初、ノンサポート予定だったが
急遽、他の方のサポートさんに追加サポートしていただいた
サポートのありがたみを実感
本当にありがとうございました

OSJ様 小海町様 大会を開催していただきありがとうございました

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レース翌日はベッドとお友達

『愛の不時着』観賞で1日過ごす

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