見出し画像

無限ループから脱出できなくて、わりと悩んでいる。

いつから始まったのかはともかく、困っている。

ある漫画のワンシーンが、ことあるごとに頭の中にフラッシュバックしてくる現象。

最初は、「あーはいはい、たまにある現象ね」と軽い気持ちで受け止めていた。が、今回のは様子がおかしい。毎日、思い出してしまう。「え、無限ループ...?」と思うぐらいに再生される。

皿を洗っていたり、ご飯を食べたりしているときに、別なことを思い出したりすると、思い出すという行為に、もれなくその漫画の記憶もついてくる

思い出したくないと思えば思うほど、頭の中で再生される。もちろん、今も再生されている。例の漫画を読んで数年は経っているのに、急にこのような現象が起き始めて、わりと戸惑っている。

逆に、もう一回読んでみたら何か起きるかもしれないというアイデアが浮かんだが、脳内にイメージがしっかり刻まれるのが怖いため、保留しておく。

原因は何か考えてみた時に、これは職業病なのでは?という思考が舞い降りてきた。

そもそも、仕事である動画制作は、<繰り返し>の作業が多い。もちろん、仕事にしていない人も日常で動画は撮る。これが仕事になると、撮りためた素材を見返して、始まりと終わりを何度もループさせて、挿入しては削除して、完成をめざす。

できあがった頃には、その仕事で使用した音楽やワンシーンが、ある一定の日数、頭の中で再生されている。鼻歌が出ることも多々ある。

つまり、過去の記憶に集中する時間が多いため、記憶を振り返る回路が発達している。結果、過去の記憶が何度も再生されるバグのような現象が起きている、のかもしれない。

これらのことを妻に相談したところ、どうやら自分は<繰り返す>ことを動画以外でもやっているらしかった。

「きみ、ノートにいろいろ書いて頭を整理してるって言うけどさ、ノートに書いて気づいたこと、いつも一緒なんだよね。同じことの繰り返し。ちょっと違うとしても、1mmぐらい。だから飽きちゃう。それで!?ってなる。」

衝撃だった。「新しい気づきを得て進んだ!」と感じていたことが1mmだったことにも驚いたが、思考を繰り返している可能性があることにショックを受けた。

動画を仕事にし始めたからなのか、もともとそういう性質なのか、それを考えても意味はないことだけはなんとなく察しがついている。

直近の問題は、このループ現象によって、過去の記憶に意識が持っていかれ、現在の感覚や意識が飛びがちだということ。

結果、妻の話の細部を聞いていなくて怒られる。頼まれたことを忘れてしまって怒られる。3秒で忘れることもある。「鶏か!」と言われる。

このままではまずいと思い、いろいろ調べていくうちに良さそうな手法を発見した。相手と話している時は、頭の中に浮かんでくる思考、雑念や雑音を脇に置くというシンプルなものだった。

「それはちがうんじゃない?」→脇に置く。
「あーこのことを伝えないといけないな」→脇に置く。
「そういえば、あれやらないといけなかった」→脇に置く。

やってみると、たしかにいろんなことを考えていることに気づく。今までは、頭の中のノイズをキャッチしてはどんどん目の前の相手から離れて、過去や未来に意識が飛んでいた。それをキャッチせずに脇に置くことで、脳内がクリアな状態で現在に存在することが可能になった。

しかし、脳内がクリアな状態は妻からすれば珍しいせいか、どうやら不自然に見えるらしく、

「なんでそんなスンとした顔してるの?」
「口角そんなだったっけ?おでんくんみたいだよ」

と言われてしまう始末。

そして、漫画のフラッシュバックは、脇に置いても、すぐに頭に戻ってくる。

無限ループから早く脱出したい。


この記事が参加している募集

最近の学び

この恩はきっとゆるく返します