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取り戻しワーク【カラダ】

自ずと然る生き方のポイントは、身も心も空っぽにすることですが
身も心も空っぽにするには、逆説的ですが、今まで無意識に追いやっていたものを全部取り戻すことが必要となります。
その最も基本となるのがカラダ(身体)。

いやいや、カラダのことは毎日意識しているし、健康にも気遣っているよーと言われる方。それはそれで大変結構なことですが、もう少し話を聞いてください。

いまこの瞬間にカラダを意識していますか?

皮膚に触れる衣服の生地の感じ。
足裏にぎゅっと体重がかかている感じ。
パソコンの作動音。
ほのかに香ってくる料理の匂い。
ここでいう「カラダ」とは、五感のことです。
刻々の五感の変化を感じてますか?ということです。
五感は身体が発しているので、五感を感じるというのはカラダを感じるということです。

五感を取り戻す。カラダを取り戻す。
もともと五感は、意識してもしなくても生じています。
身体が生きるため自ずと活動していますが、その生の感覚として生じています。
でも我々の日常ではいちいちその五感を意識することはありません。
そんな暇がないほど思考を巡らし、身体を使って仕事などをしているからです。
つまり、もともとここにある感覚を忘却しているのです。
それをすこしでも取り戻す時間、つまり五感が働いている様子に注意を向ける時間を増やしましょうというワークです。

これはやり方などありません。すでに五感は働いているので、ただそれに注意を向けるだけです。特定の感覚に集中するのではなく、全感覚にオープンに注意を向けるだけです。もちろ四六時中はできません。いろいろ忙しいですから。ただちょっとの隙間時間などをつかってなるべくその頻度を増やすのがよいです。
休憩時間、移動時間、歩いている時、電車に乗っている時、朝起きた時、寝る前など、ちょっとした時間にまるごとの感覚に注意を向ける。
ずーっと向け続ける必要はありません。注意を向ける時間は、気が済むまで、あるいは自然に止むまでなど、頭で時間をコントロールすのではなく、カラダに任せるのが良いです。

これを続けると、自ずと身も心も本来の状態である「空っぽ」に近づきます。生の基盤である「五感」を取り戻し安心するからです。

【余談】
一般的には、幸せ、満足感、充実感、至福、ポジティブな状態が求められてますが、感覚というのはポジであれネガであれ「偏り」のサインです。
しかも一時的なので保持することはできないですし、そもそも保持すべきものではないです。それは変化の中の一時的な状態です。
むしろ、なんの実感もなくニュートラルで空っぽの感じでいるときが、身心が現象全体として在る時のサインで、もっともエネルギーパフォーマンスが高い状態なのです。

勘違いされがちなのは空っぽになるために「余計なものを排除しなければならない」という思い込みです。特に心、内面に関しては、その逆です。
瞑想をして雑念を捨てる、何かに集中して雑念が湧かないようにするなど。
これは実はうまくいきません。排除の行為は必ずリバウンドが来ます。

全てを受け入れ意識化することで、逆説的に心が空っぽになるのです。
特にネガティブなことの取り戻しが大事です。

空っぽというのは、すべてが統合されたときの状態のことです。
光の3原色を全部合わせた時に色が白になるのと一緒で、あまりに辛くて嫌で無意識に追いやっているものをちゃんと意識化して統合しないと心は空っぽにならないのです。
なのでいまここにない「幸せの実感」を求めるよりも(それはある意味不幸です。得られないものを得ようとする無限ループなので)、いまここにあるネガポジ感覚すべてを取り戻し(統合し)、その結果として「空っぽ」に自ずと至るほうがシンプルですし自然ですし、意識が本来の台地にしっかりと根が降り、安定するので、エネルギーパフォーマンスが高くなるのです。


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