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ちょいちょい書くかもしれない日記(遠出)

コロナ禍のステイホームは、正直私にはまったく苦ではなかった。
もとから出不精だし、家が好きだし、行きたいところがあったとて、コロナ禍だろうとなかろうと、猫がいるとそうそう家を空けられない。
一泊二日、それも翌朝は何もせずにすぐ帰途につくなら、まあまあ許される……という加減だ。
誰かに、猫の食とトイレの掃除だけ頼むことができたら、二泊三日や三泊四日の旅が可能になるかもしれないが、問題がふたつある。
留守宅に赤の他人の業者を家に入れるのはセキュリティ上いやだなあ、ということ。
もうひとつは、もし知人が引き受けてくれたとして、今度は猫の命と安全という重すぎる責任をその人に負わせてしまうということ。
結局、私が遠出をあきらめるほうが、私も猫も安寧、という結論に落ち着く。
ゆえに、特に不満もなく自宅で仕事に励んでいたわけだが、やはり学校の仕事だけは対面がいいと痛感した。
オンライン講義は通勤しなくていいから楽だけれど、学ぶ気がある学生にしか届かない。
専門学校なのだからそれでいいような気もしつつ、やはり入学したからには、何か財産になるものを得て出て行ってほしいと思う。
どうせなら、やる気がない学生の耳と目も引きつけたい。
対面講義には、視線と呼びかけという武器がある。
その場で板書し、臨機応変に話の内容を変更、またはまあまあわざと脱線するライブ感もある。
どうでもいいようで、そういうことが意外と大きい。
めんどくさいなあ、と思いながらも、真面目に出勤している。
外出は……イベントが復活したり、とても魅力的な展示があったりするので、やはり少しずつ増えてきた。
気が進まなくても、新大阪に着いた頃から楽しくなってくる。
今の時期、レンゲが満開の田んぼと、トラクターが土を掘り起こしている田んぼが車窓から両方見られて、とてもいい。
目に映る植物が、みんな青々している。
新幹線から喫煙コーナーが消えて以来、全身に煙草の臭いを蓄えて戻ってくる人がいなくなってありがたい。
でも、飲み物の自販機だけは復活させてくれないかな。
食べ物は、まあおにぎりか何か買っていくし、買い損ねたら我慢もできる。
のど飴は常にバッグに入っているから、それで凌げるだろう。
でも、水分はそうもいかない。
ペットボトルは重いので、新幹線に乗り込む寸前に買おうと思うことも少なくないからだ。
ギリギリで飛び乗り、肩で息をしているのに目的地まで何も飲めないとか、ちょっと想像するとゾワッとする。
もちろん、余裕を持って行動するのが大人なんだろうが、最近はよく在来線が止まったりするし。
いつ、駆け込み乗車をしなくてはならなくなるかわからない。
飲み物だけは頼むぜJR東海さん。

そういえば、最近バカ流行りしていてどこにでも店がある、あのいやにソフトで具材が贅沢なおにぎり。
文句なく美味しいのだがどうにも馴染めない。
ああいうことやないねん。
そないホロッとしとらんでええからしっかりむすんでくれ。
具材もてっぺんにはおらんでええ。一口めは塩とご飯の味を楽しむんや。
海苔もしっけてご飯に添うてくれとるんがええねん。そない親の敵みたいにパリパリせんでええ。無理すんな。
つい、そんなことを思ってしまう。
土井善晴先生のシンプルな塩むすびを見るとほっとしてしまう。つくづく昭和の生き物である。

こんなご時世なのでお気遣いなく、気楽に楽しんでいってください。でも、もしいただけてしまった場合は、猫と私のおやつが増えます。