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DXでSDGsを実現する:目標12 つくる責任 つかう責任(廃棄物問題に立ち向かうには)

本日の投稿では、目標12のつくる責任 つかう責任のうち、廃棄物をテーマに取り上げたいと思います。

昨日(4/21)の日経新聞に、廃棄物処理のDXの記事が掲載されていました。

記事の内容を見ると、DXにより「ごみの見える化」を実現し、作業時間の削減や燃料の節約を行うというものです。

この内容自体は、非常に素晴らしい取り組みですが、目標12に対しては、もうひとひねりが必要かなと思いました。

その辺りを説明します。

1.目標12の廃棄物に関わる内容とは

「生産者も消費者も、地球の環境と人々の健康を守れるよう、責任ある行動をとろう」というのがこの目標12のテーマです。

例えば、世界で生産されている食品の約3分の1(13億トン)が捨てられているという事実があります。

食品ばかりではなく、化石燃料(石油や天然ガス)や水資源、森林資源のムダ使いも環境破壊に大きな影響を与えています。

1-1)エコロジカルフットプリントとは?

エコロジカルフットプリントとは、人間の活動において、地球環境に掛けている負荷の大きさを図る指標です。

人類が使用する資源を再生産、及び廃棄物の浄化に必要な面積を表しています。

WWFは、以下の計算式を紹介しているとのこと。

エコロジカルフットプリント = 人口×1人あたりの消費×生産・廃棄効率

この試算では、世界中の人が日本人と同じ生活をすると考えた時に必要になる地球の個数は2.8個だと言われています。

そういう意味で、日本人は、資源を有効に活用するという責任ある行動を取らなければなりません。

1-2)廃棄物に関わるターゲット

今日は、廃棄物をテーマにしたいと思いますので、目標12の中で廃棄物に関わるターゲットを紹介します。

(ターゲット12-4)

「2020年までに、国際的な取り決めにしたがって、化学物質やあらゆる廃棄物を環境に害を与えないように管理できるようにする。人の健康や自然環境に与える悪い影響をできるかぎり小さくするために、大気、水、土壌へ化学物質やごみが出されることを大きく減らす。」

⇒要は、廃棄物が環境に害を与えないよう管理することと、廃棄物を削減することが謳われています。

(ターゲット12-5)

「2030年までに、ごみが出ることを防いだり、減らしたり、リサイクル・リユースをして、ごみの発生する量を大きく減らす。」

⇒これは、廃棄物の3R推進を謳っています。

【参照、引用website】

◆Unicef website: “SDGs Club” 目標12 つくる責任 つかう責任

◆Ethical Choice website: エコロジカルフットプリントとは?あなたの暮らしは地球何個分?


2.昨日(4/21)の日経新聞 朝刊では、DXでごみの見える化するという記事が

昨日の日経新聞には、廃棄物管理にDXを活用した事例が載っていましたので紹介します。

◆DX TREND日立造船、ごみ見える化 収集・燃焼・監視をAIで最適に 自治体に導入、人員3分の1【日本経済新聞2022.4.21朝刊】

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日立造船はごみ焼却施設の建設で国内シェア2〜3割を占める会社だそうで、その日立造船がDXを活用して、ごみの収集運搬から焼却に至るまで、DXを活用していることの紹介があった。

DXの活用は3つ紹介されていました。

2-1)ごみの収集運搬: AI、GPSを活用

ごみ収集の作業員がウエラブル(小型の携帯用コンピュータ)端末を着用して作業する。

ごみ袋を収集車に投入する腕の動きから、ごみの量を分析する。

収集車のごみがいっぱいになると焼却施設に戻らなければならない。

そのため、ウエラブルから得られるゴミの量の情報とGPSによる位置情報からAIが収集車の効率的な運搬ルートを導き出す。

⇒収集車の走行距離2割、作業時間1割減

これはSDGsの目標では、「7エネルギーをみんなに そしてクリーンに」の「7.3 エネルギー効率」「9.産業と技術革新の基盤をつくろう」の「9.4 資源利用効率向上、環境技術」に当たります。

2-2)焼却操作の自動化:AI

焼却前のごみの画像をAIで分析し「燃えやすいごみ」と「燃えにくいごみ」の場所を把握する。

焼却炉にごみを運ぶクレーンの動きからごみの混ざり具合を認識する。

クレーンで均一になるように混ぜ、安定燃焼させる。

⇒燃料の節約、人員の削減

これも「ごみの収集運搬」の事例と同様、「7.3 エネルギー効率」「9.4 資源利用効率向上、環境技術」に当たります。

2-3)ロボットによる監視:AI、ロボット

四足歩行ロボットが油圧や配管を監視する。

自動で計器をカメラで読み取り日報に記録をとる。

将来的には監視により、機器の不調の兆候をとらえる。

⇒人が入れない場所の監視、人員削減、安定稼働

この技術は「9.4 環境技術」に加え、「9.5 イノベーション」に当たります。

2-4)地方公共団体との協働

一般ごみの処理は、地方公共団体が担っており、この日立造船の技術を導入することで、ごみ処理にかかる財政負担が大幅に改善されることを期待したいと思います。

地方公共団体との協働を推進することにより、「17. パートナーシップで目標を達成しよう」に対応できます。

3.目標12を推進するには

日経新聞で紹介された日立造船のDXを活用した「ごみ見える化」技術を簡単に説明しました。

これらの技術は、SDGsの目標「7エネルギーをみんなに そしてクリーンに」、「9.産業と技術革新の基盤をつくろう」、「17. パートナーシップで目標を達成しよう」に対応しています。

しかしながら、残念ながら、まだまだ「12. つくる責任 つかう責任」には対応できていません

目標12に対応するには、

・廃棄物が環境に害を与えないよう管理すること
・廃棄物の3Rを推進し、廃棄物の量を大幅に減らすこと

を実現しなければなりません。

今日の日立造船の技術の延長線上でアイデアを考えたいと思います。

3-1)廃棄物が環境に害を与えない

今回の技術では、廃棄物を燃焼させて処理することが大前提でしたが、燃焼させることで、地球温暖化の原因となるCO2が排出されることになります。

そのため、できる限り、リサイクルに回すことはできないか考えました。

プラスチック廃棄物は、今はPETボトルとその他くらいにしか分別されていません。

それを、廃棄物処理場でAI技術を活用して「PET」に加え「ポリエチレン主体」「ポリプロピレン主体」「ポリスチレン主体」のプラスチックに分別して、リサイクル処理できないだろうかというアイデアです。

アルミ缶とブリキ缶は、現在、磁石等により分別ができており、近い将来、分別とリサイクルが可能な技術が現れるのではないでしょうか。

できれば、生ごみを焼却しないで、コンポストに入れ、肥料化できるといいと思います。

とにかく、DXを活用した燃やさない方法が出て来ることを期待したいです。

3-2)廃棄物の3Rを推進する

廃棄物の3Rを行おうと考えてみましたが、廃棄物業者や地方公共団体側だけの対応では、かなり難しいですね。

やはり、廃棄物を出す側がある程度の分別管理をしないと、混ざったものを処理場で仕分けするというのは非常にナンセンスです。

ごみの分別を廃棄する前に確実に行うためICタグとGPSによる管理やブロックチェーンを活用した廃棄物管理というのもアイデアとしては、ありそうです。

今日の時点では、いいアイデアが思いつかなかったので、いろいろ考えて、別の投稿で紹介したいと思います。


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