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ネット炎上の正体は、数万人の中の一人による数十回に及ぶ書き込みって知ってた?

こんにちは、ミッキーです。

インターネットにおける炎上は我々にとってもはや日常だと思います。

日々起こるネット炎上

つい最近も、品川駅の広告がネットで炎上しました。

「今日の仕事は、楽しみですか」品川駅広告炎上、3つの地獄を解き明かす
https://news.yahoo.co.jp/articles/ae4594958d54412bccfbb6f0329d390e5125de6a

広告を掲載したのは、人材育成やNewsPicks法人事業などを展開するアルファドライブで、写真のインパクトがあまりにも大きかったのか、「ディストピアだ」「仕事は楽しみじゃなきゃいけないのか」「つらくてもなんとか仕事を頑張っている人を傷つける言葉だ」との反発が起こり、批判を受けて掲載翌日に広告を終了し、公式サイトに謝罪文を掲載するという事態になりました。

本件への言及はここでは控えますが、この反発・炎上には一体どれくらいの人が参加していたのでしょうか?

私自身広報という仕事柄、プチ炎上を経験したことはあります。その際、会社の人々は大騒ぎし、発信や掲載を取り下げるように言うのですが、日々情報発信している身としては、10,000のポジティブコメントのうちのたった5つのネガティブコメントだったりすることを体感で知っています。もちろん、会社として非がある場合は僅かなコメントでも再考するわけですが、往々にして勘違いやこじ付けの場合が多いです。

ネット炎上の意外な正体

炎上は本当にたくさんの人から寄せされているのか?この辺りを裏付ける根拠データはないかなと思い探したところ、プラットフォームサービスに関する研究会「わが国における誹謗中傷・フェイクニュースの実態と社会的対処」という、国際大学グローバル・コミュニケーション・センター 山口真一准教授の資料にたどり着きました。

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炎上参加者は多くない
➢ 過去1年以内に炎上に参加している人は、約0.5%しかいなかった。
➢ 1件当たりで推計すると0.0015%(7万人に1人)。
有識者には知られていた
ひろゆき氏:2ちゃんねるの炎上の主犯は5人以下。
• 川上量生氏:ニコニコ動画で数人のコメントを消すと、荒れていた画面がとても平和になる。
• 上杉隆氏:ブログが炎上して700以上のコメがついたが、IPを見たら書いていたのはたった4人。

上記に調査結果から、炎上に参加する人は1件あたり、7万人に一人と非常に少ないです。また、ネットのレジェンドの方々の見識からも、炎上を起こしているのは片手以下のケースが多いことが分かります。

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ごく少数のさらにごく一部が世論を作る
➢ 書き込む人も、ほとんどの人は炎上1件に1~3回しか書き込まないが、中には50回以上書き込む人もいる。
➢ サイエンスライターの片瀬さんが誹謗中傷された事例では、数百のアカントを使って攻撃していた男性が訴えられた。

炎上参加者は僅かと分かりましたが、このケースでは、一人が数十回のコメントをしたり、数百のアカウントからコメントしていたそうです。

おわりに

全ての炎上がそうとは限りませんが、多くの場合、炎上とは少数の人間の数十から数百回の投稿・コメントで起こされていることがわかりました。

この認識を持っているだけで、まずはひと呼吸を置いて冷静になり、無駄な炎上にまじめに付き合って、不要に費用や稼働をかけた施策を闇雲に取り下げることもなくなると思います。

こうした根拠データをもって一定の成熟を見せはじめたインターネットとうまく付き合っていきましょう。

それでは

【参照】
プラットフォームサービスに関する研究会
「わが国における誹謗中傷・フェイクニュースの実態と社会的対処」
2021.4国際大学グローバル・コミュニケーション・センター
准教授 山口真一
https://www.soumu.go.jp/main_content/000745067.pdf

山口真一准教授プロフィール
https://www.glocom.ac.jp/researcher/301

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