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「僕にとってのトルコ」


この前、トルコで大きな地震があった。
これによって命を落とした人達のご冥福をお祈りするとともに、今いる方々が1日も早く普段の生活に戻れることを心からお祈り申し上げます。

「今まで行った中で一番好きな国はどこ?」

もしこう聞かれたら、真っ先に思いつく国は
トルコである。
もちろん一番長くいたニュージーランドも、
ワインの聖地であるフランスもあるが、
僕はトルコを挙げる。

それは国全体として、優しく受け入れて、
大きな愛を感じたからだ。
それぞれの国に助けてくれた人達はいるし、大切な人達もいる。
しかし、全くの赤の他人、しかも言葉もわからない我々に無償の親切をしてくれることは
日本においてもあまりないだろう。



僕が小さい頃、両親はお店をしており、
飲食店ということもあり、ずっと忙しくしており、家族で過ごす時間はほとんどなかった。
なので僕は祖父母に育てられたと言っても
過言ではない。
その代わり、夏は一ヶ月ほどお店を休んで、家族で旅行に出かけた。
その旅行は、みんながイメージするようなものではなく、その日の宿もその日に決め、
アジアメインの格安旅。
基本は屋台でご飯を食べ、バックパッカーズなどに泊まる。(一応個室)。
ゾウに乗って山を抜け、部族の村に泊まったりもした。

そして、おそらく僕が小学四年生ごろに、
トルコへ家族旅行出かけた。
トルコはアジアとヨーロッパの文化の境目に位置しており、それぞれの影響を受けている。
そしてイスラム教のモスクが数多くあり、
代表的なアヤソフィアやブルーモスクは有名である。

トルコの良いところ、まず食べ物がとても美味しい。
子どもの頃の僕は辛いものが苦手で、タイでは食べれるものはほとんどなかった。
食べるのは、ほぼほぼフライドライス。笑

でもトルコでは子どもでも食べれるものが多かった。
中でも美味しかったのは、キョフテという
羊肉のハンバーグのようなもの。
これは絶品だった。

新日として有名なトルコだが、その発端は
エルトゥールル号遭難事件まで遡る。

*エルトゥールル号遭難事件は、1890年に和歌山県串本町の沖合で沈没したトルコ船の乗組員を、現地の日本人が献身的に救助した出来事です。トルコが親日国家となったきっかけといわれています。

これは今でもトルコの教科書に載っており、
全ての国民がこの事を知っている。
それもあってか、みんなとても良くしてくれた。

トルコ旅行中、バスでギョレ村という村に行こうとした際に間違えて反対側のバスに乗ってしまった。
その時隣に座っていたおばさんが、会話の中でその間違いに気づき、すぐに運転手に伝えると、運転者はバスを停め、降りたかと思えば、反対側を走るバスを停めて、
事情を話し我々の荷物をそのバスに乗せて、
僕たち家族を反対のバスに乗せてくれた。
そして楽しんでねって笑顔で送ってくれた。

ある時は、おじさんが駅までの道を迷った時に、駅まで送ってくれるだけでなく、
切符を買うところまでついてきてくれ、
改札を通るのも心配そうに見てくれた。

どの人もチップを要求することもなく、
本当に自然体でそこまでの親切をしてくれた。

そしてまたある時は、ウルルン滞在記のような日々を過ごした。
レンタカーで移動中に父が、「こっち行くと面白そう」と、ハンドルを切り、細い道を走り出した。
その先にあった小さな村に辿り着き、
車を停めると子どもたちが集まってきた。
ちょうど、持ってきていた折り鶴を折り、
彼らに渡すと、とても喜んでくれて、
その声を聞いて若者たち、そして大人から老人まで、村の人達がぞろぞろと集まってきた。

言葉が分からないが、なにやら歓迎してくれているようで、
「明日遺跡を見せてやるからまたここに来なさい。」的な事を言われ、行ってみると、
小さいながらも古い遺跡を見せてくれたり、
お家でご飯を頂いたり、農業用の溜池(彼らはプールと言っていた)で泳いだり、
村のフェスティバルに行ったりと、
とてつもないもてなしを受けた。

でも、元を正すと我々は全く知り合いでもないし、言葉も分からない、外国人の家族。
それなのにここまで親切にしてくれたのだ。

今の日本はどうだろうか?
知り合いでない限り、なかなか他の人に声をかけない。
道に迷ったりした場合に聞くことはあっても、この人困ってそうだなで話しかけることはない。
というより、防犯の観点から話しかけると不審者扱いされる場合もあるという悲しい現実も。

そんな理由からトルコが一気に大好きになった。
それは今も変わらない。
いつかまた、トルコに行きたい。
そして、あの村を訪れたい。
もうあの時子供達だったみんなも、もう大人になり、町に出ているのかな。

1日も早い復興を、人々に笑顔が戻りますように。

日本より愛を込めて。

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