アフォーダンスについて学び始めました(前編〕

アフォーダンスでパッと思いつくのはついつい押したくなるボタン、ドアを見ると自然に引いてみるなど見て捉えたものに対して自然と取る行動のようなものを考えていました。リハビリテーションの分野でもアフォーダンスは重要なものとして考えられています。

そんなアフォーダンスについて学んでみようと思い、
アフォーダンス入門 知性はどこに生まれるのか/佐々木正人 
を読んでみました。

読んでみて、アフォーダンスを正確に理解するのはやはり難しい、というのが正直な感想です。
でも、その中で自分でした解釈と理解した部分についてまとめてみようと思います。

まだまだ出口の分からない迷宮の中にいるような状態ですが、
ちょっとアフォーダンスに興味あるかも…
という私のような人たちに役立つ内容になったら嬉しいです。

アフォーダンスとは?

アフォーダンスはafford=与える、供給するといった意味の言葉に由来して日本語で「生態心理学」と訳されています。
では誰が何を与えるかというと、
環境が情報を生き物に与えています。

正直、私は
「そりゃ当然人間は目とか耳とか皮膚から環境の情報を得ていますとも。」
と頭に❓が浮かびました。

読み進めた結果、この情報は
行動の決定に影響する情報
であることが分かりました。

例えば、平らな床は平らである情報、曲面の床は丸くなっている情報(アフォーダンス)をそれぞれ与えていて人はそれを目で見て捉えています。
ラケットを持てばラケットの重さや重心のかかり方から長さや面の情報が与えられます。

ギブソンのアフォーダンス


 アフォーダンスはギブソンという人が名前をつけたそうです。その大元はダーウィンの研究からスタートします。
ダーウィンはサンゴ礁の研究で生体と環境の相互作用を見つけました。その後、ミミズが土を耕して地表のものを土の中に引き摺り込むことを発見
しました。ミミズは自分の入る穴を乾燥から守るために葉を引き摺り込んで塞ぐのですが、その時に自然に効率の良い場所を使うことが分かりました。ミミズには脳がありませんが、葉の素材や形状を変えても同じようにすることから反射でも試行錯誤でもなく、物を効率的に使う方法を判断することができます。このことから脳で判断せずに、何かしら情報をキャッチして行動に影響を与えるものがあることを示していると考えました。このようなことにアフォーダンスと名前を付けたのがギブソンです。

アフォーダンスってどんな情報なの?

例えば、堅い床であれば支持するのに使う、水であれば流動性を活かして飲む、流すなど多様な使い方をします。このように行為は何もないところではなく、アフォーダンスの充満する環境で行われています。アフォーダンスは行為の選択に関わる生態学的情報です。
そして刺激を中枢で情報処理して意味づけるのではなく、世界にある意味をそのまま利用するダイレクトパーセプション(直接知覚)と情報ピックアップ理論を提唱します。
他にも光の反射から地面の形状、物との距離を知る、数キロ先の物を見てどのくらい遠いかがわかるなども環境から与えられている情報です。
大気の振動で聞き分けることもできますり缶の不適格品を見分ける職人は叩いた音の違いで見分けることができます。この時には実は叩き方が職人技で職人さんが情報としての音を作り出しています。香りで安全、危険を判断できるのも環境からの情報です。

アフォーダンスについて書いてきましたが、まだ人との関係はちょっと分かりにくいと思います。
そこはまた長くなるので、続きは後編で。

アフォーダンスは奥が深く、まだまだ十分に理解していない入り口の段階ですが、お付き合いいただければ嬉しいです。

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