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看板戦争 - 恐竜とカタツムリの戦い

最近少し重いテーマのエントリが続いたので、今日は息抜きに笑えるテーマでお届けしようと思う。

少し前にXでOracleとInformixの「看板戦争(Billboard War)」の話をツイートしたのだが、その実物の看板の画像を発掘したのでお見せしようと思う。

注意:恐竜が通ります

この看板は、1996年にInformixというデータベースの会社が101というシリコンバレーを南北に縦断する高速道路(筆者も通勤に使っていた)に出したものだ。写真だと少しわかりにくいが、看板の背景に描かれているのはOracle本社ビルである。看板の意図は明らかである。

「お前らのデータベースは恐竜みたいに時代遅れだぜ!」

これを見たOracleの側が激怒したことは言うまでもない。今のOracleなら訴訟に打って出るところだが、当時のOracleは今よりずっと気位が高く、そしてユーモアがあった。しばらくして、今度はInformix社の前に看板が立った。そこにはカタツムリの絵が描かれていた。

「お前らのデータベースマジで🐌なみに遅いよな!ブフォオ」

というわけだ。これがシリコンバレー名物「看板戦争」の最も有名なエピソードである。見ている分には本当に面白い連中である。なお勝負の結果は、ほどなくInformixは社長が金融疑獄で逮捕されたあげくIBMに買収されて、Oracleの勝利に終わった。

この看板戦争はほどなくして下火になる。インターネットの普及に伴いオンライン広告が主流になっていったためである。しかし、最近でもたまに見かけることがあるようで、気づくとこんな看板が立っていたりする。

まだDropboxやBoxで消耗しているの?

ここではBoxが攻撃対象になっているが、Boxも昔はマイクロソフト社のシェアポイントを対象に挑発的な広告を行っていた。シリコンバレーの伝統は正しく引き継がれているのである。

春らしくほっこりするエピソードをお届けしました。現場からは以上です。

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