(読書)図書館のお夜食
原田ひ香さんの作品は、サンドの女以降も数冊読んだのですが、noteに綴ることはしませんでした。
財布は踊る、三人屋、彼女の家計簿、どれも良作でした。
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舞台は図書館、それも夜だけ開館する会員制の図書館です。
そこで働くひとたちそれぞれが語り部となり一章ごとにものがたりは進みます。
また図書館を利用するお客様も、ものがたりにいろどりを与えてくれます。
なぜ夜だけ開館するのか、
なぜ有料なのか、
働くひとはどんなひとたちなのか、
どんなひとが集うのか。
ぜひお手にとって確かめていただきたくおもいます。
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図書館、、わたしは高校生になるまで馴染みのない場所でした。
というのも、生まれ育った町に図書館がなかったからです。
地域の会館に図書室、という名称の場所はありましたが本は古く、暗く、かび臭く。
子どもはあまり寄りつきませんでした。
しかし高校生になる年の春に大きな図書館ができ、それはそれはよくいりびたっておりました。
だから図書館との出会いがわたしの読書のはじまりにもなりました。
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図書館に限らず本のある場所がとてもすきです。
古本屋さんや本屋さん、コンビニ、スーパーのスタンド。
ついつい目で追ってしまいます。
新聞の新刊広告や書評もとてもすきです。
本というより、活字と紙がすきなのかもしれません。
本に携わるすべてのしごとをリスペクトします。
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さてタイトルにもある「お夜食」ですが作品の中にていねいに何の、どこの、お料理なのかが書かれています。
なので、読むとそれが食べたくなり、
読みたくなります。
あの物語のなかにこんなおいしそうなもの、あったかな?とおもうこともあり、再読するたのしみや初読のたのしみがあります。
そしてわたしも夜の図書館に行ってみたい。
カフェでおいしい珈琲を淹れてもらいたいなあ、とほんとにおもってしまうんです。
おしまい