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粗茶です

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お茶の真骨頂(?)、深夜のnoteです。いちばん自分らしいテンションの文。ぜひ深夜に読んでください。
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記事一覧

君と、透明な夏をとじこめる

暑いから、冷たいものが欲しくなる。寂しいから、賑やかな人と居たくなる。騒がしくしたいけれ…

お茶
3年前
85

君も星だよ

「自殺予防週間なんだって」 唐突にそれだけ言った人は、ずれたマスクを左指で戻しながら窓の…

お茶
3年前
55

いきる

手入れが行き届きすぎて寂しい。 僕の部屋に足を踏み入れるなり、彼女はそう言った。 手入れな…

お茶
4年前
58

渇く、水無月

滅多に鳴らないインターホンの音で目が覚めた。宅急便が届いたらしい。14時38分。布団から這い…

お茶
2年前
30

うるさくてひそやか、808号室

 自販機のカップラーメン、200円。清潔で柔らかくて勢いよく身を投げ出すのが畏れ多くなって…

お茶
2年前
31

愛し抜く覚悟だけ出来ている

 眠りについてからほんの二時間、午前八時、世界の終わりみたいな音がして目覚めた。どうやら…

お茶
3年前
44

ピュア

 同じ柔軟剤の香りがするという「偶然」も、使う絵文字が似てくるという「微妙な変化」も、見逃したことはない。制服の下につけているネックレス、こっそりお揃いにしているスマホケース、同じタイミングで使われる有給、見つけたくないものほどわかりやすい。  大事な時に助けてくれない人と一緒にいる意味が分からない。褒めてくれる、ちやほやしてくれる、可愛いよって言ってくれる、そういうので認められた気になってそれが恋だと思い込んで、でもやっぱり違うなって心が萎む。いつだって誰とだって、私は背

ぜんぶがしょうもない、夜

あや、お願いがあるの。あたし熱出ちゃってさあ、今夜私の代わりにお店に出てほしいの。大丈夫…

お茶
4年前
84

無くしてもいない自分を取り戻す春

「あなたと働くのは楽しい」と言ってくれた人へ。もしも私が働くのをやめたら、あなたにとって…

お茶
3年前
105

スーパーハイパーエモーショナルエブリデイ -何度目の春号-

手癖のおめでとう、これは愛なの慣れなの幸せなの 猫と酒で生きてる意味なんていらないと思え…

お茶
3年前
38

君について覚えていること

君の爪はいつも綺麗に切り揃えられていた。きっと丁寧に磨いていたのだろう、君の爪は私のそれ…

お茶
3年前
285

せめて髪くらいは

短い夜と、長過ぎる夜がある。今日は夜が長いな、金曜なのにやけに静かで生温い夜。こたつも暖…

お茶
3年前
63

半拍違う世界で生きられても

 イージーリスニングのピアノ曲集を買った。目当ての曲を一度譜読みした後に、他に良さそうな…

お茶
3年前
35

スーパーハイパーエモーショナルエブリデイ-鼻炎でぴえん号-

優しい人の言葉は薬みたいに苦くて ダメな私は早送りしちゃうの ちょっとジャンキーで意外とハッピー 誰にも大事にされない冷めたピザ ここだけの話 友達なんて世界中どこにもいないかもしれなくて 才能に出くわして動けなくて せめて かっこつけてコーヒーをブラックで飲む 粉ミルクの名前みたいな希望だけで生きていきたい 自分とは何度でもやり直せる 飼い慣らしたかったものに飼い慣らされて 今日も私以外の選択肢がなくって コンビニの100円コーヒーを語る人が後ろにレジ待ちの行列