見出し画像

ドトールに負けない!?サイゴンのおすすめカフェチェーン店6選。

ベトナムといえば?と日本の人が聞かれた時、フォーの次あたりに出てくるのがベトナムコーヒーだと思います。皆さんが想像するベトナムのコーヒーは、練乳が入った小さなグラスの上にちょこんと乗ったドリッパーからぽとぽとと落ちてくるタイプのものではないでしょうか?私もベトナムに来る前はそのイメージでした。
確かにベトナムのおじさんたちが集うコーヒー屋さんでは、今でもオールドファッションなドリッパースタイルが主流です。
しかし、その一方でベトナムのコーヒーは想像以上に進化しており、飲み方も多種多様になっています。最近でこそ日本でもエスプレッソトニックやニトロコーヒーも出てきましたが、ベトナムに来てその種類の多さや飲み方の自由さに驚きました。

たかだかチェーン店と侮るなかれ、それぞれ特色がありますので、旅行に行かれたらぜひ立ち寄ってお気に入りのブランドを探してみてください。


HIGHLANDS COFFEE

HIGHLANDS COFFEE店舗外観

サイゴンの街やショッピングモール、どこにでもあって、老若男女に愛されているのが、1999年創業のハイランズコーヒーです。どこの店舗も賑わっていますが、まず魅力的なのは価格帯。どこのロケーションであっても最安のブラックコーヒーが25,000ドンとローカルの路上コーヒースタンドのお値段からちょっと上乗せした金額で、ひんやりとした冷房、フリーwifiが使えるのですから庶民に人気になるのもうなずけます。高級なブランドが入居していて一見がらんとしているショッピングモールの中で、ハイランズだけが激混みになっているというのもよくあることです。細長いバインミーもあり、ちょっとしたお食事もできることから、ランチからお茶の時間は空き席が見つからないほどの人気です。
これはオフィシャルなのかどうかはわかりませんが、近隣の店舗からフードを持ち込んで、こちらのドリンクと飲食したり、中には昼寝をしたり、実家か!?というくらいくつろいでいる人も多く、ベトナムの皆さんの自由なカフェのすごしかたを観察するにはうってつけの場所です。

いつも人で賑わっている

親しみやすいだけではなく、観光拠点の近くにはオーセンティックな雰囲気の特別店舗もあります。ちょっと他店舗より価格は上がりますが、優雅な雰囲気の中コーヒーを楽しめます。最近開店したサイゴン観光で観光客が必ずと言っていいほど立ち寄る中央郵便局横の店舗は、グラフィティアーティスト、CRESKの描いた大きな壁画や、線香を作る村の風景をモチーフにした映える内装に加え、併設のロースタリーやローカルブランドとコラボしたコーヒーのキャンドルなどここでしか買えないハイランズグッズなどもあるので、お土産探しにもおすすめです。

郵便局店にあるCRESK作の壁画

Phúc Long Coffee & Tea

Phúc Long Coffee & Tea店舗外観

庶民に人気No.1のコーヒーショップがハイランズだとすると、庶民人気No.1のティーショップがPhúc Long です。お茶文化の息づくベトナムでは、ゴンチャ、Koi、THE ALLEYなど、台湾をはじめとした海外のティーブランドが進出していますが、そちらを軒並み抑えて圧倒的に人気なのが1968年創業のPhúc Longです。

ライチやパイナップル、桃といったフルーツを使ったお茶やミルクティー、フルーツヨーグルトドリンクなどを取り揃えており、徹底的にベトナムの人の味の好みに寄り添ったメニュー構成が人気を呼んでおり、若い女性を中心に人気を博しています。
スーパーで買えるティーバッグもあり、季節限定のライチティーは人気商品です。
こちらも主だったショッピングモールの中には必ずと言って良いほど入っており、最安のブラックコーヒーが3万ドン程度と、庶民のお財布に優しいブランドになっています。

ティードリンク

2区のタオデイエンエリアには豪邸を改装したプレミアムな店舗があります。
大規模店舗ゆえ、各席に位置を知らせるロケーターが設置してあり、その上に注文内容をインプットしたページャーを置くことでスムーズにオーダーした商品が届くよう工夫されています。
混んでいる時は少し時間がかかるのがネックですが、お手頃価格で優雅なティータイムを過ごしたい方におすすめです。

豪華な内装のプレミアム店舗
各席に設置されたロケーター

Cộng cà phê

2007年創業のこちらはかなりコンセプチュアルなカフェで、テーマが70から80年代、南北統一前のドイモイ政策下共産主義の北部ベトナムというレトロモチーフのカフェです。
chăn con côngと呼ばれる花柄模様の布が使われたクッションや椅子、ブリキのインテリアなどのビンテージ感ある内装は、レトロなエモさが逆におしゃれと人気です。

Cộng cà phêのレトロな内装

2018年には韓国に、2019年にはマレーシアに進出するなど、グローバル展開しています。
メニューは一番人気のココナッツコーヒーやヨーグルトコーヒーなど、デザートコーヒーや軽食が充実しています。コンセプトであるレトロな雰囲気を活かしたベトナムらしい店舗オリジナルの茶器やトートなどのグッズも充実しており、お土産スポットとしてもおすすめです。

ヨーグルトコーヒー(左)ココナツコーヒー(右)

CHEESE COFFEE

2016年にスタートしたチェーン店で、ベトナムの若年層に特に人気のお店です。
以前は木と金属を組み合わせた家具を基調としたインダストリアルな雰囲気で、自らの顧客をHOMIEと呼びかけるなど、フレンドリーなコンセプトでしたが、オペラハウス近くにあるCông Trường Lam Sơn店を展開したあたりから、ホーチミンに数多く存在するフランス統治下の影響下で建てられたコロニアル建築風の建物も多い風景に溶け込むようなラグジュアリーなコンセプトに方向転換しました。

以前の外観
黒を基調としたDing Tien Hoang店

日本人街と呼ばれるLe Thanh Tonにできた店舗は、ロゴ入り提灯や瓦葺きの屋根などTHE日本!な店舗設計が話題となり、フォトスポットとして人気になりました。

日本街Le Thanh Tonの店舗

ドリンクはコーヒーやお茶をベースにしたデザートドリンクが中心、デザートはちょっとした仕掛けがあるティラミスなどがあり、映えたい人にはうってつけです。
ちなみに店名からチーズコーヒーがあると思って訪ねる人が、メニューにチーズコーヒーがなくてびっくりしたということがあったのですが、店舗名のチーズは情熱的な若者のエネルギーを表すコンセプトとのこと。コーヒーメニューはありませんが、Jasmine Fomai(チーズ入りジャスミンティー)やDaisy Fomai(チーズ入り菊茶)と言ったチーズ入りティーメニューはあります。

デザートもおしゃれ

余談ですが、存在しないと思われていたチーズコーヒーはBe MindというカフェにCà phê phô maiという名前で存在しました。なかなかおいしかったです。

KATINAT

2016年に創業のKATINATは特にコロナ禍の時期にぐんと店舗数を伸ばしたチェーン店です。観光のメイン通りであるĐồng khởi通りや、ベンタイン市場付近など、それまで主に海外からの観光客をターゲットにした外資系チェーンや老舗店舗が次々と撤退していった一等地のロケーションに次々と進出しました。店舗イメージをオーセンティックに一新し、あっという間にサイゴンのカフェの代表格となり、2021年には11だった店舗数は今や50店舗、2024年に満を持して首都ハノイに進出すると1時間待ちの行列ができるほどの人気店となりました。

Dong Khoi店

こちらの店舗はフルーツをふんだんに使ったティードリンクが人気です。
また、シーズナルデザインで提供されるリユーサブルなレインボーカップは大人気で、ドリンクをオーダーするだけでノベルティがもらえるとSNSを中心に若者に人気です。
時期によってこまめにカップデザインが変わりますので、イベント時期にベトナムに来られることがありましたら、ぜひKATINATのレインボーカップをゲットしてください。

人気のレインボーカップはシーズンごとにデザインが変わる

La Viet

2013年創業のLa Vietは、コーヒーの産地として知られる、中部の高地ダラットから進出してきたコーヒーショップです。ベトナムで生産されるコーヒー豆は9割がロブスタと呼ばれている品種です。いわゆる「ベトナムコーヒー」はロブスタコーヒーを指すのですが、10年前に世界で主流であり、日本人にも馴染み深いアラビカ種に特化したコーヒー作りに舵を切ったさきがけの店舗がこちらのLa Vietです。

店内の様子

ここ最近ではベトナムのカフェでアラビカコーヒーがメニューにラインナップにあるのもめずらしくありませんが、創業時はベトナムのコーヒーファンにアラビカの味は「薄い」「味気ない」と不評だったそう。そこから少しずつファンを増やしていってアラビカを広めていったLa Vietはいわばベトナムのアラビカコーヒーシーンの立役者といえます。

カクテルのようなスノースタイルのカフェマルガリータ

農園直営の店舗だけあり、管理がしっかりしているところ、コーヒーの味が日本人好みなところもおすすめポイントです。またコーヒー豆のパッケージデザインがおしゃれで、グッズ展開が充実しているところも好きなポイント。サイゴンに5店舗あり、1店舗はタカシマヤの中にあり立ち寄りやすく、おすすめです。

オリジナルタンブラー

魅力的なカフェは他にもたくさん!

これ以外にムードやドリンクにセンスが光るEVERYHALF COFFEE、ロケーション選定や建築のセンスが抜群のS'mores Saigon、シックでリッチな雰囲気が楽しめるRANG RANG COFFEE、店舗数で言えば圧倒的No.1(1900店舗以上)ローカルおじさんに圧倒的支持を受ける一見チェーンとは分からない地元溶け込み系カフェMILANOCOFFEE、プレミアムなロブスタを味わえるLACAPHなど、枚挙にいとまがないほどチェーン店だけを見ても様々なチョイスがあるベトナムのカフェをぜひ楽しんでみてください。 

オオシマチズ
ベトナム・ホーチミン在住。おいしいものとおもしろいものを探して、キョロキョロしながら街をあちこち探索する日々を過ごしています。

Instagram:https://www.instagram.com/milkmilkmilkcoffee

この記事が参加している募集

私のコーヒー時間

midizineは限られたリソースの中で、記事の制作を続けています。よろしければサポートいただけると幸いです。