塔三月号作品2永田淳さんの選歌欄から五首選

塔三月号作品2永田淳さんの選歌欄から五首選んでみました。

どこにでもあるベッドタウンとしていつか滅びる場所に住むひとぼくは   宮本背水さん

薔薇がしゃべる薔薇には舌が何枚もあるからいつまでも飽きないで   田村穂隆さん

ただ一日海の深みの静けさにくるみて君を熟睡させたし   沢本ひろみさん

透きとほるアガパンサスのむらさきにしみてゐるらむ画家の吐息は   染川ゆりさん

フォーゲットミーノットというまじないを花へとこめたひとのただしさ   君村類さん

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