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君のプレイリスト 寒い日にはココアを飲みながら

冬は嫌いだ。
そもそも、寒いのが苦手。
暑さより、寒さの方が耐え難い。
寒いと何も起こる気にならない。

しかし、東北の冬の寒さは、文明の発達が著しいにも関わらず、一般市民の生活に重くのしかかる。
雪かきをしなければ歩く道すら作れないし、電車は雪や吹雪の影響ですぐ運休になるし、氷点下を下回るのが当たり前だ。

冬が嫌い。
でも、東北民としてこの寒さに共存しなくてはならない。少なくとも、あと半年は。
(岩手の冬は長い。4月でも平気で雪が降る!)

長い冬が始まった。
冬眠したくても、働かねばならないので、冬眠する代わりに、冬のプレイリストを流す。
朝の澄んだ空気に、冬の曲は合う。
長い夜に、鍋で温めて作るココアは、夏に食べるガリガリくんより美味しい。
ココアを飲みながら、あと半月ほどで終わる2022年を振り返りながら、プレイリストをせっせと作成する。

Mr.Children 君が好き

冬の季語が入っていない曲を、冒頭に持ってきていいか問題はさておき。
なぜか、この時期に聴きたくなる。
《自販機で二つ 缶コーヒーを買って》という歌詞が、そんな気持ちにさせるのか。
街頭が静かに灯る、くたびれた公園とくたびれたベンチに座る、2人の男女。
缶コーヒーで暖をとり、吐く息は白く、《君》はマフラーをぐるぐるに巻いて、《僕》はニット帽を深く被る。
そんな情景が目に浮かぶ。
私は、恋愛の曲は、比喩がたくさん組み込まれているほど名曲だと思っていた。
しかし、あまりにもストレートなタイトル、歌詞。
それでも惹かれるのは、《僕》が《君》への想いがが、日常の中でぼんやり考え、最終的に《僕が生きる うえでこれ以上の意味は なくたっていい》というところに行き着く、恋愛においてリアルで誰しもが経験のある感情の流れが一曲に詰め込まれているからである。
片思いや別れ、様々な恋愛においても、なんで、この人のこと好きなんだとか、どうして好きになってしまったんだとか、悩んでもどうしようもない壁にぶち当たる。
そこで、《僕が生きる うえでこれ以上の意味は なくたっていい》という結論に行き着く。
どんな恋をしても、その答えは一緒なのに、いい歳こいても、不毛なことを考える。


Base Ball Bear 白雪の彼女

え?ベボベが冬ソング?と思ったそこのあなた。
そうなんです、ベボベの季節は夏だけじゃない。
インディーズ時代の隠れた名曲。
こいちゃんらしい、文学的な歌詞はもちろん、サビ出だしの
《思い出してしまってる》
この歌詞が好き。
思い出を思い返すときって、『思い出した!』という自発的な感覚より『思い出してしまってる』という反射的な感覚が多い。
いいことも、やなことも、『思い出してしまう』。《君》との思い出は、特にそう。
そして、《スキー場のような匂い》や《年末の騒がしい商店街》《吐息も色付き始める季節》によって『思い出してしまってる』のだ、《君》のことを。
『忘れたくない』ではなく『思い出してしまう』と表現するこいちゃんは、当時から天才なんですよね。
冬の始まりは、君を思い出しちゃうなー、という素直で飾らない気持ちが、こいちゃんの若々しい歌声と相まって、清々しく突き抜ける。


Rin音 snow jam

数年前に、TikTokとかで流行った曲でしょ?
それだけで済ますには惜しい。だから、ここで紹介したい。
《なんとなく 好きな気持ち溢れた 君のこと好きだと知った日から》
誰かを好きになるとき、気づいたら相手を好きになってた、というケースが多いけれど、なかなか認めたくない、謎の反抗心ありませんか?私はあります。
これが好きってことかなーと、何回恋をしても思い悩む。
それを、素直に受け入れられる日が来る。
そんな日に、冬の澄んだ空気を肺いっぱいに吸いながら、聴きたい曲である。
ちなみに『snow jam』とは『雪だるま』の意味がある。
雪だるまの中にあった相手への想いが、想いを伝えるとき、ゆっくり溶けていく。

aiko ココア

某お笑い雑誌で、昔、しずるの池田さんが思い出の曲として紹介していたような。記憶違いだったらすまん。
《こんなとき 言葉が邪魔だったりする》
好きが溢れると、手を繋いだり、抱きしめたりするように、言葉より身体が動いてしまう。
そんな感情をこの言い回しをするaiko、さすがです。
ココア。これは冬の季語なのだろうか。
アイスココアだって、立派なココアだよな。
例として、ドトールのアイスココアはおいしいし。
しかし、冬になると、濃厚な甘さが恋しくなり、氷などいらない、喉もお腹も満たされる、あの温もりがぴったりなのだろう。

こっちむいてみい子という漫画の何かの話で、みい子が同級生の竜平くんにココアを振る舞う話がある。
その際、『こうやるとおいしくなるんだよ』と話しながら、鍋で牛乳を温め、ココアを作っていたシーンが印象深い。
それ以来、たまに私も鍋でココアを作るが、基本レンチンの手抜きレシピである。
彼氏にも、レンチンココアを作ったが、このみい子の話を思い返すと、小学5年生の方が、丁寧にココアを男の子に振る舞ってんじゃん!と悔しくなってしまう。
次こそは、鍋で、丁寧に牛乳を温め、こーいココアを飲ませてあげよう。

サザンオールスターズのシャ・ラ・ラ、
桑田佳祐の白い恋人達、
back numberのヒロイン、クリスマスソング、BAMP OF CHICKENのスノースマイル、
浜田雅功と槇原敬之のチキンライス、、、と
みどり苑冬のプレイリストはまだまだあるが、このへんで切り上げます。
ちなみに、牛乳の高騰により買うのを控えており、インスタントの味噌汁で暖まってます。
高騰はこのへんにしとこうよ2022。

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