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失恋の定義


どこからが失恋でしょうか?
告白して、断られてから?
好きな人に彼女がいたのが発覚してから?
お前なんて興味ない、と面と向かって言われてから?

上記の基準以外にも、曖昧なラインがあって、例えば、LINEの返事がそっけないとか、電話に出てくれないとか。
自分が、ああ、もう無理か、と折れた瞬間、失恋と認定している。
主観的に見て、だめだこりゃ、となれば降参。
そんな調子で、いくつかの恋が消え去った。

失恋は何度しても慣れない。この痛みに慣れる時には、また元号が変わっているだろう。生きているうちに、慣れる日なんて来るのかな。

LINEのラリーが途絶えた日、もう潮時だな、と察し、運転しながら思いっきり泣いた。
映画の主人公のように、綺麗に泣けなかった。いつだって、カッコつかない。
Awesome City Clubの勿忘を聴きながら泣き、無理やり終わらせた。
あれが失恋だと思っていたから、勿忘の歌詞を噛み締め、痛みと戦った。

あれから約一年。無理やり閉じた恋はまた開いた。
LINEの返事が来た。電話ができた。会うことができた。
返信なかったら、そのときは好きなもん食べて好きなだけ寝て忘れよー!と半ば吹っ切れた気持ちで送ったLINEが、今につながっている。何が起こるかわかんないね。勝手に終わらせて、感傷に浸ってたあの時間はなんだったんだ。
そんなことより、よかったな。よくやった。
著者『寝ても覚めても』に背中を押されて、今に至る。
この恋がどのような結末を迎えたとしても、この作品に出会えたことへの感謝は、消えることはない。

失恋の定義が、この世の中で定まっていないのなら、失恋のカテゴリーに急いで入れることはない。
無理に終わらせようとしたところで、恋は再発する恐れがある。恋のしぶとさをなめてはいけない。

LINEなんかで、脈ありとかなしとか決められては困る。
会って話したときの温度を知らずに何をジャッジするというのか。誰にもそんな権利はない。神様にも、ない。

失恋の定義は、自分で決める。
但し、そう簡単に折れないこと。

法で定めてほしいよね。まあ、曖昧すぎて無理か。

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