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君のプレイリスト 夏の陣

夏を目一杯楽しむことが苦手な人間であるが、夏を楽しみたいという気持ちは強い、これでも。
海に行きたいし(泳ぐより黄昏る派)花火もやりたいし(打ち上げ花火より手持ち花火派。そもそも花火大会の人混みが苦手。花火鑑賞ならyoutubeで事足りる)サンダル履いてペディキュア見せたいし(足に汗疱ができ、皮膚科の先生にサンダルを禁止されたがそれでも履きたいお年頃)夏の歌を車でガンガン流しながらドライブしたい。
わかったことがある。楽しみたい、という気持ちが先走り、でも実際に完璧な夏など送ることができず、それが夏への苦手意識につながっているのだ。
ビアガーデンやらビーチやら浴衣でお祭りやらでキラキラした夏を送っているインスタグラマーを横目に、ため息をつくよりも、私なりに、振り返った時、楽しかったと思える夏にしたい。
そのためには、いい音楽が必要になるわけだ。

今回は、『夏の晴れた日のドライブで流すプレイリスト』というテーマでチョイスをした。
ほとんどがメジャーで、たまにツウぶった曲が隠れている。
そして、日中から夜にかけて、時間の経過を表すプレイリストとなっている。
これ、愛しのBase Ball Bear 様がアルバム作成でしていたことを参考にしました。
『新呼吸』というあまりにも素晴らしいアルバムだ。

① YUI summer song

あえてこちらで紹介するまでもない、あまりにも有名ななつうたのひとつである。
《真っ赤なブルー》という歌詞の矛盾、青春の情熱をひしひしと感じる。そしてYUIはバチバチの世代でございます。YUIオレンジレンジ大塚愛。『世代だわー』と話すことで自分が大人になったような感覚を味わえるし、実際いい歳こいてたんだった。


②グソクムズ 夏の知らせ

YouTuberみのがApple Musicで紹介していたバンドの1人。
はっぴいえんどかららインスパイアを受けている、どこか懐かしく、ゆるい雰囲気が、非パリピ勢の夏を楽しみたい人間に合うのだ。
『風の中で』きっかけで好きなったバンドである。
友達や恋人とのドライブで、グソクムズをさらっも流せる人間は、脚が速かったり、顔が整っていたり、社交的であったりするよりもモテるのではないか、という偏った持論。


③aiko  雲は白リンゴは赤

aikoのなつうたといえば花火だろうが、私の中ではこの曲が真っ先に挙げられる。
《夏は何度もやってくる 暑くて 空も高くて》という歌詞が印象的だからだろうか。
aikoは、失恋の曲ほど明るく歌う。例えば、花火。ひまわりになったら。透明ドロップ。アイツを振り向かせる方法。などなど。
aikoって、本当にたくさんの恋愛ソングを世に送り出していて、すごいことだと思う。その分だけ恋をした、というか、それほどの表現の変え方があるってことだよね。

④鈴木瑛美子 フロントメモリー

夏のじめじめさに特化した曲は好き。しかし、この曲の爽快感は、夏に聴いてこそ五臓六腑に染み渡る。
夏の何がいいって、風物詩がたくさんあって、懐かしさも含まれているからなのだ。
例えば、ラジオ体操。小学校のプールでのはしゃぎ声、水しぶきの音。ませた小学生の女の子がよく履く、ラメが閉じ込められたキラキラのサンダル。甲子園実況を流すテレビ。それに群がる親族。
頭にタオルを巻きながらバーベキューの準備をする父。母がよく作ってくれた冷やしトマト。祖父母が育てる夏野菜。姉が夏生まれのため、ホールケーキが食べられる喜び。いちごが乗ったやつ。私は秋生まれで、旬のものではなく、いちごは高いからと必然的にチョコケーキになるのだが。
高校生の夏服。イケてる男子がよくやる、スラックスの裾を捲るあれ。年中出回ってるのに、
特別美味しく感じるガリガリくんソーダ味。屋台のかき氷のいちごアジア。今ではかき氷より、焼き鳥とか唐揚げとかに目を奪われるのだが。
仙台在住の祖母に会いに、高速バスに1人で乗った小学生の頃。祖母はバス停で待ってくれて、運転手にペットボトルのお茶を渡していた。

もっとあるのだ。夏の風物詩って。
そして、どれも懐かしく、忘れたくないもの。
フロントメモリーには、そんな風物詩が、ぎゅっと詰まっている。

(ちなみにデリケアエムズのCMソングも、風物詩。あれを母の前で熱唱して怒られた淡い幼少期。)


⑤Base Ball Bear   short hair

ベボベといえば、夏。夏といえば、ベボベ。
皆さんは、歌声に風を感じたことはありますか?
私はあります。
この曲は、関根さんの風のようさ儚く、しかし爽やかなコーラスが印象的。
そしてすごいのが、この曲、『夏』というワードが一切歌詞に出てこない。汗ばむ季節、とは歌っているが。
《地元の土手》《涼しい風》学校の帰り道の光景を思い出す。この曲に惹かれるのって、懐かしさを感じるからだ。
当時、片思いしていた人のことを思いながら帰った通学路。花を摘んで帰ったり、散歩中の犬に吠えられてびびったり、家が目の前であるにも関わらず、トンボ取りに夢中になったり。
この曲を聴きながら、夏の夕暮れに黄昏る季節が、やってきましたね。まあ、オールシーズン頭の中で流れていますが。

⑥SHISHAMO   熱帯夜

夏の夜といえば、夏夜のマジックと並ぶくらい名曲なのではないでしょうか。この曲のタイトルで、高校の地学のテストで出来た熱帯夜。意味は忘れまい。
《いつだって君に触りたい こんな暑い夜は特に》ちょっとエロいと思ってた歌詞。でも、今なら、意味がわかる歌詞。いやらしい意味じゃないよ。いや、ちょっとはあるかもしれない。
汗でベタベタするのに、触りたい?って思ってた、当時、高校生だった私は。
しかし、自らの汗でほてった熱と、他人の体温は別物であり、人の体温ってものは、安心するものである。
こんな暑い時期は、特に。



夏の歌には、懐かしさがつきもので、その懐かしさが、夏を楽しみたいという意欲につながる。

ドラッグストアで見つけた花火セット。手に取るが、すぐ戻してしまった。

今年は、手持ち花火持って、時間よ止まれと願いながら、煙たい夜を過ごしたい。

そんなときは、こんな曲たちがあれば申し分ない。

いい夏にしよう。夏が好きって、素直に言おう。

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