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あなたの助言は床に落ちてるホコリみたい

花田菜々子さんの『出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと』

壮絶で強烈で刺激的な体験をのぞき見できる本書。

発売当初けっこう話題になり、2020年に文庫本が発売されてお求めやすくなっている。タイトルを見て気になる方や、新しい本や小説、漫画に出会いたいと思っている方には全力でおすすめしたい。

なんせ菜々子さんや登場する人たちの本への知識がかなり凄い。タイトルの通り菜々子さんは、とある目的で出会い系サイトで出会った人、その人に合った本を勧める。というかなり凄い経験の持ち主だ。

読み進めていくと大量の本のタイトルが出てくるのだが、どれもこれも知らないもの・気になるものばかり。実際にわたしもこの本を読みながらスマホ片手に検索し、購入した本や漫画がある。

特に第7章。喫茶へそまがりでの本をすすめるイベントのくだりは、読んでいるこっちが圧倒されるほどの緊迫感と熱量があり、実際にわたしもへそまがりの多くのギャラリーとしておすすめバトルを観覧しているような気になってしまった。

菜々子さんを通して、新しい無数の本を出会たのだが特にわたしの中で印象に残った言葉がある。それがタイトルの言葉、

第5章 あなたの助言は床に落ちてるホコリみたい

だ。

読んでからも余韻の残るパンチの効いたこの言葉をわたしはしばらく噛みしめることになった。

このタイトルがつけられている5章では、実際にサイトを通して出会った人の中で良い出会いばかりじゃなかった。という内容が書かれている。特に、その中でも一番の問題児である藤沢さんとのエピソードも描かれる。

文中では、出会い系サイトに対して偏見で菜々子さんにつっかかてくる人達の言葉に対して、言い放つ。

でも私が見知らぬ人に出会って救われまくってきたこの日々が私にとっては眩しすぎて、そんな的外れな助言はまるで床に落ちているホコリのようにどうでもいいものだった。

引用:花田菜々子/『出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと』第5章150ページより

勇気

他人に流されないように生きたいと思っていたし、学生時代からしっかりと自分を持った自立した女性になりたいともぼんやり思っていた。でも現実は、色々なことに流されて影響されて、いろんな意見や助言に振り回されてそしてまんまと消耗してる。

以前、こんな投稿をしたことがある。

様々な意見に囚われないようにするためにはどうすればいいのか。そんなことを考えて書いた、ブレない軸それを支える筋力を持ち続けたいと。

最近はこのブレない軸やそれを支える筋力の作り方について考えることが多くなった。いったいどうすれば、そんなときに花田菜々子さんのあの言葉を思い出した。

「あなたの助言はまるで的外れ、わたしにとってそんな意見、まるで役に立たないしそんな助言は床に落ちているホコリみたいね。」

こんな風に菜々子さんが思えたのは、出会い系サイトが多くの人から持たれている印象を理解しながらも彼女が実際にそのサイトを利用し、多くの人との実際の出会いの中で救われたり、本当に嫌な経験もしたけれど、多くの新しい出会いによって新しい世界を見つけられたからだ。

だから、実際に外野からたちの悪いガヤと飛ばされたとしても、それが自分に合わないと思えたら、きちんと対処できる。冷静でいられる。

菜々子さんのように、眩しすぎると思える体験をなるべく多く自分の中に増やすことが出来たなら、些細なことも、自分を蝕む他人の発言も、床のホコリと同じように取るに足らないものだと思えて、そして進んでいけるのではないかと思うようになった。

その為には何が必要なのか。でも薄っすらとした答えって実は気づいてるかも。0と1に雲泥の差があるように、やった人とやらない人には雲泥の差がある。やってみないと分からない。そんなありきたりな言葉の意味を自分事として真剣に考えてみてる。自分がしたいと思ったことや体験になるべくリソースを大きく割くためにはどうすればいいのか。そんなことばかりを考えていた数ヵ月だった。

結局自分次第なんて笑える

わたしみたいに、他人の意見にすぐダメな影響を受けてしまう人は多くいるだろう。自分が浸食されている感覚は恐怖だ。とてもよくわかる。

でもそれを打ち破れるのは自分の中に蓄積された経験だったり、体験だったり、自信や価値観みたいな内側から援護射撃してくれる何かなのか、そう思えるようになってきた。菜々子さんのように、自分を内側から支えてくれるものを増やしていきたいとも思った。やるしかないなと思った。

他人のせいにする癖がつくと出だし一歩が遅れてしまう。わかってはいたけど、結局自分次第なんじゃんって、でもそんなこと言われてもつらい。でも何回も考えてみても、友人の意見も聞いてみても、自分が嫌でも納得できる結論だった。

そう思ったら次はこうも思い始めた。自分の内側の壁をどんどん厚くしていきたい。そんなイメージで自分の中に好きな事、やりたい事、体験や経験を注いでいこう。そうしたら、いつの間にか内側からわたしという人間が新しく生まれるような気がしてる。

外側に張り付いた、見栄や体裁や人間関係やしがらみなんかが全部全部。内側から押し出されるように、剥がれ落ちていってくれるかもしれないと。


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