フォローしませんか?
シェア
吉田 翠*詩文*
2021年3月23日 18:58
初ざくら世阿弥の舞ということか【俳句・草笛】時は義満の世、花の頃。芸に身を置くひとりの少年が、既に目にする事もめっきり減った、水干を身につけ舞う女人の姿を目の前に座していた。そもそもは色の淡いはずの桜。その桜の花が、あたかも朱の炎をはらみ、夜空の星々を目指して燃えてゆくかのようであった。音を消し去り、我を消し去り、哀しみを哀しみのままに喜びを喜びのままに携えて、待ち構える無の境地に登