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カーボンディスクロード考

自転車なんてのは個人の好きに乗れば良く、本人が満足なら、何に乗っても良い。自分にとってはe-bikeも、ヒルクライムでは体力差を埋めて誰かと一緒に楽しめる良い乗り物だ。早く走るだけが自転車ではない。

そんな考えの自分は、コロナ前にカーボン製の自転車を処分して、スチールの重たい自転車に乗り換えた。クローズドサーキットで走ることなどなく、常に他の自転車、車、歩行者、ネコ、鳥、等々に気をつけながら走ることが多く、必然的にスピードは出さない。カーボンに乗ってた頃は、早く走らなきゃ、と感じることもあったが、スチールに乗り換え、安全第一でスピードは出さないようになった。

そんな自分はいまだにリムブレーキ。普段乗る分には当然問題ない。しかしながら、ロングライドでダウンヒルが多くなる、特に傾斜のきつい下りが多い道を走ると、自分の握力の限界を感じることがある。つまり、しんどい。言うまでもなく、下り坂で腕が疲れるのはバイクコントロールを制御できず、危険でしかない。エタップドツールに向けたトレーニング中、本番はディスクブレーキの自転車で臨もう、と思った瞬間だ。

結果どうだったのかというと、エタップドツールのキツいコースを完走した時、下半身、そして心肺はしんどさがあったものの、腕や握力は全く問題なかった。やはり下り坂にディスクブレーキは安全第一の自分には疑いなく有益であった。一般的に、ヒルクライムには軽量のリムブレーキに利がある、と見ることが多いが、上ったら下るもの。下りにおいては、圧倒的にディスクブレーキが良い。そして重大な事故は下りで起こりがち。ヒルクライムバイクにこそ、ディスクブレーキが良い、と自分は考える。

一方で、見た目やメンテナンス性、輪行のしやすさなど、走行性以外の部分でなかなか自分の自転車を切り替えることを躊躇している。また、今あるリムブレーキのフレームも愛着があり、まだまだ乗りたいとも思う。エタップドツールでの、レンタルという選択肢は自分には正解であった。

そう。今ディスクブレーキにシステム移行しない理由は、今の自転車に乗れるから。ただし、リムブレーキシステムの発展の未来は見えない。ある意味で、完成されたシステムに乗れる機会ではある。ではリムブレーキ用の1世代前のデュラエース、あるいはカンパニョーロ、そんな選択肢はある。工賃も含めておよそ20万円の投資だ。完成されたリムブレーキシステムをしばらく堪能するか。それとも、今のうちからディスクブレーキに投資を切り替えるか。間違いなく、次に買う自転車はディスクブレーキ。フレームの素材はカーボンとは限らないが、ディスクブレーキであることは間違いない。

あぁ、悩ましい。

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